2019年7月16日

トラベラーズ米 草取り編

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トラベラーズ米の田植えから約2ヶ月。
再び田んぼがある鴨川ヒルズに招集がかかった。
今回はミッションは、草取りだ。
トラベラーズ米は無農薬なので定期的に雑草を
手作業で除去しなければならないようだ。

そんなわけで土曜日、寝ぼけ眼をこすりながら
朝早く家を出て、電車に乗った。
東京を過ぎると少しずつ電車の中の乗客も減り、
千葉駅で内房線に乗り換えると車両はボックス席
に変わった。
向かいの席にハイキング姿のおじさんが座り、
おもむろに駅弁を広げて食べ始めた。
そんな姿にちょっとした旅気分を感じていると、
駅弁の匂いがこっちまでひろがってきた。
あわてて家を出たので、朝食は小さなパンを
ひとつしか食べてこなかった僕はお腹が鳴った。
弁当を食べ終わって、さらに缶チューハイを飲んで
いたおじさんもやがて電車を降り、車内はさらに
閑散とした。だけど、目的の駅まではまだ先。

ボックス席を独占した僕は足を伸ばした。
電車のボックス席は、僕にとって本を読むのに
最高の場所だ。
前日はあまり寝ていなかったのに、眠くなること
もなく、たまに車窓の風景に目を休めながら、
ずっと本を読んで過ごした。
そして電車に乗ってから2時間半。
やっと目的の駅に着いた。

駅からは、車で迎えに来てもらいさらに20分。
途中スーパーに立ち寄りお昼の食材を買い、
やっと鴨川ヒルズに着いた。

5月に植えた稲は順調に育っていたけど、
その周りにはたくさんの雑草が生えていた。
今日はこれをすべて取り除かなくてはならない。
早速農作業用の長靴を履くと、勢いよく田んぼの
中に足を入れた。
すると足は田んぼの泥の中にズブズブと沈んだ。
泥の中は不安定で、一歩ずつ進むだけでも足が重い。
さらにずっと中腰のまま、泥の中に手を入れて
草を根から引っこ抜いていく。なかなかの重労働だ。
汗を滴らせながら、抜いても抜いてもなくならない
雑草と格闘した。

雑草魂という言葉にあるように、
僕はどちらかと言えば、雑草に対しては
ちょっとしたシンパシーを抱いていたのだけれど、
この日は心を鬼にして雑草を取り除いた。
「ごめんな。ここまでがんばって育ったのに
引っこ抜いてしまうのは不本意ではあるけど、
やっぱりお米が育つためにはしょうがないんだ」

40分ほど続けると、日頃の運動不足と寝不足、
さらに仕事の疲れがたまっていた僕は限界を感じて
休憩を提案。その後作業を再開するみんなを尻目に
しばらく休んでしまった。

お昼は、みんなで鴨川ヒルズにあったパスタを
茹でて、スーパーで買った野菜とベーコンを炒め
ナポリタンを作った。
棚田を見下ろすオープンデッキで、ビールとともに
食べるナポリタンは思いのほか美味しい。
気持ちの良い風にあたりながら、しばらく休んで
いると、雨が降ってきた。
その後、雨足はだんだんと強くなってきたので、
もうこれで草取りは中止かなあ、と勝手に思って
いたら、「さて、やっちゃいましょう」という声
が聴こえた。

「そうか、やるのかあ」
僕は観念して雨具を取り出し、再び草取りへと
向かった。小雨が降るなか、ズブズブと田んぼの
中に足を入れた。
みんな疲れているから言葉も少ない。
僕はもはや雑草の立場などこれっぽっちも考えず、
ただ黙々と雑草をむしり取っていった。

いつかそのことについてここに書くのか、
書かないのか、今は分からないけど、
最近出会ったある人たちの影響で、ここ数日
頭の中でオザケンの「痛快ウキウキ通り」が
リフレインしている。
「プラダの靴がほしいの〜」と頭の中で歌いながら
農作業用の長靴を履いて、田んぼの中で泥まみれに
なって雑草と格闘した。
歌詞の世界と現実とのあまりにも大きいギャップに
気づかないくらいヘトヘトになりながら、ようやく
今日のミッション終了。

たっぷり汗をかいたせいで、ほとんどその意味を
成さなかった雨具を脱ぎ、びっしょりに濡れた
Tシャツを着替えると、苦しみをわかり合ったみんな
でデザートにと買っておいた、スイカを食べた。

いや〜、お米づくりは大変です。
みなさん、ご飯は残さず食べましょう。


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2019年7月 8日

tokyobike × TRAVELER'S COMPANY

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先週の金曜日。
閉店間際にトラベラーズファクトリーに行き、
しばらく待っていると「お待たせしました〜」との
声とともに、楽しみにしていたものがやってきた。
もちろん、お寿司の出前でもないし、
最近流行りのウーバーイーツでもない。
Tokyobike中目黒の店長、深田さんがスタッフと
2人でトラベラーズバイクを持ってきてくれたのだ。
フレームには丁寧にスポンジが巻かれていて、
まさに出来立てほやほやといった感じ。

