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手紙の達人コラム 切手デザイナーインタビュー 中丸 ひとみさん

手紙と切っても切り離せないのが、切手。
その切手をデザインしているのが、郵便局(日本郵便株式会社)に在籍する切手デザイナーさんです。
今回、切手デザイナーさんに話をうかがいました!

Q.切手デザイナーになったきっかけを教えてください。

子どもの頃から絵を描くのが大好きで、将来はマンガ家になりたいと思っていました。

美大を卒業後、大手キャラクター関連の会社にキャラクターデザイナーとして就職。主に女性向けの、キュートで愛らしいキャラクターや花の絵のグリーティングカード、海外向けの美人画等のクリスマスカードやステーショナリーをデザインする仕事をしていました。

前職では、たとえば、ほんの少しキャラクターの色が違うだけで売上が大きく変わる面白さや怖さ、ファンの方の意見を取り入れてデザインにアレンジを加える楽しみを教わりました。

現職に就いたのは、2007年の郵政民営化のときからです。

Q.主にどんな切手を担当していますか。

「季節の花シリーズ」とグリーティング切手(シールタイプの切手)が主な担当です。
切手は、発売のおよそ6~8か月前から、制作にとりかかります。
つまり、季節の花シリーズでいえば、年末に、翌秋に発売される切手のデザイン案を考えはじめるのですが、季節がずれるため、デザインしなければならない花がその時期には咲いていないんですね。お花屋さんで買うのもむずかしいです。

図鑑を見ることもありますが、理想をいえば、実物の花を目にしながらデザインしたい。

そこで、一年を通して自宅の庭でたくさん花を育てています。もともと花が好きなので、楽しみながら育て、仕事にも役立てています(笑)

下絵は必ず手描きです。わたしはパソコンよりも手描き派。そのほうが、独特の温かみ、やわらかさ、やさしさといったものを表現できると思うんです。

業務時間中は電話がかかってきたり、会議の資料をつくったり、なかなか集中して下絵を描く時間を作れないため、だいたいいつも週末、自宅で描いています。

Q.特に思い入れのある切手を教えてください。

2012年の秋のグリーティング切手で、「ぽすくま」という新キャラクターが誕生しました。

この切手はおかげさまで大好評。あわせて売り出した「ぽすくまグッズ」3種/ストラップ、シール、3Dポストカードも、予想よりかなり早く完売しました。

もともとグリーティング切手は、春と夏と冬のみで、秋だけなかったんです。
こういう時代ですから、会社としてもなんとか売上を伸ばさないといけません。
そこで、ミーティングの席上でわたしが「秋のグリーティング切手を作ってはどうか。サブジェクトはぜひ、人気のテディ・ベアでやらせてほしい」と恐る恐る発言し、実現できることになりました。
このときは、切手デザインはもちろんのこと、「ぽすくまグッズ」の企画デザイン、関連するポスター、チラシ、「ぽすくまグッズ」の販売用の什器まですべてデザインを担当しました。
とても大変でしたが、前職での経験を活かせ、幸いお客様からも熱い支持をいただくことができ、わたしにとってもとても思い入れの強い切手になりました。郵便局の社員の方々に喜んでいただけたことも、大変励みとなりました。

2013年2月1日には春のグリーティング切手の発売に合わせ、「ぽすくまグッズ」第2弾として、今度はミニストラップ、付箋、マスキングテープの3種が発売開始となりました。よろしければチェックしてみてください。

*「ぽすくま」について
「ぽすくま」はクマのぬいぐるみの郵便屋さん。この手紙を送った人はどんな人だろう、この手紙を受け取る人はどんな人だろう、そんなことを思いながら「ぽすくま」は今日も元気に笑顔で郵便配達をしています。好きなものは、お花と朝食のハチミツトーストです(引用:日本郵便ウェブサイトより)。

Q.切手デザインに込める想いを教えてください。

自分でデザインした切手の発売日には、必ず郵便局に行って、自分でも購入するようにしています。

すると、窓口で並んでいる人の声が聴こえてきたり、売り場の様子や反響がなんとなくわかったりして、興味深いです。それを次のデザインに活かしていこうという気持ちにもつながります。

わたしは「切手が大好き!」「郵便が大好き!」な人を増やしたいんです。郵便局に行ったらなんとなく楽しい気分になったり、子どもに「ママ、郵便局に連れていって!」と言ってもらえるような空間にできたらいいですね。それが手紙文化の振興につながると思うからです。

そのために、これからも今回の「ぽすくま」のような新しい取り組みや、「きれい」「かわいい」「楽しい」を意識した切手デザインをつづけていこうと思います。

*インタビューを終えて

外見から物静かで、どちらかというと飄々とした控えめな印象を受ける中丸さん。

ところが、いざ切手デザインに込める想いを聴いてみると、実に熱く強い想いを胸に抱いていらっしゃることに驚きました。

大人気となっている新キャラクター「ぽすくま」は、ミーティングの席上、中丸さんの「ぜひやらせてください」のひと言からはじまったのですね。偉い人たちを前にすると、つい萎縮してしまいがちだと想像しますが、個人的に、勇気ある発言に心から拍手したい気持ちです。

古くからある意味、守られた環境にある郵便局にあって、新しい風を吹き込もうと、必死に闘っていらっしゃるのでしょう。

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