2017年4月24日

東京駅から武道館へ

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今週4月27日(木)は、いよいよ
トラベラーズファクトリーステーションのオープン。
ということで、先週は商品を並べたり、
プライスを付けたり、最後の仕上げを行った。
7坪の決して大きいとは言えない空間に、たくさん
のモノが並び、ひとつの世界が生まれていく。
まるでトラベラーズ版キオスクみたいだ。
トラベラーズファクトリーではおなじみの
スタンプコーナーももちろん設置。
東京駅ならではのスタンプや新しく導入した
スタンプマシンも並んだ。
僕らは、しみじみと完成間近の店内を眺めながら、
ここまでいろいろ大変だったけど、
トラベラーズらしい、いい空間になりそうだなと
思った。

そして金曜日の夕方、忙しい最中に開店準備を
抜けさせてもらい、東京駅を後にして武道館へ。
ストーン・ローゼズの来日公演を見に行ったのだ。
ローゼズのことは、ここに何度も書いているけど、
僕が一番好きなイギリスのバンド。
いよいよ生のローゼズが見れるということで
期待に胸を膨らませながら、少し浮き足立って
久しぶりの武道館へ向かった。

ぎっしり詰まった会場の客席に座り、
しばらくすると、会場の灯りが消える。
そして、I Wanna Be Adoredのイントロが鳴ると、
もうそれだけで涙が溢れてきて、それから最後の
I Am The Resurrectionまでの1時間半は、
感動しっぱなしだった。

解散から紆余曲折を経て、あの4人がまた同じ場で、
奇跡のようなグルーヴを奏でているのが、みんな
嬉しくてしょうがない。
会場全体がそんな温かさに包まれたライブだった。

彼らの音楽の一番の魅力は、やっぱりあの
4人でしか成立し得ない、バンドマジックだ。
キース・ムーンとジョン・ボーナムを足して
2で割ったようなスーパードラマーのレニに、
うねるようにループするベースのマニ、
ギターヒーローのジョン、そして、
音程を外しても、そんなの関係ないくらいの
異彩を放つ存在感でバンドとオーディエンスを
繋ぐヴォーカルのイアン。
そのすべてが同じレベルで欠かせない役割を担い、
混ざりあい化学変化を起こすことで生まれる
バンドマジックが今も機能し、さらに進化すら
していることに感動した。

20歳の時、彼らのデビューアルバムに出会って以来、
その圧倒的にポジティブで多幸感溢れる音楽から
何度も生きていくためのパワーやヒントをもらって、
救われてきた。
あれから27年経ち、僕ももうすっかり大人になって
しまったけど、彼らの音楽に向かう時の気持ちは、
あの頃と何一つ変わっていない。
ずっと念願だった彼らのライブに立ち会うことで、
僕はさらに大きなエネルギーをもらうことができた。
20年前に解散のニュースを聞いて喪失感を包まれた
時には、こんな日が来るとは思ってもいなかったけど、
やっぱり奇跡は起きるんだと思えた。

正直に言うと、3月のオリーブエディションや
ブラスの発売から、ステーションのオープンの準備で、
僕は勝手に追い詰められたような気分になって、
精神的に疲れ、心にも余裕がなくなっていたんだけど、
もう大丈夫。
この日のライブで、僕は充分すぎるパワーを充填した。

さて、繰り返しますが、今週4月27日は、
トラベラーズファクトリー ステーションのオープンです。
小さな空間に、トラベラーズの世界をぎゅっと
詰め込みました。
プロダクトはもちろん、ディスプレイやスタンプから
新しいショッピングバッグやショップカードまで、
チームトラベラーズの全スタッフ総力を結集して、
グルーヴを奏でることで、僕らにしかできない世界を
作り上げています。

僕がライブからたくさんのパワーをもらったように
この場所に作り上げられた空間、プロダクト、
そして、スタッフとのコミュニケーションによって、
誰かに感動やパワー、生きるヒントを与えることが
できたら、もうこの上ない幸せです。
場所は、東京駅の丸の内地下北口の改札を出てすぐ。
ぜひ、皆様のお越しをお待ちしています。


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2017年4月17日

東京駅からロバート・フランクへ

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トラベラーズファクトリー ステーションの
内装工事も佳境に入り、週末は最後の仕上げで、
先週作った看板やディスプレイボード、
昨年チェンマイの骨董市で手に入れたポンプや
トランクなどを設置。
少しずつトラベラーズらしい空間ができあがって
くるのが実感できる。