お店の中にいれると、さっそくそれらを取り外し、
トラベラーズバイクの全貌が目の前に現れた。
マット調の深めのオリーブに塗装されたフレーム
には、tokyobikeのロゴとあわせてトラベラーズ
カンパニーのロゴが記されている。
さらにフレームパッドとしてトラベラーズノート
の革が巻かれている。
自転車と顔となる正面に貼られているヘッドバッジ
は、無垢の真鍮にトラベラーズノートの地球のロゴ
が刻印されたオリジナルバージョン。
思わず「みんなでかっこいい〜」と声をあげた。

それまで2輪といえばオートバイだった僕が、
自転車で遠出をするようになったのは、
2013年に手に入れたtokyobikeがきっかけだった。

この年、会社からある賞をいただき、
金一封としてみんなで10万円ともらった。
その10万円をどうしようかと考えて思いついたのが
トラベラーズファクトリー用にtokyobikeを1台
買おうといことだった。

早速、tokyobikeに連絡してみたところ、
だったらコラボレーションモデルを作りましょう、
と声をかけていただき、最初のトラベラーズバイク
が生まれた。
あわせて、僕らもパスポートサイズのリフィルなど
のコラボレーションアイテムを作り、それらを
双方の店で販売した。
その時、僕も個人的にトラベラーズバイクを購入
した。

あれ以来、トラベラーズファクトリー中目黒の
ロフトには初代トラベラーズバイクが飾られ、
僕自身も、自宅から駅までの道を毎日走ることから
はじまり、東京から盛岡まで3年がかりで走ったり、
湘南、山梨、霞ヶ浦へ行ったり、日常の足として、
旅の道具として、たっぷり楽しませてもらっている。
トラベラーズバイクという新しい道具を手にいれる
ことで、日々の暮らしに変化がうまれ、
たくさんのあたらしい体験を与えてくれた。

あれから6年。
タイヤやブレーキパッドは何回か取り替えながら
毎日活躍している。
だけど何度か転倒したし、乗り方も荒かったせいか、
傷も増え、フレームやペダルにも少し歪みが
でてしまってもいる。

そんなある日、tokyobikeさんよりご連絡があり、
谷中のお店が10周年、中目黒のお店が5周年を
迎えるということで、6年ぶりにコラボレーションを
しませんか、というお誘いをいただいた。
僕らは喜んで「ぜひ!」と答え、早速打ち合わせを
はじめることになった。

トラベラーズノートと同じように、旅の道具で
ありながら、同時に日常にも旅気分をもたらして
くれるような自転車でありたい。
そんな思いでフレームの色を選ぶことからはじまり、
ハンドルにサドル、キャリアなどのパーツも
tokyobikeスタッフのアドバイスを受けながら、
みんなで選んだ。

例えば、スピード重視ではなく、気軽にのんびり
走りやすいように、ハンドルは手前に少し
カーブがはいったゆったりしたタイプを選んだり、
街乗りだけでなくツーリングにも使えるように
キャリアをつけ、そのデザインもシンプルで
質実剛健なものを取り付けてもらったりした。
さらにサドルは英国ブルックスの本革製で、
ベルやクランクボルトキャップは、無垢の真鍮製と、
素材や乗り心地もトラベラーズらしいものなった。

今回、一番嬉しかったのは、フレームとヘッド
バッヂにロゴを入れてもらったこと。
乗り心地には関係ないのかもしれないけど、
僕らにとってはトラベラーズのロゴが入った
tokyobikeなんて、夢のようなことだった。

そうやってできあがった二代目の
トラベラーズバイクを、Tokyobike中目黒店長の
深田さんが、トラベラーズファクトリーの天井から
ワイヤーで吊るして、店内に飾るのを手伝って
くれた。

天井からぶら下がっているトラベラーズバイクは
自転車で夜空に飛び立つ映画「ET」のワンシーン
を連想させ、ジョン・ウィリアムスによる
あの壮大なテーマソングが頭の中に鳴り響いた。
「かっこいいなあ」その姿を眺めながらあらためて
それぞれが呟いた。

トラベラーズバイクは中目黒にしか置いてませんが
tokyobikeとのコラボレーションで作った
パスポートサイズリフィルとtokyobikeが刻印された
ブラスタグは、トラベラーズファクトリー各店で
販売中です。オンラインショップでは7月9日より
発売します。
また、Tokyobike 谷中、中目黒、高円寺、豪徳寺
でも発売しています。

トラベラーズバイクは、Tokyobike 谷中と中目黒で
オーダー受付中です。もちろん私はオーダーします。
楽しみだなあ。


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2019年7月 1日

Global Gathering 2019 at Nagareyama Factory

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トラベラーズノートのリフィルや
スパイラルリングノート、他にもミドリの便箋や
メモなどを作っているデザインフィル流山工場は
1964年に建てられた。
この場所には、55年間紙製品を作り続けてきた
ことで、引き継がれてきたさまざまなノウハウが
あり、熟練の技を持つスタッフがたくさんいる。
場内には、最新の巨大なオフセット印刷機から、
壊れたら修理を繰り返して永く使い続けてきた
機械までさまざまな機械が並んでいる。
それらを職人たちが、操縦桿を握るように操作して
紙に印刷したり、切ったり、折ったりするのは
かっこいいし、眺めていても楽しい。

