2018年12月10日

マップとトラベラーズノートを手にマドリードを歩く。

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今ではグーグルマップを使えば大抵の場所には
地図を見ることなくたどり着くことができる。
実際に自分も旅をする時にもよく使っているし、
それによって道に迷うことも少なくなった。

だけど、旅をするにはやっぱり紙の地図が
あった方が良い。
紙の地図を広げて眺めることで、
スマートフォンの小さな画面よりも街全体を俯瞰
できるから、距離感や位置関係を把握しやすい。
地図に描かれたイラストや記号などが旅の想像力を
掻き立ててくれる。
紙だからちょっとした書き込みもできる。
広げて眺められるから、一緒に歩く人とどこに
行こうかと話したり、今いる場所を共有したり
しやすい。
街を歩くうちに、折り目が破れてきたり、
紙にシワができてくると、なんだかその街を
深く知れたような気分にしてくれる。

それに掲載情報が限られる地図は、
どうしても作り手の主観が入ってきてしまう
のだけれど、相性の良い作り手であれば、
より効率的に好みの場所に案内してくれる。

トラベラーズカンパニーキャラバン in マドリード
では、現地代理店の力を借りて、マドリードマップ
を作った。
トラベラーズノートユーザーならきっと気に入ると
思うおすすめのショップやレストランなどを
セレクトして、マップに掲載した。
マドリードに着くと、僕らもこの地図を手に
町歩きを楽しんだ。

まずは、マップにも掲載している、
今回のイベント会場となるショップを訪問。
アパレル系のショップから、アートも扱う
セレクトショップ、マドリード最大級の書店、
ステーショナリー専門店まで、どれも個性的で
素敵なお店ばかりで、それぞれ工夫をこらして
トラベラーズノートを並べてくれている。
これらのお店では、スタンプラリーも開催して
いるから、巡る楽しみも広がる。
台紙だけでなく、ノートにもスタンプを押して
僕らもユーザーとしてイベントを楽しんだ。

マドリードマップを作っていて行きたかった
お店のひとつ、Antiga Casa Crespoでは、
スペインの手作りの靴、エスパドリーユを購入。
とてもフレンドリーで人が好い店主に
マドリードマップを見せると、とても喜んでくれた。

代理店のアーチュローがマドリードに来たら
絶対に食べるべきだと言った、地元のソウルフード、
カラマリ(イカリング)サンドウィッチは、
想像以上にたっぷり盛り付けてくれて、
ボリュームたっぷりでとても美味しかった。

今回の旅用のリフィルとしてトラベラーズノートに
挟んだのは、マドリードのモチーフを表紙に
レイアウトしたマドリードリフィル。
カラマリサンドウィッチやエスパドリーユに加え
町歩きをしながら、そのモチーフの元となった
信号機や食べ物、サインなどを見つけると、
宝探しでお宝を見つけたような気分になって、
ノートと一緒に写真を撮った。

この旅では、マドリードマップを眺めて行きたい
と思っていた場所の半分も行けなかったけど、
次に行く時の楽しみにとっておくのも悪くないと
思った。

そのマドリードマップは、現在スペインでイベント
を開催している6店舗で配布中です。
もし年末年始のお休みでマドリードへ旅に行く
方がいましたら、ぜひお店に訪問していただき、
マップをゲットしてみてください。
EL MODERNOとDo Designではオリジナルの
スタンプも設置しています。
あわせてお店の方と、トラベラーズノートに
ついてお話しながら、おすすめのレストランや
ショップを聞いてみたりして、マップに書き込んで
いったりして、カスタマイズしてみてください。

日本では、1月10日よりトラベラーズファクトリー
にて、イベントアイテムの発売とあわせて
マドリードマップも配布する予定です。
マドリードに行く予定がある方は、こちらもぜひ。

今回のイベントをきっかけに、みなさんにとって、
トラベラーズノートと一緒にマドリードを旅すること
がぐっと楽しくなれば嬉しいし、世界中にそんな街を
増やしていきたいな。

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2018年12月 7日

マドリードでトラベラーズノートに絵を描く

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マドリード滞在最後の日の日曜日。
ホテルの近くにある行きつけのカフェに行くと
日曜日だからか、満室だったので、その先にある
はじめてカフェに入ってみる。今日はアボガドの
スライスをのせたパンをオーダー。
昨日の朝食べた生ハムのパン同様、美味しい。
スペインに来てから、食べるものすべてが
美味しくていちいち感動している。
パンと一緒に頼むのは、いつもコルタド。

コルタドというのは、エスプレッソに少しだけ
ミルクを足したもので、この名前を覚えるまでは、
エスプレッソをオーダーしてからミルクをお願い
していたんだけど、エスプレッソとコルタドは
値段も違うからミルクを少しだけ足したい場合は
コルタドをオーダーするのが正しい。
そんなことを知るだけで、スペインが身近になった
みたいで嬉しい。

朝食の後は、今日のワークショップが行われる
エル・モデルノというお店まで歩いて行く。
このお店のオーナー夫妻に、その長男の九歳の
オルモくんまでトラベラーズノートを使ってくれて
いて、今回のイベントをほんとうに楽しんでくれて、
たくさんの企画に協力してくれている。

お店に着くと、すでにワークショップの先生の
ハビエルさんが来ていた。
ハビエルさんは、限定リフィルの絵を描いてくれた
アーティトの一人で、イベント初日に開催していた
オープニングパーティーですでに会っている。

「今日はよろしくお願いします!」
「君も参加するのか。まあ楽しんでやってくれ」
少しとぼけた調子で悠然と話す姿は、アーティスト
というより中学校の美術の先生といった感じ。
参加者が集まると、エル・モデルノを出発し、
みんなで街を歩いた。