内装工事は、中目黒やエアポートでもお世話に
なっている大将に今回もお願いしている。
トラベラーズノートユーザーだから、お店作りを
一緒に楽しんでやってくれるのがなにより嬉しい。
ハシモトがお店にコンテナを持ち込みたいという
アイデアを出した時だって、大将たちは面白がり
ながら、その方法を模索し、実現してくれた。

あと少しで皆様にもご覧いただけると思うので
楽しみにしていただきたいのですが、中目黒や
エアポートとも違うけど、トラベラーズらしい
かっこいい空間ができそうで、僕らもわくわく
しながら最後の仕上げを楽しんでいる。

そして、金曜日の夜は、夜に東京駅を抜けて、
そのまま中目黒へ移動して、
『Don't Blink ロバート・フランクの写した時代』
の設営へ。

オープン以来、トラベラーズファクトリー2階に
置いてある写真集「The Americans」の作者、
ロバート・フランクのドキュメンタリー映画が
間も無く公開されるということで、ご縁があって
展示を行うことになった。

「The Americans」に出会ったのは2009年。
ジャック・ケルアックの序文が目に止まり、
手に取ってパラパラとページをめくってみたら、
50年代のアメリカの日常を切り取ったコントラスト
の効いたモノクロの写真に惹きつけられて、
それまで写真集なんて買ったことがなかったのに
衝動買いしてしまった。
今まで見慣れていた華やかで栄華に満ちたアメリカ
ではなく、その影の部分に光を当てた写真は、
不思議に悲壮感ではなく、美しさを感じさせてくれ、
それまで気がつかなかったアメリカの庶民の
日常生活の哀愁漂う美しさや、寂れたかっこよさ
みたいなものを教えてもらったような気がした。
今思うと、それ以降、トラベラーズノートの世界を
作っていくことに大きな影響を受けたような気がする。

そのため、映画の試写会に呼んでいただき、
さらに何か一緒にできませんかとお声がけをして
もらった時には、ステーションのオープン前で
バタバタしている時期だったけど、ぜひ!と返事を
させてもらった。

展示では、映画のシーンを切り取った写真と
あわせて、ニュースペーパーに印刷された写真や、
ロバート・フランクがジャケットを手がけた
ローリング・ストーンズの名盤「メインストリート
のならず者」のLPなどを展示。
さらに、Born To Be Blueの時に続き、今回も
LETTER 8さんが映画のタイトルを文字看板で
ディスプレイしてくれている。

この映画、サウンドトラックも素晴らしくて、
ストーンズをはじめ、トム・ウェイツに、
ジョニー・サンダース、パティ・スミス、キルズ、
ヨ・ラ・テンゴ、ホワイト・ストライプなどなど、
そうそうたるミュージシャンが楽曲を提供している。
これもロバート・フランクの影響力があってのこと
だと思うけど、彼の写真同様、ざらざらした触感の
荒削りでかっこいい音楽を聴くためだけでも映画を
観に行く価値があると思う。
トラベラーズファクトリーでの展示とあわせて
ぜひ。


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2017年4月10日

プロダクトを作ったり、本を選んだり、看板を描いたり...

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例えば、急な出張とか法事なんかで、
ひとりで予定外の遠出をすることになって、
慌てて家を出て、駅に向かう。
そんな時に、ふと手持ちの本がないことに気付く。
長時間ひとりで過ごすのに本がないなんて、
それだけで、なんだか落ち着かなくなって、
キオスクの小さな本コーナーを覗くんだけど、
そんな時はたいてい読みたい本が見つからない。
電車の時間も迫っているから、気持ちも焦って
えいっと読み慣れない本を手に取って、あわてて
会計を済ませる。
そんなことってありませんか?

思いがけずに面白い本に出会うこともあるけど、
そもそも選んだ動機も適当だから、なかなか本気で
本の世界に入り込めず、不本意な本との時間を
過ごすことが多いような気がする。

そんな経験がある皆さんのすべての欲求に
お応えできる自信なんて毛頭ないけど、
東京駅にオープンするトラベラーズファクトリー
ステーションに、小さな本コーナーをご用意する。

ここでは、より気軽に買いやすいように古書を
中心に取り揃えてみたんだけど、ご存知のように
廃刊、絶版など入れ替わりの激しい出版の世界では、
意外と古書の方が、トラベラーズらしい
ラインアップが揃えられたような気もする。