ましてや、そうやって作られたものが、
自分たちが好きで使っているものであれば、
なおさら楽しいと思うし、実際に作る工程や
作っている人を知ることで、よりモノに対する
理解を深め、愛着を持って使うようになる。
さらに、工場のスタッフにとっても、
実際に愛情を持って使ってくれたり、販売する
人たちと会うことは、嬉しいはず。

そんな思いがあって、海外のトラベラーズノート
の代理店の方に年に一度集まってもらい、
情報交換をしたり、方針を共有するためのイベント、
グローバルギャザリングを今年は流山工場で
開催することにした。

どうせやるなら、みんなに楽しんでもらいたいと、
工場長をはじめ、スタッフも全力で支援してくれて、
普段の仕事を止めて、この日は印刷も製本も
トラベラーズ関連のものを中心に流してくれた。

トラベラーズノートのリフィルを作る製本機は
見学のタイミングにあわせて、このイベントのための
オリジナルリフィルを製作。
できたてほやほやのリフィルに、自分の好きな色の
箔を選んで、その場で箔押しをして参加者の
みんなに配った。

さらに見学が終わると、工場の広い食堂を使い、
トラベラーズカンパニーの定番イベント、
スパイラルリングノートバイキングを開催。
また、ブラスクリップの工場から職人さんに
来てもらいクリップの刻印に好きな色を入れること
ができるカスタマイズイベントも実施した。

ここでも何度か書いているけど、
もともとスパイラルリングノートバイキングは、
流山工場で社内イベントではじめたのが最初だった。
みんなで集まって、取り寄せたアアルトコーヒーを
淹れて、カフェごっこのようなこともした。
その時の経験から刺激を受けて、自分たちの基地
となる場所を作ろうと決心したし、
その名前をトラベラーズファクトリーとしたのは、
流山工場に対する敬意からだった。
トラベラーズファクトリーは、流山工場から
はじまったという思いもある。

だからこそ世界各地でトラベラーズノートを
販売してくれている仲間が、ついに始まりの場である
流山工場に集まり、工場の機械をワクワクしながら
眺めていたり、あの頃と同じようにノートバイキング
を楽しんでいる姿を眺めるのは、僕らにとっても
とても嬉しく、感慨深いものがあった。

最後には、ビールとちょっとした食事も用意して
パーティーを行なった。
今は、YouTubeやSNSでは世界中で起こっている
光景を動画や写真で見ることができるし、
簡単に世界中の人たちと繋がることができる。
それはそれで素晴らしいことだとは思うけど、
こうやって世界中の人たちがひとつの場所に集まり、
ものづくりの現場を見たり、顔を合わせて話すのは
やっぱりネットでは得られない感動や体験を与え、
より深い人と人の繋がりを作ってくれるのだという
ことをあらためて実感できた。
みんな、旅とノートを愛する人たちだしね。

イベントが終わろうする頃、参加者の一人が声を
かけて、みんなのトラベラーズノートを一箇所に
集めた。そして、自然と手慣れた一人が上手に
積み上げて、タワーを作った。
いつ誰がはじめたのか僕らも知らないのだけれど、
こういったギャザリングイベントの最後に、
トラベラーズノートを積み上げた写真を撮ることが
恒例になっている。
食堂の壁に飾られている世界地図をバックに、
みんなのトラベラーズノートを積み上げて
記念撮影した。
それもなんだかトラベラーズノートらしいなあ
と思った。

次はぜひ一般の方に参加してもらえるような
イベントをここで開催したいと思うので、
工場長はじめ工場の皆様、その節はよろしく
お願いしますね。
皆様もぜひ楽しみにしてください。


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2019年6月24日

理想的永久コンビニ袋

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学生時代のこと。
RCサクセションのチャボを崇拝していたTくんは、
たいていよれよれの黒いジャケットか、
ラクダ色のカーディガンにブラックジーンズをはき、
手にはタワーレコードのCDサイズのビニール袋を
持って歩いていた。
服装は季節によって多少の変化があるけれど、
タワーレコードの袋はいつも変わらなかった。
チャボ以上に太宰治も崇拝する彼のその袋には、
ウォークマンと文庫本がいつも入っていた。
CDを買うと入れてくれるタワーレコードの袋は
持ち手もついていたし、確かにそれらを入れて
持ち歩くのにちょうど良いサイズでもあった。

大学を卒業してから5年後、
友人の結婚式で久しぶりに彼に会った時も、
期待通りタワーレコードの袋にウォークマンと
文庫本、さらにこの日は祝儀袋も入れてやってきた。

ちなみにTくんとは同じ学年だったけれど、
彼は2浪で年齢が2つ上だったため、なんとなく
敬意を表し「くん」付けで呼んでいた。
10年以上前に病気で若くしてこの世を去って
しまったのだけど、今でもTくんといえば、
黒っぽい服装に、黄色地に赤字のロゴが印刷された
タワーレコードのビニール袋を持っている姿が
頭に浮かんでくる。

Tくんの影響かどうかは分からないけど、
僕はコンビニの袋がけっこう好きで利用している。
特にあんパンと500mmlのペットボトル飲料を
買った時に入れてくれるような、小ささ目のサイズの
コンビニ袋がお気に入りだ。