しばらく歩き、小さな広場に着くと、
ハビエルさんは、ここで見たものをなんでもいいから
トラベラーズノートに描いてくださいと言った。
「恥ずかしがらず、大胆に。失敗しても気にしない」
そんなアドバイスとともに、みんなトラベラーズ
ノートを取り出し、街の風景のスケッチをはじめた。

参加者は約20人。
かつてパンナムで仕事していたという
おばあちゃんから、オルモくんまで年齢も幅広いし、
香港からイベントにあわせてやってきたパトリックに
マドリードに住んで12年という日本人のも参加して
くれて、国籍もさまざま。
そんな人たちがみんなでマドリードの街角で
トラベラーズノートを片手に絵を描いている。
僕は、その姿に不思議な感動を覚えた。

そこで30分ほど絵を描くと、次はカフェに移動し
コーヒーを飲みながら、その続きを描く。
カフェの次は、ハビアさんのスタジオに移動。
様々な画材が揃い、描きかけの絵がたくさん並んだ
とても素敵な空間だ。
参加者はみんな感嘆の声を上げそのスタジオを
眺めると、また絵を描きはじめた。
最後に、みんなの絵が描かれたトラベラーズノート
を並べて記念撮影。
さらにスタジオでは、ビールやチーズが振舞われて、
パーティーのような雰囲気になり、歓談を楽しんだ。

その後、みんなでスタジオを出ると、
今度は近くのバーに入り、ワインとチーズで
パーティーは続いた。

「昼間からお酒を飲んで、何件もハシゴして、
それが夜まで続くんだ。これがスペインの休日の
過ごし方なんだよ」

今回のイベントをたくさんのお店とともにアレンジ
してくれた代理店のオーナー、アーチュローは、
笑顔でこう言った。
途中からトラベラーズノートユーザーのアーティスト
たちも加わり、パーティーは暗くなるまで続いた。

前日は別のお店で、限定リフィルの絵を描いて
くれたエイトウさんのワークショップがあった。
彼もまたトラベラーズノートユーザーで、今回の
イベントでオリジナルのリフィルを作ることが
できたのを心から喜んでくれた。

彼は、色が大事だと言い、例えば旅に出る時に
まず色を決めて、その色をずっと使って絵を描くと
いいと教えてくれた。色を決めると、その色のペンを
渡してくれて、その場で思い思いの絵を描いた。
絵を描くことは、孤独な心を癒し、心の病を治療
するような行為だとも話してくれた。そんな彼の
トラベラーズノートには、不思議なイラストや
チケットや切り抜きのスクラップ、日記などで
埋め尽くされていて、ひとめ見ただけで、
彼の毎日にトラベラーズノートが寄り添っている
のがわかった。

ザ・スミスが好きだという僕に、モリッシーの
イラストととともに「There Is A Light That Never
Goes Out」と腕に彫られたタトゥーを見せてくれた。
マルタさんも自身のスタジオに僕らを案内してくれた。
「最初は、この縦長のサイズに戸惑って1年くらい
使ってなかったんだけど、使い始めたらこのサイズ
じゃなきゃダメって感じで、すっかりはまっちゃった」
そう言いながら、たくさんのイラストが描かれた
トラベラーズノートを見せてくれた。

ZATAさんは、革カバーやリフィル、パッケージ
などをボードに貼り付けて、限定リフィルの
アートワークをさらにバージョンアップした作品を
作ってくれた。

みんな第一線で活躍するプロフェッショナルの
アーティストなのに、僕らや普段絵を描かない
参加者に、とても優しく絵をことの楽しさを
教えてくれた。
絵を描くという行為は、決して特別なことでなく
音楽を聴いたり、本を読んだりするように、
気軽に毎日の生活にあってもいいんだ。
失敗を気にしないで大胆にペンや筆を動かして
表現をする。
毎日を共に過ごすトラベラーズノートだからこそ
日常の中で、もっとさりげなく絵を描くことに
向かい合いたい。
絵を描くだけじゃなくて、バルセロナから来て
スクラップのワークショップを開催してくれた
バーバラさんみたいにトラベラーズノートに
貼ったりすることだってできる。
マドリードの果てしなく続く飲み会のなかで、
そんなことを考えていた。

それぞれのアーティストの作品は下記の
インスタグラムアカウントやサイトで
ご覧いただけますのでぜひチェックして
みてください。

Javier Zabala/ハビエル・ザバラ

Aitor Saraiba/アイトール・サライバ

Marta Botas/マルタ・ボタス

ZETA (Pablo Herrero)/ゼタ(パブロ・エレロ)

Bárbara Salas/バーバラ・サラス

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2018年11月26日

東京に泊まる

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先週のこと。
訳あって、東京の大塚にあるホテルに泊まること
になった。
東京の東側に住んでいる僕にとって
大塚は今までほとんど縁がなく、大塚の印象と
言えば、池袋と巣鴨に間にある駅というくらいで
正直に言えばどんな街がもほとんど知らなかった。

夕方早々に会社を抜け出して、
恵比寿から山手線に乗り、大塚駅まで行く。
駅を降りると、東京で唯一残る路面電車、荒川線の
駅が見えた。
荒川線はまだ子供が小さい頃に、あらかわ遊園に
行くのに乗ったことがある。
そういえば、大塚にその駅があったんだな。

この日の宿のOMOは、駅を出るとすぐ見つかった。
OMOは星野リゾートが作った新しいスタイルの
ホテルで、いろいろ面白い試みがあるということで
一度泊まってみたかったのだ。