僕はインターネットがまだない時代に思春期を
過ごしてきたから、新しい本との出会いは本屋の棚
をくまなく目で追って見つけることが多かったし、
お気に入りの音楽もレコード屋さんで偶然かかった
曲から知ることが多かった。
装丁やジャケットが光を放っていて、手に取るべき
だと訴えかけるような本やアルバムに出会えると、
それだけで嬉しくなったし、そうやって手にいれた
作品には、ハズレが少なかった。
そんな偶然の出会いを見つけることができるのが、
お店に足を運ぶことの楽しさであり、トラベラーズ
ファクトリーもそんな場所でありたいと思う。

例えば、これから旅に出ようとする時に、
ノートとともに旅のお供になるような本や
旅の道具に出会えてもらえたら嬉しいな。

そんなわけで、エアポートの時に続き、
今回もデザイナーのハシモトと手描きの看板を
作成してみた。
ハシモトがデザインした出力紙を鉄板にトレースし、
ペンキで塗る。
メインのトラベラーズトレインの看板はハシモトが
作成して、僕はトラベラーズブックスの看板を描いた。
出来上がりを眺めていると、刷毛の跡が残り、
ちょっといびつな文字がなんとも言えない温かみを
感じさせてくれて嬉しくなった。
思いがけず時間がかかって苦労したけど、
こうやって自分たちで手をかけて作り上げていく
行為こそ、僕らが仕事をしていく上で最も大切に
していきたいことだと、あらためて気付かされた
ような気がする。

トラベラーズファクトリー ステーションのために
作ったプロダクトの情報もアップされて、
いよいよオープンまであと少しに迫ってきたのを
実感する。
あと2週間と少し。きっと素敵なお店ができる
はずのなので、皆様ぜひ楽しみにしてください!


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2017年3月27日

オリーブからステーションへ

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トラベラーズノート オリーブエディション発売
の前日、朝7時東京駅発の新幹線に乗って大阪に
向かっていた。

オリーブエディションやブラスプロダクトは
無事出荷されたけど、トラベラーズファクトリー
ステーションのオープンまであと1ヶ月。
一息つく間もなく、いよいよその準備も佳境に
入ってきている。

大阪行きは、そこで販売する新しいプロダクトの
生産立会いのため。
移動中、曇天のため残念ながら富士山は
見えなかったけど、東京駅で手に入れた好物の駅弁、
森駅のいかめしを食べながら、ひとときの旅気分を
味わった。

最初に訪れたのはシールの印刷工場で、
電車をモチーフにした新しいデザインのロール
シールの印刷立会いをした。
ロールシールは、この工場ともう一つの工場の
2つの会社が協力して作っているんだけど、
どちらの方もトラベラーズノートが大好き。
だから、こうした方がもっとトラベラーズっぽく
仕上がりますよ、なんて感じあえて面倒で、
難しいことにチャレンジしてくれる。
今回も彼らの提案で、想像以上にすばらしい
仕上がりになり、一緒に立会いに行ったデザイン
担当のハシモトとワクワクしながらシールが
印刷されていくのを眺めた。

続いて行ったのは、活版印刷の工房。
ここでは前にトラベラーズファクトリー4周年記念
活版シールを作ってもらっている。
今回はそのステーションエディションの印刷立会い
のために訪問。
何色かのインキを混ぜながら印刷を繰り返して、
まずは僕らが狙っている色を出していく。
色が決まると、今度は版の位置や角度などを微妙に
変えながらカスレやくぼみの出方を調整していく。
何十年も前に作られた年代ものの活版印刷機は、
完全にアナログなので、それらの調整はすべて職人
の経験に基づく技や勘、そしてセンスに依存する。
僕らが望むイメージを話しながら何度も調整して、
活版ならではの風合いのあるシールができあがって
いくのを、またもハシモトと2人で感動しながら
眺めていた。
古い活版印刷機が動く様は、どことなく蒸気機関車の
動きを思わせる。
今回のモチーフであるトラベラーズトレインの汽車の
デザインが一枚ずつ印刷されていくのを眺めていると、
まさにこの印刷方法が必然であるような気がして
嬉しくなった。

大阪では他にも訪問したい場所がいくつかあったけど、
翌日はオリーブエディションの発売日。
立会いが終わると、これも僕らの好物、インディアン
カレーを食べて、東京に戻った。

そしてオリーブエディションの発売日。
トラベラーズファクトリーには本当にたくさんの
方々が来てくれて、まるでお祭りのような盛り上がり
となった。
手に入れたばかりのオリーブエディションと一緒に
写真を撮ったり、早速スタンプでカスタマイズしたり、
そんな皆さんの笑顔を見て、ほっと胸をなでおろすのと
同時に、今までの苦労が報われたような気がして、
嬉しくなった。