例えば、東南アジアなどを旅していて、
ホテルの近くの屋台かローカルの食堂で軽く朝食を
食べようかという時。
トラベラーズノートにスマホとタバコを持って
出かけるのには、コンビニ袋が気軽でいい。
例えば、休日にタオルと髭剃りを持って銭湯に
出かける時もコンビニ袋がちょうどいい。
カバンの中にそのまま入れておけば、バックイン
バックとしても便利。
他の人に共感してもらえるかあまり自信はないけど
実はコンビニ袋は、かさばらなくて軽いし、
濡れないし、機能的の優れもののバッグでもあると
個人的には思っている。

ただコンビニ袋は薄すぎてすぐに破けてしまうし
なにより見栄えがよくない。
だから薄くて軽くて水を通さないという機能と形は
そのままで、もう少し丈夫で見栄えのよくて
長く使えるコンビニ袋があったらいいのになあ
と思っていた。

話は変わって、ちょうど一年前のこと。
毎年トラベラーズファクトリーでポップアップ
イベントを開催してくれているTO&FROの砂山さん
から、コラボレーションのお誘いをいただいた。

TO&FROは、国内外のアウトドアメーカーや
アパレルブランドに、長年生地を卸している石川県
の繊維メーカーが手がけるトラベルギアブランドで、
自社生産ならではの高機能のオリジナル生地を
使用しているのが特徴になっている。
例えば、オーガナイザーなどに使用している
ハミングバードという生地は、風になびくほど
薄くて軽く、シワにもなりにくく、触り心地も
やわらかく、さらに撥水性もあるという、
まさに繊維メーカーの技術の粋を極めた素材。
そのハミングバードをベースに、トラベラーズの
オリジナルカラーの生地を作り、さらにオリジナル
の形でポーチなどを作っていただけることになった。

アイテムとして、トラベラーズノートのレギュラー
サイズに、パスポートサイズがぴったり収納できる
オーガナイザー、そしてTO&FROの人気アイテム
でもあるマルチポーチと、オーガナイザーSサイズ
を作ることが決まった。

その打ち合わせの時に、ふとコンビニ袋のことを
思い出した。
風になびくほど薄くて軽くて、撥水性もあり、
さらに丈夫で触り心地もいい生地、といえば
自分が考える理想的なコンビニ袋にぴったりだった。
さっそく会社のゴミ箱を漁って見つけたコンビニ袋を
砂山さんに渡して、これを作ってくださいと伝えた。

使い古しのシワがついたコンビニ袋を差し出され
若干引き気味の表情を見せながらも砂山さんは
「わかりました」とまじめに応えてくれた。
その後何度か試作を繰り返し、今月トラベラーズ
ファクトリーで発売となったコンパクトバッグが
できあがった。

薄くて軽い生地は、折りたたむとびっくりするほど
コンパクトになって、トラベラーズノートの
ジッパーケースにも入ってしまう。
広げると、まさにコンビニ袋の形で、
トラベラーズノートに文庫本、スマホを入れて
でかけるのにぴったり。
さらに撥水性があるので、銭湯に行った時に
濡れたタオルを入れても大丈夫。
オリーブとブルーグレーのカラーの生地は、
手触りが心地よく、見た目もいい感じ。
あらぬ誤解を避けるため、コンパクトバックと
命名したけれど、個人的には
理想的永久コンビニ袋と呼んでいる。

今回のTO&FROとのコラボレーションアイテムは、
他にも超軽量でコンパクト、撥水性のある生地を
活かした便利な商品がたくさん登場しています。
個人的にはコンパクトバッグの他にトラベラーズ
ノートサイズのオーガナイザーも使っているけど、
生地が多少伸びるのでトラベラーズノートの他に
ぺンケースに水彩セットと老眼鏡を入れて、
お絵かき道具としてひとつにまとめて持ち歩いて
いる。

皆さまもお気に入りを探してみてください。


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2019年6月17日

Decade

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10年前の2009年7月のこと。
かねてよりおつきあいのあったプロダクト
デザイナーの山崎宏さんが主催のイベントが
神楽坂であり、チームみんなでお邪魔した。

山崎さんと親交のある何人かのデザイナーが
栓抜きをテーマにプロダクトを作り、展示する
というイベントだった。
家で飲むビールはほとんど缶という時代に、
あえて時代遅れとも言える栓抜きに焦点を
あてるという山崎さんらしいイベントだった。
イベント会場では、それらの栓抜きを実際に
使えるように、ビールも提供していて、さらに
つまみとなる料理も提供していた。その日は
オカズデザインさんが料理担当だった。

僕らは、そこではじめてオカズデザインさんと
出会った。
その1ヶ月後に彼らのアトリエ、カモシカに
ご招待いただき、お付き合いがはじまった。

そして、先週のこと。
そのイベントからちょうど10年ということで、
山崎さんが再び当時のメンバーに声をかけ、
前回と同じ神楽坂のギャラリーでイベントを
開催すると聞いて、僕らは感慨深い気持ちで
足を運んだ。
久しぶりに、山崎さんやオカズデザインの
吉岡夫妻とお話をし、さらにビールを飲みながら、
オカズデザインの料理を楽しんだ。
僕は何種類かの料理の中からパテをオーダー。
実はパテは、10年前にオカズデザインさんの
のアトリエ・カモシカで、生まれてはじめて
味わい、いたく感動した思い出の食べ物だった。
この日はイノシシの肉で作ったという
美味しいパテをいただきながら、しみじみと
10年前のことに思いを馳せた。