日が沈む頃にチェックインを済ますと、
このホテルのひとつの特徴でもあるご近所ガイド
ツアーに参加した。
駅前の商店街では、昔ながら肉屋さんのハムカツや、
老舗和菓子屋さんのどら焼きを食べ歩きしたり、
人気のない神社を歩いたり、山手線の陸橋から
駅に入ると電車と遠くに見えるスカイツリーを
眺めたり、ガイドのお話しを聞きながらの町歩きは
その街に詳しい友人に案内してもらっているようで、
とても楽しかった。
観光地にありがちなガイドブックのような
名所旧跡案内やバックマージン目当ての案内とは
一線を画す、人との繋がりを大事にし、
地元愛に満ちた手作り感が溢れるガイドで、
終わる頃には、僕らも大塚が好きになっていた。

さらに夜もガイドの案内でこだわりのお店や、
ディープな飲み屋さんへ連れて行ってもらった。
最後の締めは、ホテルの隣のある
人気のおにぎり屋さんでお腹もいっぱい食べ、
まるで旅人のような気分で、大塚散策を満喫した。

東京で、しかも平日に泊まるというのは、
ほとんどはじめての経験だったけれど、
ちょっとした旅気分も味わえるし、
旅人の目線で東京を眺めることができて、
とても面白い体験だった。
OMOは、ただ寝るための場所ではなく、
OMOレンジャーによる大塚ガイドをはじめ、
ちょっと変わったレイアウトのくつろげる部屋に
美味しい朝食も楽しめるカフェなど、
旅のテンションを盛り上げる仕掛けがたくさん
あって、遠方より来る方にはもちろん、東京に
住んでいる方にもおすすめのホテルです。

さて話は変わりますが、いよいよ今週から
トラベラーズカンパニーキャラバン in マドリード
がはじまります。僕らも28日より現地へ向かいます。
今回のイベントは今までと違いマドリードという
街にフォーカスした新しい試みのイベントでもある。
開催に向けて、現地の代理店の方や開催店舗の
方々も、ワークショップや展示イベントなどを
アレンジしてくれたり、皆さん一緒に盛り上げて
くれている。
イベントにあわせて、マドリード在住の
アーティストに描いてもらったアートワークを
プリントしたリフィルを製作したのだけれど、
アーティストは、みんなトラベラーズノートユーザー
でもある。
彼らにトラベラーズノートの使い方を教えて
いただくワークショップは、僕らもとても楽しみ。
これらに参加しながら、マドリードマップと
トラベラーズノートを手に町歩きを楽しむ。
まさにトラベラーズらしいイベントになりそうです。

イベントの模様は、Instagramtwitterfacebook
でもレポートしていく予定なので、こちらも
ぜひ楽しみにしてください。

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2018年11月19日

ノートと向かいあう心

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僕らはノート屋としてノートを作ることを生業と
しているつもりだけど、実際に手を動かしてノートを
作っているわけではない。

トラベラーズノートは足すことよりも引くこと、
削ぎ落としていくことを大切にしたプロダクトだから、
12年前に生まれてから、少しは色が増えたり
サイズが増えたりしたけれど、今もそれほど
大きな違いはない。
それなのに12年たっても、あいかわらず
忙しくバタバタやっていて、それでは僕らは
いったい何を作っているのだろうと考えてみたら
ふと、こんなことを思った。

ノートと向かいあう時の心持ちとか、
ノートに向かわざるを得ないような衝動、
ノートと向かいあった時の高揚感......。
つまり僕らは、ノートと向かいあう心みたいなものを
作りたいのかもしれない。

ノートが大量に並んでいてもノートと向かいあう心が
ぜんぜん感じられないノート売場がある。
ノートと向かいあう心とは、
決してノートの使い方とか、ノート術のようなこと
ではない。

例えば、ずっと昔に使っていた、
色あせてやぶけそうな1冊のノートが懐かしさと
ともに大切な何かを思い出させてくれることがある。
例えば、真新しいノートのページを開くとあらわれる
真っ白の紙面が、なんとも言えないワクワクした
高揚感を引き起こしてくれることがある。

そんな時は、ノートという存在が心を持つ。
ノートが鏡のようになって、向かう人の心を
写し出すのだ。
そうしたら、そこに身を委ね、鏡の奥へと深く
沈んでいく方がいい。
悲しみも喜びも感動したことも辛かったことも
弱さやも否定も肯定もせず、ただ受け入れる。
すると、今まで眺めていたノートという存在が、
自分を見つめる観察者へと変わる。
そこから目をそらさず、ひとり思考の海を漂い
真っ白な紙面に向かう。
それがノートに向かう心だ。

そんな瞬間は、実にあいまいで前触れもなく
やってくる。
それは異国を旅している時かもしれない。
行きつけのカフェでふとお気に入りの曲が
流れた瞬間かもしれない。
目を閉じた時にふと大切な人の笑顔が頭に
浮かんだ瞬間かもしれない。

そこに漂う空気、その時の気分や健康状態、
そして、ノートの佇まいがぴったりと符合した
時に前触れもなくやってくる。

エモーショナルな衝動とともに、
何か描きたくなって胸が高鳴り、
自分の中に新しい何かがはじまっていく予感が
ふつふつと湧いてくる。

そうやって向かい合ったノートの紙面には、
ほんとうの自分があらわれてくる。
それは文字だったり、絵だったり、切り貼りだったり、
汚い殴り書きだったりするかもしれない。
だけど、そこであらわれてくるものは、
今まですくえそうでこぼれ落ちてしまった、
心の奥底に澱のように沈んでいた、ほんとうの
自分が表現されたものだ。
そこには言い訳や愚痴もなく、うまく書こうとか
かっこつけようなんて邪心もない。
ずっと表現したかった、ずっとやりたかった、
ずっと言いたかった、そしてずっと聞きたかった
自分のほんとうの声だ。