オンラインショップでは、早々に売れ切れてしまい、
ご迷惑をおかけしています。
現在、オリーブエディションはすべて追加生産中です。
大変申し訳ありませんが、しばらくお待ちいただきます
ようお願いします。


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2017年3月21日

Stand By TRAVELER'S notebook

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去年の12月、アメリカ西海岸の
サンフランシスコからLAまでを車で移動の際、
オリーブエディションが似合う風景がないかと、
探していた。ウェブで紹介する時に使う写真が
欲しいと思っていたのだ。
ハイウェイを何度か降りてみたけど、それほど時間に
余裕がなかったので、あまり遠くに行くことができず、
最初に予定していた深い森での撮影は諦めざるを
得ないことに気づいた。
そんな中、突然海が見えてきて、海岸線の美しさに
惹かれて車を止めた。
車を降りてしばらく歩いてみると、緑が生える
切り立つような崖のワイルドな海岸が見付かった。
さらにその海岸には単線の線路が続き、崖の崖の間には
錆びついた鉄橋が通っていた。
僕らは、最初に思い描いていたイメージとは違うけど
オリーブエディションにぴったりの風景だと思った。
早速、みんなで線路にノートを置いたり、鉄橋の上を
緊張しながら歩いたりして、写真を撮った。

鉄橋の上に立つと、映画『スタンド・バイ・ミー』
を思い出した。
ベン・E・キングのテーマソングが鳴る中で、
少年たちが線路を歩いていく、あのシーンが頭に
浮かんだ。

汽車に轢かれそうになりながら鉄橋を渡って
森に入り、沼でヒルにかまれたり、野宿をしたり
しながらの、死体探しの冒険の旅。
将来への不安や家族や先生への不信、
コンプレックスとプライドが入り混じる思春期特有
の不安定な精神状態、それゆえに深い結びつきが
生まれている仲間たちとの旅。

映画のような風景でトラベラーズノートを撮影
していると、映画が、大人になり小説家となった
主人公による少年時代の回想で始まるように、
かつての旅の記憶が蘇ってくるような気がした。
そして、僕らがいる今現在もまた、あの頃から
ずっと続く旅の途中のような気分になっていた。
少年時代の友情、秘密基地、初めてのナイフ、
家出願望、森の中での野宿、少年時代に誰もが
きっと心に持っていた冒険の旅への憧れ。

そんなイメージが頭に浮かび、甘酸っぱくて切ない
懐かしさと同時に、新しい旅をはじめる勇気が
わいてくるような気がした。

さて、いよいよあと少しでトラベラーズノートの
オリーブエディションやブラス万年筆などが発売。
毎年のことながら、この瞬間には、新しい仲間たちが
皆さんにどんな風に受け止めてもらえるのか、
緊張感とワクワクがまざった複雑な気持ちになる。

2006年に発売して以来トラベラーズノートや
その仲間たちは、毎年3月に新しいプロダクトを
リリースするというのを繰り返している。
規則正しく年中行事のように、10年間生真面目に
それを繰り返してきた。

最初にトラベラーズノートが発売された2006年。
発売直後に、銀座の伊東屋さんに行って、きれいに
作っていただいていた売り場を眺めながら、
やっぱり嬉しさと緊張がまざった複雑な気持ちに
なっていた。

あれから11年が経つけど、いつまでたっても、
この気分はあまり変わらない。
むしろ、今はトラベラーズファクトリーがあり、
さらにみんなの投稿やインスタグラムなどで、
世界中の方々のその反応を聞いたり、見たり
できるから、嬉しさもドキドキもより大きく
なっているような気もする。

新しい仲間たちが、皆様にとってワクワクする
ものであり、新しい旅をはじめる勇気を与えて
くれるものであることを願っています。
それでは、よい旅を!


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2017年3月13日

Trip Into The Wild with Olive Edition!