10年前の2009年は、僕らにとってその後も
長くお世話になる方とたくさん出会った年だった。
神楽坂の栓抜きイベントに行く前には、
蔵前のアノニマスタジオで開催していたイベントに
立ち寄り、チャルカの久保さんと初めて出会った。
その年の夏休みに、チームのメンバーと車で徳島へ
行き、アアルトコーヒーの庄野さんに初対面した。
TRUCK FURNITUREの黄瀬さんに、
AIRROOM PRODUCTのかもさんに出会ったのも
2009年だった。

3月に、青山スパイラルで初めてのトラベラーズの
イベントを開催。自分たちで空間を作り、
実際にトラベラーズノートを使ってくれている
方々をお会いすることで、大きな刺激を受けた。
その後、旅祭の出展に、BOOK 246/CAFE 246
でのイベント、さらにオカズデザインさんや
庄野さんたちと出会い話をすることで、何かが
うねりを伴いながら転がっていくような予感がした。

そして、その翌年の3月に再びスパイラルで
イベントを開催した時には、その予感が確信へと
変わった。

トラベラーズノートには、とてつもない不思議な
パワーがあって、それまでの仕事の領域や業界、
国境を超えた広い世界へ僕らを導いた。
僕らが好きなモノを作る憧れの人たちと、
自分たちが作ってきたトラベラーズノートに共感し、
好きだと言ってくれる人たちに、誠実に向かい合う
ことの意味を知った。
トラベラーズノートと自分たちの直感がコンパスと
なることで自分たちの目指すべき方向は明確になり、
世界はいっきに広がった。

僕は少年時代から音楽が好きだった。
リズムとメロディーが溶けていくように
体に染み込んでいき、心が高揚感に満たされる。
すると世界が愛おしくなり、なにかをはじめたくて
たまらなくなる。そして、悲しいわけではないのに
涙が流れてくる。
僕がずっと好きだったのはそんな音楽だ。
トラベラーズノートが、もしかしたら、
そんな音楽みたいな存在になれるかもしれない。
そう思えたのがこの時だった。
そして、その思いは今も変わらず続いている。

あれから10年。
なんだか、先週の土橋さんとのお話もそうだけど
僕らの原点みたいな気持ちを思い出させてくれる
出来事が最近多いのは、また新しい時代が始まろう
としているからなのかな。


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2019年6月10日

土橋さんのオフィスへ行く

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先日、ステーショナリー ディレクターとして
活躍されている土橋正さんの事務所へお邪魔した。
土橋さんとはじめてお会いしたのは、もう14年前
の2005年、ISOTと呼ばれる文具の国際展示会の
会場だった。

この年、展示会に出展していたうちの会社の
ブース内では、トラベラーズノートが生まれる
きっかけとなったノートコンペが行われた。
新しい商品を生むきっかけになればと、
市場ニーズや競合商品、価格帯などマーケットの
事情に捉われずに、社内からアイデアを募り、
40種類のノートを会場に展示。
その人気投票とサンプルの販売を行ったのだ。
トラベラーズノートの原型となったノートが
そこに出展され、人気を得ることでその翌年に
実際に発売されることになった。
ちなみに、原型といっても仕様は、
今のトラベラーズノートとほとんど一緒で、
しおりの紐が付いていなくて、ゴムの結び目が
後ろではなくて前についていたことくらいしか
違いはなかった。
その時はトラベルジャーナルノートという名前で
出展していた。

そこに取材のためにブースに足を運んでくれた
土橋さんは、トラベルジャーナルノートに投票し、
サンプルも購入してくれた。
ちょうど会場にいた私が挨拶すると、
「これ、いいですよ。絶対に発売すべきですよ」
と言ってくれた。
土橋さんのその言葉にはとても勇気付けられ、
発売に向けて仕事を進めていく自信を与えてくれた。

その後も、発売までに何度か話をさせていただく
機会を作ってくれて、アドバイスもしてくれたし、
発売にあたり、ご厚意でメディアへリリースする
ための紹介文を書いていただいたりもした。
ちなみにその文章は、プロフェッショナルユーザー
の第1号として、現在も公式サイトに掲載している。
そういえば、僕が万年筆を使うようになったのも
土橋さんのコレクションを見せていただいたのが
きっかけだった。

そんなわけで、土橋さんはトラベラーズノートを
発売前から見出してくれて、その後もさまざまな
形でアシストしてくれている、私たちにとっては
とてもご恩のある方なのです。

先日、そんな土橋さんの事務所にはじめて
お邪魔することができた。
昨年伊東屋さんもオープンした横浜元町から
山下公園に向かって歩いて数分。1980年代に
建てられたビルの一角に事務所はあった。