その瞬間があらわれる理由を、方程式のように
解き明かそうとしても見つけることはできない。
捉えられそうな気がしても、手にした瞬間には
シャボン玉のように消え去ってしまう。

でも、ノートと向かいあう心が生まれるための
絶対的な数式を見つけることができなくても
その可能性を高める方法は見つけることは
できるかもしれない。

例えば、淹れたてのコーヒー、心地よい空間、
心に響く音楽や本、大切な何かを思い出させて
くれるメッセージやデザインや道具、
友人や家族と交わした心からの言葉、
旅に出ること、旅するように毎日を過ごすこと、
使い込んだ愛着のあるペン、
いつも手にしているトラベラーズノート...、
それらが、突如ノートに向かう心を引き起こす
引き金になることがある。

僕らは、そんなノートに向かいあう心を作って
いきたいと思って新しいプロダクトを作ったり、
トラベラーズファクトリーを運営したり、
イベントをやったりしているのかもしれない。

ノートと向かいあう心が生み出すマジックに
心を揺さぶられた経験がある者たちとしては、
やっぱりノートの可能性を信じていたい。
それは自分も含めたノートに向かうそれぞれの
人自身の可能性なのかもしれない。


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2018年11月12日

ポーチ・カスタマイズ!

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昔からケースとかポーチに惹かれる。
手持ちのもので十分間に合うはずなのに、
新しい使い方を思いついたとか、入れるものが
変わったとか何かを理由をつけて新しいケースや
ポーチを手に入れてしまう。
使い心地はもちろん、素材感が心地よかったり、
使うほどに愛着が出たりするものがいい。
そしてもちろん中に入れるものとの相性も重要だ。

例えばペンケースには、
いつも使うラインアップがきれいに入らないと
気持ち悪いから、お気に入りのペンケースに
ちょうどよく収まる、お気に入りのペンのセレクト
にはいつも頭を悩ませている。
ポーチを選ぶときには、サイズや形にあわせて
入れるものを考えるのが楽しい。
お気に入りの道具は、それがぴったり入る
専用のケースに入れるだけで、さらに愛着が湧き使う
時間が楽しくなる。

ちょうど良いサイズのケースがない場合は
自分で作ってしまうことも多い。最近の新作は、
MacBookを入れる革のケースで、前にチェンマイに
行った際に、そのサイズにあわせて漉いてもらった
トラベラーズノートの革を手に入れて自分で作った。
素人だから縫い目はあまりきれいではないけど、
サイズ感も好みもぴったりだから、けっこう気に
入って使っている。
これに、The Superior Laborのエンジニアポーチ
の#1に充電器やケーブルを入れて持ち歩いている。

先週末、そのThe Superior Laborの河合さんたちが
トラベラーズファクトリー中目黒に来てくれて、
ポーチのカスタマイズオーダーイベントを開催した。

彼らの定番アイテム、エンジニアポーチを好きな色で
ペイントしてさらにスタンプでカスタマイズができる
というイベントで、まさにケースやポーチ好きには
たまらないイベントとなった。

色は14色から選んでオーダーできるのだけれど、
イベントを手伝いに来てくれたエステルさんが
ピンクをリクエストすると河合さんはその場で
ペンキを混ぜて少しくすんだエステルさん好みの
ピンクを調合。その後、その色はエステルピンクと
名付けて、イベント中たくさんオーダーを受けた。

もちろん僕もポーチをオーダーした。
大きさは悩んだ末に少し大きめの#3をチョイス。
ペンケースや水性絵具セット、老眼鏡が入るサイズで
トラベラーズノートのための道具がぴったり入る。
トートバッグにこれと、トラベラーズノートを入れて
旅先のカフェで何かを描いたり......、
そんなことを想像しながら決めた。

そして色は、河合さんにわがままを言って
オリーブ色にペンキを調合してもらい、さらに
塗り方を教えてもらって、自分でペイントをしてみる
ことにした。
通常はボトム部分をペイントするのだけれど、
どうせならちょっと変わったものにしたいと思い、
ボディー全部をペイント。さらにイエローのラインを
塗り足し、シュペリオールレイバーのスタンプを
押して、自分だけのオリジナルポーチが完成した。
帆布にラバーのような質感が加わり、面白い質感の
ポーチになった。自分好みの色だし、自分で手を
加えて作った分、手にした嬉しさもひとしおだ。
できあがった瞬間使うのが待ち遠しくなった。

イベントではたくさんの方が楽しそうに、
自分の好きな色にペイントしたポーチにスタンプを
押してカスタマイズをしていたけれど、
きっと僕と同じように、それに何を入れて、
どこへ持って行くのか、想像していたんだろうな。
僕らもまた、今回たくさんの人たちの手によって
生まれたたくさんのポーチがどんな風に使われて、
どこへ旅に行くのかを想像するとワクワクする。

そんなわけで、イベント中も、最後の打ち上げも
ずっと笑顔が絶えない楽しい2日間でした。
The Superior Laborの河合さんと三好さん、
2日間手伝ってくれたエステルさん、そして、
足を運んでくれた皆様ありがとうございました。
その後も、トラベラーズファクトリー中目黒では、
The Superior Labor Shop In Shop Expanded
Versionとしていつもラインアップを拡大して展開。
さらに2階では、河合さんの写真展を開催しています。
河合さんらしい男気と温かさを感じるかっこいい写真
が並んでいます。こちらもぜひ。