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3月24日の発売に向けて、現在流山工場では
トラベラーズノート オリーブエディションの
最終のセット作業の真っ最中。
皆様のもとに旅立つ準備も佳境に入っている。

先月から、サンプルとしてできあがったオリーブ
エディションをいち早く使っているんだけど、
なかなか良い感じ。
いつも持ち歩くトラベラーズノートの色が変わる
だけで、気分も変わるのが不思議だ。

例えば、あたらしいジャケットを手に入れる時、
形が決まって色をどれにしようか考える場合、
好みの色とか自分に似合うとか、そんなことを
思って選ぶけど、同時に、それを着た時の気分や
シーンを想像する。

ネイビーのジャケットだったら、夜のニューヨーク
の路地裏で、ポケットに手を突っ込んで歩いている
姿だったり、キャメルカラーだったら、
長距離バスを乗り継いでたどり着いた砂漠の
オアシスを目的もなく歩き回っている姿だったり、
オリーブだったら、朝もやに包まれた森の中の
キャンプサイトでコーヒーを飲んでいる姿だったり、
ふと頭にそんなイメージが浮かんでくることがある。
それが現実的かどうかはあまり関係なくて、
そんなシーンをイメージできると映画や小説の
登場人物になったみたいでワクワクする。
僕らは、ジャケットを手にれる時に、温かさや
着心地、ファッション性などと同時に、
そんな気分を手に入れている。

トラベラーズノート オリーブエディションを手に
して浮かんだイメージは、Trip Into The Wild。
ジョン・クラカワーの『荒野へ』を原作にした
映画『Into The Wild』で、主人公が放浪の果てに
たどり着いたアラスカを旅する姿だった。
僕は、アラスカにはまだ行ったことがないけど、
かつて、アラスカを舞台にした野田知佑や星野道夫
の本をわくわくしながら読んだ記憶が蘇ってきた。
気高く美しく、優しさと温かさに満ちていながら、
同時に厳しく冷酷な原生林の荒野を1冊のノートを
手に歩く。
オリーブエディションは、そんなイメージを頭に
呼び起こしてくれた。

正直に言うと、トラベラーズノートの新しい色
として、オリーブの色味を詰めていた時には、
そんなイメージは浮かんでいなかった。
ただ、トラベラーズノートらしい色という曖昧な
イメージを追求しながら試作を繰り返して、
やっと完成した時には、これでトラベラーズノート
としての理想的な色になったと自然に思えた。
でも、こうやって形になったノートを手にして、
ひとつの旅のイメージが頭に浮かんだ時、その時
の思いが確信に変わった。
僕はこのノートを手にしてまた新しい旅に向かい
たいと思った。

でも、アラスカにはそう簡単には行けないから、
まずは久しぶりに『荒野へ』を再読している。
ルー・リードが『ワイルドサイドを歩け』と
歌っているように、荒野はアラスカだけでなく、
街にもあるし、日常のなかにもある。
トラベラーズノート オリーブエディションを
手にしたことで、善人未踏の荒野を歩く勇気が
わいてくるような気がしている。

オリーブエディションと一緒に使ってみたい
オリーブカラーの道具をいろいろ集めてみると
さらに気分は高まってわくわくする。
いつかこれらの道具とともに、ほんとうに
アラスカの荒野を旅できたらいいな。

話変わって、3月17日~20日までトラベラーズ
ファクトリーで春の恒例イベントBAG&SHIRTS
を開催します。
今年のテーマはカスタマイズということで、
AIRROOM PRODUCTSさんは、ヴィンテージの
ボタンをいろいろ用意してくれます。例えば、
袖のボタンを変えるだけで、気分も変わります。
Ko'da-Styleさんは、トラベラーズノートの革で
バッグに取り付けられるキーホルダーを作って
くれました。
暖かくなったらオリーブエディションとともに、
出かけたいシャツとバッグを探しに、ぜひ
遊びに来てください!


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2017年3月 6日

TRAVELER'S TRAIN

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トラベラーズトレインと呼ばれる列車が
どこかにあるらしい。
それはトラベラーズステーションから不定期に
出発する寝台夜行列車なんだけど、時刻表には
載っていないので、いつどこへ向かって出発する
のかは誰もはっきり分からない。

蒸気機関車が引っ張るから、速度はずいぶん
ゆっくりで、一度乗車すると何度も車内で夜を
過ごさないとならないようだ。
だけど、古い木造列車をカスタマイズして
作られた客車は、不思議に居心地が良くて
それも苦にならない。

歩くとミシミシと音が鳴る木の床は、毎日丁寧に
磨かれているから美しく黒光りしているし、
革張りのシートは、たくさんの人の重みを受け
止めてきた歴史を感じる。
夜になると乗務員がシートを倒してシーツを
かけてくると、快適なベッドになる。

食堂車に足を運べば、丁寧に作られた素朴で
おいしい食事がいただける。
トラベラーズブレッドと呼ばれるナンのような
パンが主食で、そこに肉団子やカレー、蜂蜜などを
のせてその日の気分でカスタマイズして食べる、
異国情緒を感じさせるのに、どこか懐かしい味が
する料理だ。
材料は途中の駅で仕入れているから新鮮だし、
旅情を感じることもできる。
大きめのマグで出されるコーヒー、トラベラーズ
ブレンドを飲みながら、みんなゆっくり食事を
楽しんでいる。