白い壁に、テーブルや棚は白に統一された部屋。
仕事机には、マックのディプレイとキーボード、
そして自らプロデュースしたダイアリーと
ノートが一冊ずつ整然と置かれている。
仕事がはかどりそうな機能的な椅子と、
その横に休憩用の深めの座り心地のアームチェア。
そして、窓からは氷川丸が見える。
詳しい説明は土橋さんのサイトにあるので
こちらをご覧いただきたいと思いますが、
土橋さんらしく、無駄がいっさいなくシンプル
かつ機能的で美しい空間だった。
混沌とした魔窟のような自分たちの仕事机とは
まったく正反対で、とても感動した。

そんな中での土橋さんとのお話は、
お互いの近況報告からはじまり、最近の文具事情に
デザインのこと、さらにこれまでのことに
これからのことなど尽きることがなく、
暗くなると、事務所から歩いて数分の中華街にある
土橋さんおすすめの中華料理屋さんに場所を移して、
夜遅くまで続いた。

2005年にコンペ会場で土橋さんに
トラベラーズノートを見出してもらってから14年。
あれからトラベラーズノートは、
国内外でのイベントに、トラベラーズファクトリー
オープン、さまざまなブランドとのコラボレーション
など、いろいろなことがあったのと同じように、
土橋さんも本を何冊も出版したり、それが海外で
出版されたり、近年ではメーカーと一緒に
ステーショナリーの企画をしたりと、その仕事の
幅を広げています。

それぞれの14年を振り返りながら、
自分たちの原点をあらためて思い出すのと同時に
その根幹は今も変わっていないことに気づいた。

土橋さんは、2003年からpen-infoという
文具をテーマにしたサイトを運営しています。
ここを自らのホームグラウンドとして、
今も定期的に土橋さんならではの視点で、
文具やショップを紹介しています。
それらは、単に新商品や話題の店を紹介する
のではなく、むしろ忘れられてしまいそうな
定番商品の魅力を新たな視点で教えてくれたり、
メジャーなメディアでは紹介しないような
小さいけれど魅力的なお店を紹介しています。
どちらかといえばあまのじゃくなので...と言う
土橋さんの視点は、同じくあまのじゃくな傾向
のある私にとっても、とても楽しく読ませて
いただいている。
今回、それらのコンテンツができる過程や
そこへの思いを聞くことができて、サイトを
覗くのがさらに楽しみになった。

ぜひ皆様もチェックしてみてください。


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2019年6月 3日

お気に入りのサウナ

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ひさしぶりにイベントも予定もない土曜日。
自転車に乗ってお気に入りのサウナへ行った。
昭和の時代に建てられた古くて味のあるビル。
銭湯と共有している入り口の受け付けで、
「サウナをお願いします」と言うと、
健康診断で着るような青いガウンとタオルが入った
てろてろの薄いナイロンのバッグを受け取り、
サウナがある2階へ行く。
ロッカーの扉を開けて、荷物に脱いだ服を入れると、
タオルと文庫本を持ってそのままサウナに入った。

12、3人ほど入ることができるサウナ室には、
テレビやBGMがないのがいい。
静かに本の世界に没頭できる。
僕はサウナで本を読むのが好きなんだけど
禁止されているところも多い。
だけど、ここではほとんどの人が休憩室にある
雑誌や漫画本をサウナに持ち込んでいる。
そのせいで、ここの本はみんなふやけてよれよれ
になっている。
場所柄、背中に和風の彫り物がある方も
いるのだけど、静かに鬼平犯科帳なんかを読んで
いたりして、なかなか趣のある空間になっている。

身体中から汗が吹き出し、その熱気に我慢できなく
なると、サウナ室を出てシャワーをさっと浴びて
水風呂に入る。
冷たい水に足を入れると、ふーっと息を吐きながら
勢いをつけて肩まで浸かる。
最初は体がびっくりするのだけれど、だんだん
冷たい水が馴染んでくると、なんとも言えない
良い気持ちになる。そうやってしばらく体を
冷やすと、またサウナに入る。

今日のサウナのお供はヴォネガットの短編集。
サウナに入りながら短めの短編を読み終わると、
また水風呂へ。これを何度か繰り返す。
何度目かの水風呂で、ぼーっとする頭で天井を
ぼんやりと眺めると、まるで天国にトリップ
したような感覚になった。

お風呂の奥のドアを開けると、小さなベランダに
出ることができる。
サウナで火照った体で外に出て、爽やかな風を
浴びるのも気持ちいい。

サウナを存分に楽しんだ後は、休憩室へ。
きりっと冷えた炭酸飲料を飲みながら、一服する。
この手の場所では今時かなり珍しく、ここでは
タバコを吸うことができる。
壁は長年タバコの煙を浴びたせいで黄ばんでいて
それがまた昭和の朽ちた味わいを感じさせてくれる。

ソファにでんと座る彫り物の入った男が、
携帯電話で誰かと話し終えると、
「シンガポールのXXXっていう仮想通貨って、
どうなんだ」と隣の仲間らしき男に言った。
「あれはだめだよ、やめておいた方がいい」
今や、どこの業界でもビジネスのやり方は
これまでと急激に変化しているらしい。
そんなやり取りが聞こえてくるのも、面白い。