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2018年11月 5日

「OZの女子旅EXPO」に参加しました。

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女子という言葉に、恐れと憧れ、嫌悪と好意の
入り混じった複雑な感情を抱いてしまうのは、
やっぱり思春期の頃の記憶に起因するのだろう。
思い切って告白してしまえば、中学生の頃の僕は
同級生の女の子とまともに会話ができなかった。
授業中に机から落とした消しゴムを拾ってもらっても
ありがとうすら言えないくらいで、だから
影でコソコソと悪口を言われているんじゃないかと、
被害妄想のような気持ちにもなっていた。

かっこよくもないし、スポーツも得意でないし、
人前で明るく振る舞える性格でもなかったから
女の子から積極的に話しかけられることもない。
男兄弟しかいなかったから、同年代の女の子の
扱いにも慣れていない。
思春期であれば当然女子に興味があるのに、
そんな性格を変えていく努力もしなかった。
女子はそんな僕に当然興味を持つこともなく、
教室には存在しないものとして扱っているものだと
思っていた。
その頃浸っていた音楽や文学では、男女の恋愛は
最も大きなテーマのひとつだったのに、
憧れではあったけど、恋愛なんて手の届かない
遠い夢の世界の出来事だと思っていた。

その後、高校、大学と進むとリハビリのように
少しずつコミュニケーションをすることで、
女の子という存在に慣れていった。
でもいまだに、例えば娘から「お父さんは
女の子の気持ちがさっぱり分かってない!」
なんて言われると、中学生の頃のことが
ぼんやりと頭に浮かんで、軽く自己嫌悪になり
落ち込んだりする。

前置きが長くなってしまったけど、
先週末はよりみちノートでお付き合いさせて
もらっているオズマガジンさんの
「OZの女子旅EXPO」というイベントに
トラベラーズファクトリーとして参加した。
女性読者を対象にした雑誌オズマガジンと、
女性向けの旅のポータルサイト、オズモールの
イベントだから、女子という言葉がタイトルに
入るのはまったく自然なのだけれど、
個人的には女子という言葉にちょっとした
緊張感を抱きながらイベントを迎えた。

今回のイベントでは、オズマガジン統括編集長の
古川さんがはじめてプロデュースを行うということで
会場には女性だけでなく男性も入れるようになり、
さらにオズマガジンらしい視点での47都道府県の
旅のテーマの紹介だったり、出店ブースも
ALPS BOOK CAMPでお世話になった松本の書店、
栞日さんに、JAMCOVERさん、甲斐みのりさんの
セレクトショップなどオズマガジンらしいセレクトで、
作り手の想いと温かさを感じるイベントになっていた。
僕自身も、トラベラーズノートをはじめて手にする
という方に接客をする機会にも何度か立ち会えて、
とても楽しいイベントになった。

イベントでは初日は真心ブラザーズ、
2日目はサニーデイ・サービスのボーカル、
曽我部恵一さんのライブも開催された。
こちらは女性限定のライブだったけれど、
古川さんにわがままを言って関係者席で
拝見させてもらった。
どちらも自分が好きなミュージシャンだから
来てもらったんです、と古川さんは言っていたけど、
僕も真心ブラザーズは学生時代から聴いていたし、
サニーデイ・サービスもお気に入りのバンドだし、
このライブはとても楽しみにしていた。

女性ばかりの会場の後ろでひっそりと遠慮がちに
立ちながらも、音楽が始まれば男も女も、お客様も
関係者もなく、会場みんなと一体となってうっとりと
彼らの音楽に耳を傾けていた。
真心の「サマーヌード」に曽我部さんの「週末」など、
お気に入りの曲も聴けて、胸がキュンキュンする
幸せな時間を過ごすことができた。

相変わらず女心は分からないかもしれないけど
女性がいっぱいの会場でもイベントを楽しむことが
できるようになったのは、中学生の頃の僕から
考えると、だいぶ進歩したような気もする。

話は変わりますが、
今週末はトラベラーズファクトリー中目黒で
The Superior Labor さんのカスタマイズ
オーダーイベント
を開催します。
中目黒で常設しているSHOP IN SHOPも
Extended Versionとして拡大し、扱いアイテム
も広がります。こちらもぜひ!


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2018年10月30日

7th Anniversary of TRAVELER'S FACTORY

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朝、中目黒の駅に着き、ホームから改札に向かって
歩いていると、改札の外にいた感じのよい女性が
僕に笑顔を向けてきた。
さらに嬉しそうに手を上げて、僕がここに来るのを
待っていたかのようなしぐさをした。
「誰だっけ」
空港にある飛行機の案内板がパタパタと回るように、
頭の中の記憶を探ってみるけどやっぱり分からない。

あいまいな表情をしながら進んでいくと、
彼女の視線がこちらとずれていくのと同時に、
笑顔を向けているのは、自分ではなく
後ろを歩いている誰かだということに気づいた。
「そりゃそうだよな、
そもそも待ち合わせなんてしてないし......」
そんなわずかは3秒ほどの出来事で、
朝から小さなハートブレイクのような気分を
味わいながらも僕は平静を装い、後ろを振り返る
ことなく前へ進んだ。

この日は、トラベラーズファクトリー7周年記念の
イベントだ。美味しいカレーとコーヒーにワクワク
しながら足を早めた。

トラベラーズファクトリーに着くと、
鉄作家の成田理俊さんに作ってもらった看板が
目についた。オープン当初は鉄が黒い皮膜に
覆われていたけれど、今ではところどころに
赤いサビが見えている。
それが、7年間の時間の経過を美しさとともに
感じさせてくれる。成田さんに作ってもらって
よかったなあと7年たってしみじみと思った。