トラベラーズトレインには、コンテナのような
貨物列車が連結されていて、普段は荷物を運んで
いるんだけど、途中の駅で荷物がおろされて空に
なると、ライブなどのイベントを開催してくれる。
アコースティックギターの弾き語りやハープの
演奏、変わったところではノートを作るイベント
などさまざまな催しが行われていて、
乗客はそれをけっこう楽しみにしている。
また、荷物を積んでいる時には、かなりの確率で
無賃乗車の旅人がそこに潜んでいるらしいけど、
どうも車掌はそれを黙認しているらしい。

本をたくさん積んだライブラリー車両もあって、
乗客は自由に本を読むことができるし、
そこで誰かに手紙を書いたり、ノートに何かを
書き込んだりしながら思い思いに旅の時間を
楽しんでいるようだ。

乗客はどこに向かって走っているのか、
いつ目的地に着くのか、よく分かっていない。
車窓からの風景は、毎日同じ場所を巡っている
ようにも見えるし、はじめて見る景色のようにも
見える。時には、海上を一直線に走っていたり、
星空に囲まれた宇宙空間を走ることもある、
そんなことがまことしやかに乗客の間で話されて
いる。

トラベラーズトレインの切符は、今ではちょっと
珍しい厚い紙に活版で印刷された硬券の切符で、
席に着くとカイゼル髭をはやした不思議な風貌の
車掌がパチンとハサミを入れてくれる。
だけど、この切符をどうやって手に入れることが
できるのかは、誰も知らない。
そこにはもちろん行き先も書かれていないけど、
乗客は、旅を続けていくうちに、降りるべき駅を
自然と見つけるらしい。
やるべきこと、会うべき人、帰るべき場所がふと
頭に浮かびその駅に着くと、列車はホームに停車し、
ひっそりと乗客をおろしてくれる。

トラベラーズトレインについての噂はいろいろ
あるみたいだけど、鉄道年鑑には記録がないし、
鉄道雑誌で特集されることもないので、
詳しいことは誰も知らない。

話変わって、10周年記念キャンペーンの
ポストカード、世界中からたくさん届いています。
少しずつ目を通していますが、温かいメッセージが
たくさんで、トラベラーズノートが多くの方々に
愛されているのをあらためて実感しています。
現在集計中ですので、抽選と賞品の発送までは
しばらくお待ちください。


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2017年2月27日

No Border

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ちょっと抽象的な言い方になってしまうんだけど
トラベラーズノートを手にしてから、
僕らのまわりにあったボーダーのようなものが、
なくなってきたような気がする。

例えば、そのひとつは業界の枠組みのようなもの。
もともと僕らの作る商品は、文房具業界の中で
メーカーという立場で作られ販売されてきたけれど、
最近、その枠組みはずいぶんぼんやりとしてきた。
トラベラーズノートを一緒に作っている仲間や、
トラベラーズファクトリーでイベントをしたり、
販売させてもらっている仲間には、全く違う業界で
生きている人たちがたくさんいる。

もっと細かいことを言えば、以前は商品の
企画やデザイン、生産管理など、僕らの仕事は
ものづくりに関わることだけだった。
だけどトラベラーズノートを作った時、その
ウェブサイトを作ろうと思ったことからはじまり、
文章を書いたり写真を撮ったり、さらにイベントで
空間を作り、仕入れや接客もして、仕事の枠組みが
どんどん広がっていき、店舗運営の経験もない中で、
手探りでトラベラーズファクトリーを作った。
また、このブログもそうだけど、プライベートと
仕事のボーダーもずいぶん曖昧になっている。

本来の意味である国境も簡単に飛び越えることが
できるようになった。
世界中でたくさんのトラベラーズノートユーザーが
ウェブサイトやSNSで日々発信する情報をチェック
してくれているし、僕らもまた、彼らがアップする
写真をたくさん見ることができる。
実際に会うために海外でイベントも行っている。

それは僕らの仕事に限ったことでなく、
メーカーが直営店を持ったり、小売店がオリジナル
商品を作ったりすることはもう当たり前のことだし、
業界や国境を越えて、モノを販売することだって、
規模の大小に関わらず当然のように行われている。
作ったモノや使ってくれる人たちに真摯に向かい
合えばそうなるのは必然だし、世の中の潮流
なんだろうと思う。