休憩室の奥には、仮眠スペースもある。
リクライニングシートが8台ほど並ぶ部屋の壁には
なぜか浮世絵の美人画が描かれている。
そこでしばらく一眠り。

目がさめると、もう外は暗くなっていた。
着替えて外に出ると、昼間より少し涼しい空気が、
ほてった体を心地よく包んだ。
結局、サウナにいるだけで1日が終わって
しまったけれど、不思議に充実した気分で
家に向かって自転車をこいだ。
明日は映画でも見に行こうかな。


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2019年5月27日

短編小説集と7インチレコード

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アアルトコーヒーの庄野さんから小説を
書いているという話を聞いたのは、
たしか去年の夏、京都でのイベントの打ち上げ
の時だった。
短編を書き溜めていて、それがもうすぐ10編に
なるから、そうしたら本を出版しようと思って
いると、酔っ払っていたので、目を泳がせて
ろれつがあまり回っていない口調で言った。

庄野さんは前から小説を書くと言っていたから
びっくりするようなことでもなかったのだけど、
いよいよ書いたんだなあ、と思った。
「ぜひ読ませてくださいよ」と言うと、
その後、メールで何編かの小説を送ってくれた。
分かりやすい起承転結があるわけでないけれど
どれも読み終わると、心の奥にしまってあった
感覚が蘇ってくるように、忘れかけていた記憶を
呼び起こしてくれたような気分になった。
想像以上のそのクオリティーに感心するとともに
庄野さんと同い歳の僕は、少し嫉妬を覚えた。

そして先月末。
短編小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』
が美しい本になって届いた。
庄野さんのこだわりで、取り外すことができる
カバーや推薦文が入った帯などはつけず、
さらに本にはバーコードや価格も印刷されていない。
それらの売るためだけに必要なものを排除することで
無駄が削ぎ落とされ、装丁のシンプルな美しさが
さらに際立っていた。

この本を出版をしたのは、今まで本を出版した
ことがない音楽レーベルで、通常の本のように
取次販社を経由して全国の書店に卸すのではなく、
もともと庄野さんと付き合いのある書店や雑貨店、
その考え方に共感した店のみで販売している。
内容はもちろん、装丁のデザインから売り方まで
庄野さんのインディーズスピリットが詰まった本
になっている。


話は変わって、けものの青羊さんとはじめて
出会ったのは、トラベラーズファクトリーで
NAOTのイベントを開催した時だから、
もう6年前のこと。
靴を買ってくれたのとあわせて、CDを僕らに
プレゼントしてくれた。
しっとりしたジャズスタンダードのカバーから
始まりながら、それを気持ちよく裏切るような
アバンギャルドな曲もあったりして、
すっかり感動してお礼のメールを送ると、
ピットインで開催したライブに招待してくれた。
ライブももちろん素晴らしくて、
次はぜひトラベラーズファクトリーでライブを
やってください、と話した。

それから、何度かトラベラーズファクトリーに
遊びに来てくれたのだけど、なんとなくきっかけを
つかめず、なにもできないまま、ずいぶん時間が
経ってしまった。

だから、新しい7インチレコードを
リリースするのにあわせて、その記念イベントを
トラベラーズファクトリーで、と声をかけてくれた
時は、嬉しかった。
しかも、その中の1曲「トラベラーズソング」は、
トラベラーズファクトリーからインスパイアされて
作ったと聞いた時は、さらに嬉しくなった。

7インチレコードに収められているもう1曲は
「コーヒータウン」という曲で、
昔から喫茶店が多く、青羊さんの故郷に近い
盛岡の街をテーマにした曲だった。
レコードには歌詞にでてくる盛岡のお店が
掲載されたマップが付属していて、
さらにリリースをしたのが、盛岡のレコード店。
こちらも売りやすさより音楽愛、地元愛を
大切にしたインディーズだ。

どちらの曲にもコーヒーが出てくるし、青羊さんも
親交があり、ちょうど短編小説集を出版したばかり
の庄野さんにも来ていただき、ミニライブと
コーヒー教室を開催していただくことになった。

けもののライブは、青羊さんの歌声が響くと
トラベラーズファクトリーの2階の空気が
がらっと変わってしまうほど素晴らしいもの
だったし、庄野さんの話は相変わらず楽しく、
刺激的で、打ち上げまであっという間の1日だった。

なによりも嬉しかったのは、それらに触れることで
僕らのインディーズスピリットにまた火をつけられた
ことかもしれない。

庄野さんの短編小説とけものの7インチレコード
どちらもトラベラーズ一押しのおすすめ作品です。
みなさまもぜひ。


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2019年5月20日

「東欧 好きなモノを追いかけて」

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チャルカ店主、久保さんの新しい本
「東欧 好きなモノを追いかけて」を読むと、
粛々と好きなことを続けることの素晴らしさを
あらためて実感することができる。
久保さんは、20年前に友人とともにチャルカを
立ち上げて、仕入れのために東欧を旅したこと
から始まり、それからずっと年に数回、チェコや
ハンガリー、ルーマニアに旧東ドイツエリアへの
旅を続けている。

「どうして東欧だったんですか」
それまでさまざまな国を旅していた久保さんが
東欧に導かれるように深く入りこんでいった理由を
尋ねると、その答えはとてもシンプルだった。
「やっぱり東欧のものや人が好きなんですよね」