成田さんの作品から感じる鉄の美しさもそうだし、
他にもコーヒーに紅茶、バッグやシャツ、お菓子、
写真、イラスト、本、音楽など、トラベラーズ
ファクトリーができてから、それらを生業と
する方々と一緒に仕事をしたり、イベントを開催
しながら、いろいろなことを学んだ。
例えばコーヒーだったらもっと美味しく淹れる方法
からはじまり、コーヒー豆や焼き方による味の違い、
自分好みのコーヒーはどんな種類なのか、
それまでぼんやりとしか分からなかったことが、
何度も庄野さんが淹れてくれるコーヒーを飲みながら
お話を聞くことで、昔よりもだいぶ分かってきた
ような気がする。

今回もライブを開催してくれた山田稔明さんや
tico moonさんからは、今まで知らなかった
素晴らしい音楽体験を教えてもらったし、
ピワンさんが作ってくれたトラベラーズカレーは
それぞれ趣向をこらしたトッピング10種類から
選んでカスタマイズするという、今まで味わった
ことがない新しいカレー体験だった。
そうやって、もともと好きだったコーヒー、音楽、
カレーがもっと好きになっていく。

それによって、暮らしの幅が広がり、
未知の世界を教えてもらってくれたけど、
みんなから教えてもらった最も大切なことは、
それぞれの仕事に対する向かい方だ。
自分たちの信念や美学に忠実であること、
義理人情を重んじて仲間を大切に思うこと、
自分たちの仕事に共感し、暮らしを支えてくれる
お客様に敬意を払い、大切に思うこと。
そして仕事を面白がること。

当たり前でもしかしたらきれいごとのようなこと
かもしれないけれど、それを本気で信じて仕事に
向かい合う仲間がいるのが、なによりも嬉しい。
そして、僕らとその仲間たちが作り出すものに
共感し、楽しみにしてくださる方がいることが
僕らの生きがいだ。
週末のイベントは、素晴らしいコーヒーとカレーに
音楽で、まさにそれを存分に感じることができた。

8年目に歩を進めたトラベラーズファクトリーを
よろしくお願いします。

話は変わりますが、今週末は同じ思いを持つ
仲間だと勝手に思っているオズマガジン統括編集長
の古川さんがプロデューサーをつとめるイベント、
OZの女子旅EXPO」にトラベラーズファクトリー
が参加します。
こちらもぜひ!

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2018年10月22日

Sailing On The Seven Seas

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ついこの間まで暑いと思っていたのに、
いつのまにか秋も深まり、朝晩には肌寒さを感じる。
昔は秋になると、人恋しいようななんとも言えない
寂しさに襲われたものだけど、50歳も間近になった
今では、そんな気分もすっかりなくなってしまった。
先週は韓国でのイベントがあったし、終わると同時に
11月末のマドリードでのイベントの準備や
他にもやらなきゃいけないことはいろいろあるから
寂しさを感じる余裕がないだけなのかもしれないけど
忙しいということも、それはそれでいいことかも
しれない。

それでも秋になると思い出すのは、
トラベラーズファクトリーがオープンした時のこと。
はじめての店作りだったから、不安と緊張の中で
バタバタしながら進めていった準備の日々に、
たくさんの方が足を運んでくれたオープンの日。
あの日を境に、船が港を離れ海に漕ぎ出すように、
新しい旅がはじまったような気がする。
自分たちの基地ができたことで、ものづくりから
イベントなど、仕事のやり方がすっかり変わり、
たくさんの新しい仲間たちとの出会いを生んでくれた。
オープン直後は、スタッフも揃っていなかったから、
休日返上で店に立つこともよくあったし、
お客さんがほとんど来ない日や、売上が1万円にも
満たなくて頭を抱える日だってあった。
だけど、それに以上に場があることによって
やりたいことがすぐにできる楽しさや、お客様と
直接話しができる喜びに、日々興奮しながら
必死に続けていった。

店舗運営にまったくの素人だった僕らは、
とにかくトラベラーズらしい店にするということを
唯一の手がかりに、まさに学園祭的なノリで
手探りで様々なイベントを企画していった。

アアルトコーヒーの庄野さんに徳島から来て
もらってカフェイベントを開催したり、
スパイラルリングノートバイキングをはじめて
開催する時だって、売上とかコストよりも
この場所でとにかく楽しいことをやりたい、
そして来てくれた人に楽しんでもらいたいという
気持ちがすべてのはじまりだった。

音楽がずっと好きだった僕にとっては、
トラベラーズファクトリーでのはじめてのライブ
を開催した時は嬉しかったなあ。
tico moonさんに出演してもらったんだけど、
ファクトリーの2階の小さな空間で、
息遣いも聴こえてくるくらい目の前で演奏する
友加さんのハープと影山さんのアコースティック
ギターの音が、鳴り響く。
すると、まるでどこかの異国の高原にぽつんとある
小さな家に招待されて、そこで気の合う仲間たちに
囲まれて聴いてるような、そんな気分になった。
アコースティックの美しく優しい音楽に包まれると、
どんどん心が穏やかで温かくなっていくようで、
はじめての音楽体験だった。

その後、山田稔明さんのライブに、
シャツやバッグにお菓子に本、写真やイラストの
展示など、この場所やトラベラーズノートを
通じて出会ったたくさんの方とイベントを開催した。
そういえば、チェンマイから来てくれた工房の方と
カオソーイのイベントをしたこともあったなあ。