インターネットの出現によって情報を得たり、
発信することに、既得権や大きな投資が必要では
なくなってきたことや、流通のグローバル化が
進んできたことなど、理由は様々だと思うけど、
世の中のボーダーはどんどん曖昧になっている。
きっと高い壁を作ってもその流れは止められない。

僕が大学生になって、バックパッカーとして
海外を歩くようになって、しみじみと思ったのは、
やっぱり自分は日本人だなあということで、
日本の自然や文化の良さについてあらためて
気付かされたし、いい意味でも悪い意味でも自分が
日本人の気質みたいなものを持っていることを
身にしみて感じた。

それと同じように、僕らがトラベラーズノートを手に
ボーダーを越えていこうとする時に思うのは、
僕らの中心にあるのは、トラベラーズノートを作る
ノート屋であるということだ。
そこに僕らの存在価値があり、その世界を広げていく
ことができる無限の可能性を感じる。

例えば、3月に発売するブラス万年筆は、世の中に
ある多種多様の万年筆のなかで、決して最高のもので
あるなんて思ってはいない。
だけど、トラベラーズノートと一緒に使う万年筆
としては最高だと思っている。
それだったら、トラベラーズノートを作り続けている
経験を持つ僕らだからこそ、万年筆作りに長い経験を
持つパートナーと出会うことで実現可能なことだと
思っている。
それと同じように、トラベラーズファクトリーは、
トラベラーズノートのための最高の空間だと信じている。

4月27日にオープンするトラベラーズファクトリー
ステーションの準備も佳境に入りつつあるけど、
その時にまず考えるには、東京駅という場所に、
トラベラーズノートの空間ができた時にどんな世界が
そこにできたら楽しいだろうか、ということだ。

そして、これらの新しい商品や場所が、また僕らに
ボーダーを越えるきっかけを与えてくれている。
ボーダーを越えるような旅には危険がつきもので、
不安や緊張もあるんだけど、それ以上に僕らは
ワクワクしながら、それを楽しんでいる。

先日、情報をアップしたことで、できたばかりの
オリーブエディションを最近使い始めたんだけど、
それだけで気分が少し変わり、あたらしい冒険の旅
に向かっていく勇気がわいてくるような気がする。
ぜひ、皆さんにもそんな気分を味わっていただけたら
嬉しいです。


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2017年2月20日

僕らが欲しかった万年筆

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僕にとっての万年筆との出会いは、中学生の
入学祝いで両親からもらったのが最初だった。
当時はまだそんな習慣がぎりぎり残っていて、
万年筆も腕時計や革靴みたいに大人になるための
通過儀礼のような道具のひとつで、
入学や卒業祝いにあげるモノの定番だった。

手に入れると、早速カートリッジインクを
差し込んだり、紙にインクを垂らしたりして、
ちょっと大人になった気分でワクワクしながら
その新しい道具を使ってみた。
だけど、中学生にとって万年筆が必要なシーンは
ほとんどなく、いつからか引き出しの奥に
しまわれて、その存在を忘れるとともにどこかに
なくなってしまった。

その後、万年筆をまた使ってみようと思ったのは
ちょうど10年前のトラベラーズノート発売時。
そのアナログな質感に万年筆が似合うと思って
土橋さんがすすめてくれたラミーのアルスターを
手に入れた。
それからは、お気に入りのデザインを見つけると
何本か購入し使っていたんだけど、どれも安価な
ものばかりでずっと使い続けるまでには至らず、
それほど熱心な万年筆ユーザーにはなれなかった。
ただ、手紙やお礼状などを書く際には、やっぱり
ちゃんとした万年筆で書きたいなと思い、数年前、
思い切ってペリカンのスーベレーンを購入。
書き味はもちろん、手にした時の存在感も
素晴らしくて、手紙などを書く時のためにいつも
ペンケースに忍ばせている。
だけどトラベラーズノートのペンホルダーに付けて
ふと思い付いたことを書き留めるには、ちょっと
大げさ過ぎるような気がした。

3月、トラベラーズノートの仲間、
ブラスプロダクトに万年筆が登場する。
トラベラーズノートにしっくりくる万年筆が
ずっと欲しかった僕らにとって、2010年に
ブラスプロダクトをリリースして以来、万年筆を
そのラインアップに加えることは念願だった。