今では、エアポートにステーションと、
トラベラーズファクトリーの仲間も増えたし、
嬉しいことに、海外からこの場所から目指して
旅して来てくれる方もたくさんいる。

だけど、僕らは相変わらず7年前とそれほど
変わらず、トラベラーズらしくを唯一の手がかりに
日々手探りでバタバタしながら続けている。
続けていくということは、立ち上げるよりも
ずっと大変で、小さい頃に砂場で作った山のように
積み上げては崩れるのを繰り返しながら、
少しでも強固で高い山を作るべく奮闘している。
それでも、この場所はもちろん、ここに漂う空気、
ここにある商品、ともに運営するスタッフ、
一緒にものづくりやイベントを行う仲間たち、
そしてここに足を運んでくれる方々が大好きだし、
もっと楽しい場所にしていくアイデアや
新しい出会いが尽きることない。
トラベラーズファクトリーという船とはじまった
冒険の旅は、まだゴールには程遠いし、
これからもトラベラーズの理想郷を探し求めて
旅を続けていく。

そんなわけでトラベラーズファクトリーも
みなさまのおかげで7周年を迎えます。
7周年記念イベントとして、中目黒では
10月27日には、CAFE AALT-NATIVEを開催。
アアルトコーヒーの庄野さんによるハンドドリップ
コーヒーと吉祥寺のカレー屋さんピワンによる
カレーのカフェをオープンします。
ピワンさんは、なんとトラベラーズカレーを
作っていただきます。
トラベラーズノートをイメージしたカレーという
ことで、僕らもまだ未体験。とにかくカレーの
名店ピワンさんにトラベラーズを冠したカレーを
作っていただくだけで嬉しくてたまりません。

そして10月28日はライブDayということで
第一部13:00からは山田稔明さん、
第二部18:00からはtico moonさんのライブです。
tico moonさんはまだチケットがございますので
ご予約を受け付けています。
前述の通り、ファクトリーの2階が温かくて
気持ちいい空間に変わってしまうtico moonさんの
ライブは本当におすすめです。この機会にぜひ。

さらに10月27日からは、7周年企画として
トラベラーズファクトリー各店で3000円以上
お買い上げの方に記念ノベルティバッグを
プレゼントします。
中目黒では、7周年記念スタンプも登場しますので
ぜひみなさま遊びに来てください!
そして、これからもトラベラーズファクトリーを
よろしくお願いします。

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2018年10月17日

TRAVELER'S COMPANY CARAVAN in Korea

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羽田発ソウル行きの飛行機は忙しい。
朝早いフライトだったので、夜が明ける前に
起床して家を出たから、搭乗すると同時に
自然と眠りについてしまう。
でもすぐに、シートベルトのサインが消えるのと
あわせて、機内食の時間がはじまり目を覚ます。
寝起きの目をこすりながら、機内サービスの映画を
見ようと上映リストを眺めていると、
前から気になっていた「ベイビー・ドライバー」を
見つけて、チャンネルを合わせる。
だけど映画がまさに佳境を迎えようとするところで、
飛行機はソウル、金浦空港に降り立ってしまう。
飛行時間はわずか2時間ちょっとで時差もない。
東京とソウルの距離の近さを実感する。

7年ぶりのソウルは、思ったよりも寒くはなく、
日中は東京とそれほど変わらなかった。
まずはホテルにチェックインをして、昼食をとる
ことにする。
歩いて見つけた食堂にあてずっぽうで入り、
チヂミやプルコギなどをオーダー。
韓国の定番サービスとして、2種類のキムチに
サラダ、春雨、ナスの煮付けなどの小皿が、
ずらりとテーブルに並ぶ。
そして出てきた料理はどれも本当に美味しくて
それだけでもう、これから始まるソウルでの日々に
期待がいっぱいになった。

イベント会場となるカフェor.erがあるのは、
聖水洞と呼ばれるエリアで、かつては製靴業で
栄えた町工場がたくさんある街だった。
近年、工場が減っていくのに伴い、それらの
古い建物をリノベーションしてできたカフェや
レストラン、セレクトショップなどが、少しずつ
増えている。
or.erもまたレンガ作りの歴史を感じる味のある建物
をリノベーションして作られている。
このエリアの中心地として、カフェの運営と
あわせて併設するギャラリーでは、
韓国のデザイナーの展示イベントや、アーティスト
などによるトークイベントやワークショップを
定期的に開催し、ソウルの情報発信基地のひとつに
なっている。
今回、ギャラリースペースやカフェの一角を
お借りしてトラベラーズのイベントを開催すること
を決めたのは、その雰囲気はもちろん、考え方に
とてもシンパシーを抱いたからでもある。

会場に着くと、韓国の代理店の代表、Sさんが
荷物を運んで待っていてくれた。
まずはコーヒーを飲みながら、近況からイベントの
段取りなどの話をすると、会場作りをはじめた。

いつも忙しくてバタバタしてしまうのだけれど、
この時間をけっこう気に入っている。
まっさらな空間に、商品や什器が並び、
POPやサンプルなどを置いて、ポスターを
貼っていくにつれて、もともとその空間自体が
持っている魅力とコラボレーションをしながら、
だんだんトラベラーズらしい空気感を持つ空間に
なっていく。
できあがると、トラベラーズファクトリーソウルが
できたような気分になった。

夕食は、or.erのすぐ近くにあるローカルな焼肉屋。
明日はたくさんの人が来てくれるのを願いながら、
乾杯をすると、久しぶりにSさんとお酒をかわし
ながら話をする。

そして、イベント初日。
朝からノートバイキングの準備をしながら、
ふと外に出ると、たくさんの人たちがお店の前に
列を作って待っているのが見えた。
イベントが始まる時間には、さらに列は長くなり、
狭い会場に入るまで、長い時間お待たせしてしまう
ことになってしまった。
だけどみんな僕らに笑顔を見せながら
商品を手に取ったり、ノートを作ったりしてくれた。