トラベラーズノートのペンホルダーにざっくりと
差し込んだり、ポケットにそのまま放り込んだり
して、いつでもどこでも気軽に持ち歩き使える。
ちょっとした傷はあまり気にならず、むしろ
それが味と思えるような、タフでガシガシと使える、
使い勝手の良い職人の道具のような佇まい。
高級品ではなく、かといって壊れやすい安物でもない、
シンプルだけど丁寧に作られた上質な日用品のような
使い心地。
毎日使うことで愛着がより深まり、人生の旅の相棒
として永く使い続けたくなる。
目指したのは、そんな万年筆だ。

だけど、それは簡単なことではなく、構想から
形になるまでずいぶんと時間が経ってしまった。
それを可能してくれたのは、100年以上前からペンを
作り続けている日本のある工場との出会いだった。
職人や技術者たちがコンマ単位で調整した精密機械の
ようなパーツを設計からサンプル作成を何度も
繰り返してくれて、やっと形になった。
手にした時の質感、書き味、キャップが閉まる時の
カチっと鳴る音、そして無垢の真鍮の佇まい。
最終サンプルができた時には、僕らがずっと欲しかった
僕らにとっての理想的な万年筆が生まれたのを実感する
ことができた。
僕はその最終サンプルを2週間ほど使っているけど、
とても気に入っている。
真鍮の色がいい感じに味が出てきて、書くことが
また少し楽しくなったような気がする。

それぞれの仕事場や静かな書斎のデスクはもちろん、
空港のラウンジや長距離電車の中、旅先のカフェで、
さらにアウトドアのキャンプサイトや、安宿のベッド
の上でも、ふと何か思い付き、書き留めるのに
使ってほしい、そんな万年筆です。
あと1ヶ月と少しで店頭にも並ぶと思いますので、
ぜひ、手にとってみてください。


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2017年2月13日

東京駅からはじまる新しい旅

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たまの出張で、東京駅へ行き新幹線に乗ると、
今でもちょっとわくわくする。
朝から駅弁を買って、西に向かう時なら
横浜を過ぎたあたりで食べ始め、車窓から
富士山が見える頃に、車内販売のコーヒーを飲む。
そして、文庫本を開いてのんびりページをめくる。
そんなことを想像して、弁当は何しようかとか、
持っていく本を選んだりするのもまた楽しい。

ふと窓の外を見ると、海が広がっていたり、
一面雪景色になっていたりして、そんな時は
本を読むのを休んで、しばらく車窓を眺める。
到着駅についてホームに降りると、体に感じる
空気の温度や匂いが新鮮で、やって来たなあ、
としみじみ感慨にふけるのもいい。

学生の頃によく利用した青春18切符での旅も
いいなあ。
何度も乗り換えなければいけないけれど、
その分、それぞれの土地の空気を感じられるし、
通勤や通学などで利用する乗客たちの言葉が
だんだん変化していくのも楽しい。
気が向けば、予定を変更して訪れたことがない
町を歩くことだってできる。
夜になって住む人の少ない路線を走っていると、
だんだんと乗客も減って、車窓からはぽつん
ぽつんと見える家の光をながめている時の
うら寂しい気分も好きだ。

寅さんが、家族と喧嘩をしたり、ふられたり
すると、トランク片手に家を出て、駅に向かう。
僕はそんなシーンを見ると、切なくなるのと
同時に、ほのかな憧憬の念を抱いてしまう。

海外で電車に乗る時は、なおさら高揚する。
インドの混沌とした寝台列車、バンコク発
チェンマイ行きの個室寝台。夜の闇のなかを
疾走するミッドナイトエクスプレス......。
スピードや便利さ、価格などでは、飛行機や
高速バスに比べると劣ることも多いけれど、
やっぱり電車や駅には、旅情をかきたてる
特別なものがある。

先週末にすでにこちらでお知らせしていますが、
今年4月27日に東京駅のグランスタ丸の内に、
トラベラーズファクトリー ステーションを
オープンします。
ゆっくりページをめくる時間を持てる電車の
旅は、トラベラーズノートとの相性もぴったり。
このあたらしい場所を起点にどんなノートとの
旅がはじまるのか、僕らも今から楽しみです。
栄光に向かって走るあの列車に乗って行こう、
なんてフレーズが頭のなかをぐるぐる巡って
いるのです。
まさにこれからその準備が本格的にはじまるの
ですが、皆さまも楽しみにしていただければ
嬉しいです。

話変わって、2月14日のバレンタインデーに
トラベラーズノートと仲間のあたらしい
ラインアップをトラベラーズカンパニー
オフィシャルサイト
にてお知らせします。
こちらもぜひ楽しみにしてください。


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2017年4月

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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。