もうひとつ嬉しかったのは、
この場所に集まった方々がトラベラーズノートを
通じて、自然と仲良くなっていくシーンをたくさん
見ることができたこと。
カフェの広いスペースを使って、自然発生的に
トラベラーズノートのギャザリングが始まり、
みんなでお互いのノートを見せ合ったり、
それぞれの使い方を説明したりしている。
ギャザリングでおなじみのみんなのトラベラーズ
ノートを重ねてタワーを作るシーンも見ることが
できた。
そういえば、事前にあえて何も伝えずに
サプライズみたいに香港からパトリックがやって
きてくれたのも嬉しかったな

そんなわけで、ソウルでのイベントもまた
他の国と同じようにたくさんの笑顔に溢れた
ハッピーな空間になった。

久しぶりの訪れたソウル。
たくさんのトラベラーズノートユーザーに出会えたし
美味しいものや素敵な場所もいっぱいあるし、
それにわずか2時間ちょっとで行けるし、
またゆっくり訪れたいな。
皆さまもぜひ!

イベントで販売した韓国イベント記念アイテム
10月25日よりトラベラーズファクトリー 各店でも
発売します。こちらもよろしくお願いします!


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2018年10月 9日

夜のさんぽ

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三ヶ月ほど前に新しい革の靴を買った。
新しいといっても、もう何年も前から履いている
靴とまったく同じもので、その靴底がだいぶ
すり減ってきて、張り替えてもらうのとあわせて
もう1足買ったのだ。

この靴は履き慣れるまでちょっと時間がかかる。
買ったばかりの靴に、はじめて足を入れる時は、
締めつけられるようにきつくて痛い。
最初の数日は、靴下を履いて足を入れることが
できないから、裸足で履いて慣らしていく。
もちろん、すぐに足の裏にマメができてしまう。
それでも絆創膏を貼って、締め付ける靴の中に
足をねじ込んで履き続ける。
そんな荒行のような日々を1週間ほどを過ごすと
やっと普通に履けるようになる。

そして数ヶ月もすると、まるで自分の足型に
あわせて作ったかのように、ぴったりフィットする。
そうなると革靴なのに靴べらなんていらないし、
裸足にサンダル気分で履いたり、スニーカーみたいに
軽快に歩くこともできる。
最近は、仕事も出張も、自転車に乗る時も、
散歩にも旅にも、雨の日も風の日も大抵この靴を
履いている。

会社からの帰路。
ふと、最寄りの駅ではなく、その次の駅まで
歩いていくことにする。
新しい靴もいい感じに足に馴染んできたし、
最近読んだ川崎長太郎氏の小説に、
やたらと散歩をするシーンが綴られてたのに
感化されて、ちょっと歩いてみようと思った。
それに一駅歩くといってもわずか20分程度で、
たいした距離ではない。
10月になりだいぶ涼しくなってきたし、
のんびりと夜の街を歩くのもなかなか気持ちいい。

イヤフォンから流れるのは、b-flower の
つまらない大人になってしまった」という曲。
b-flowerは、8月の京都恵文社で開催した
山田稔明さん率いるゴメス・ザ・ヒットマンの
ライブに、ヴォーカルの八野さんがゲストで
参加したことではじめて知った。
1980年代半ばから活動をはじめ、90年代には
当時の日本でのネオアコブームの一端を担った
バンドだったとのこと。
2000年以降は活動を休止し、12年ぶりの新曲
としてリリースしたのが、この曲だ。

ネオアコらしい瑞々しく美しいギターサウンド
とともに、儚く繊細すぎる声で歌われるのは、
曲名の通り、つまらない大人になってしまった
ことを嘆くだけの歌詞。
ライブでは、まるでミュージシャンらしからぬ
地味なポロシャツにチノパン姿で、ぼそぼそっと話す
MCの後にこの曲を歌った姿に感動し、それから
iTuneでダウンロードをし何度も聴いている。

「手にしたはずの確かな愛は
こうしてずっとこぼれ続けるのか。
掲げていたシャングリラ(理想郷)には
僕はきっともう届かないのだろう。
ああ、なんでこんなつまらない大人になって
しまったんだ」

言葉だけ読むと、大人の卑屈な愚痴のように
見えるけど、八野さんの透明感のある繊細な歌声で
聴くと、大人になっても、いまだに確かな愛や
理想郷を求めざるを得ない純粋かつ悲痛な
メッセージのように心に響いてくる。
しばらく音楽から遠ざかり12年ぶりの新曲に、
あえてこんなタイトルをつけるセンスが、
かっこいいと思った。

夜の道を一人目的もなく歩く時のBGMとして
とてもしっくりくる。

大通りを曲がり、薄暗い神社を抜け商店街に出ると
突然その先に東京タワーが見えて、ちょっと
嬉しくなった。
そのまま歩くと、建物の影になってすぐに
見えなくなってしまいそうなので、立ち止まり、
遠くでぼんやり光る東京タワーをしばらく眺める。
写真に撮ろうと、iPhoneを取り出し、
シャッターを押したけれど、写真の東京タワーは、
あまりも小さく薄暗くて、頼りないものだった。

ほどよく賑やかな商店街を歩くと、銭湯を見つけた。
思わず中に入り、30分ほど湯に浸かる。
すっかり気分もよくなって、裸足のまま靴を履き、
外に出ると、涼しい秋の風を体中に浴びながら
思いっきり深呼吸をした。

つまらない退屈な日常にささやかな光を灯すように
僕らはお気に入りのものを手に入れたり、
音楽を聴いたり、本を読んだり、散歩をしたりして
毎日を旅するように過ごす。
あとで、写真には映らなかった東京タワーを
トラベラーズノートに描いてみようと思った。


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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。