ハンガリーで見つけたノートからはじまり、
黄ばんだザラ紙に、印刷は版ズレしている
チケットや伝票などの紙もの、
戦前にフランスやイギリスへの輸出用に手作業に
近い形で作られていたチェコのガラスボタン、
歴史や文化とともに作った人の人柄までも感じ
させてくれるハンガリーの刺しゅうなど、
通い続けるうちに、久保さんの興味とともに
扱うモノが広がっていく。
それとともに、久保さんの東欧好きもますます
深くなっていく。

もちろん、好きを仕事として続けていくには、
楽しいことだけでなく、苦労やトラブルも
たくさんあるはずで、この本には旅先での
トラブルや続ける上での苦労も少し語られている。
その分、好きなものに真摯に向かいながら、
丁寧に愛を持って仕事を続けていることが分かるし、
旅を仕事にすることのひとつの理想像を教えて
くれるようで、読んでいてとてもワクワクした。

そんな久保さんとはじめて出会ったのは、
まだトラベラーズファクトリーもできる前の
10年前のことだった。

その頃の僕らは、トラベラーズノートを作ることで、
旅を好きが人だったら誰もが思うであろう、
旅を仕事にすることとか、好きを仕事にするという
ことの意味が、少し分かりはじめてきた。

「チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記」を
読んでいた僕らは、まさに全力で素敵に旅を
仕事にしている人たちとしてチャルカに憧れを
持っていた。だけど最初に会った時は、
イベント中だったこともあって、そんな思いを
伝えることもできず、軽く挨拶したくらいで
終わってしまった。

それから大阪に行くたびに、当時は堀江にあった
チャルカに立ち寄った。いつも久保さんには
会えなかったけれど、スタッフの方に
トラベラーズタイムズやトラベラーズブレンドを
預けて、足跡を残した。

そんなある日、突然久保さんから
「東京に出張に行くので一度お会いしましょう」
とメールをいただいた。
僕らは喜んで「ぜひ!」と返事し、
バックパックを担いでやってきた久保さんと
一緒に飲みながら、旅のことやノートのことなどを
たくさん話をした。そうやって久保さんとの
お付き合いがはじまった。

トラベラーズファクトリーができると、
早速イベントを開催していただき、その後も
何度か久保さんにも来ていただいたのだけど、
ここ数年はお互いにバタバタしていたこともあって
久しぶりのイベント開催となってしまった。

今回は、出張コーナーに加えて
コラボレーションリフィルを作らせていただいた。
「こんな紙があるんだけど...」と、50年以上前の
動物の絵が描かれたチェコの紙を送っていただき、
それをパスポートサイズリフィルの表紙に貼った
ものを作った。
たくさんの数を作れなかったということも
あるけれど、とても人気であっという間に
売り切れてしまった。

そして先週末は、トラベラーズファクトリーの
2階に、久保さんが東欧で見つけてきた
紙もの、文房具、おもちゃ、グラスにポット、
布ものなどをずらりと並べた出張蚤の市を開催。
久保さんと出会った時のことを思うと、
まさに夢のような空間で、自分たち自身も
久保さんのお話を聞きながら、宝物探しをする
ように、買い物を楽しんだ。

チャルカは今年で20周年です。
トラベラーズノートをはじめて13年、
トラベラーズファクトリーをはじめて8年弱。
そんな僕らが言うのはおこがましいですが、
旅を仕事にすること、好きを仕事にすることの
楽しさと同時に苦労や大変さも少しは分かって
きたからこそ、20年続けることの素晴らしさを
実感できます。
20周年おめでとうございます。
そして、これからもまた一緒に楽しいことを
やりましょう。

チャルカ出張コーナーは6月10日まで開催して
います。よろしくおねがします。


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2019年5月13日

トラベラーズ米 田植え編

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「トラベラーズ米を作ろう」
トラベラーズチームのイシイさんが、満を時して
声をかけてくれた。
イシイさんは、10年以上、休日を鴨川ヒルズと
呼んでいる千葉県鴨川にあるの友人の別宅で
過ごしながら、米作りを続けている
そのことをいつも面白おかしく僕らに伝えて
くれていて、いつかみんなも一緒にお米作りを
しようと話していた。今年は、近くの農家さんから
田んぼが増やさないかと声をかけられたこともあり、
いよいよ、ずっと念願だったトラベラーズ米を
作ることになった。

そんなわけで、みんなで田植えをするべく、
朝早く出発し、アクアラインを通って木更津を抜け、
南房総の山奥へと向かった。

鴨川ヒルズは、その名の通り一般道を少し登った
丘の斜面に建てられていた。
丘を見下ろすようにオープンデッキのテラスがあり、
建物の前には棚田が広がっている。
まずはテラスでお茶をいただくと、涼しい風が
流れてきた。素敵な建物と心地よい風に一気に
心が高揚した。

田んぼには、僕らが来る前に鴨川ヒルズの
オーナーたちが田おこしから代かきを済ませて
くれていて、水がきれいに張られている。
田植え用の長靴に履き替えて、おそるおそる
水の中に足をいれるとずぼっと沈んでいった。
泥に足を取られそうになりながら、一歩ずつ
足を進めて、オーナーの指示の通り、縄に
付けられた目印にあわせて苗を植えていった。

田んぼの中にはオタマジャクシやカエルが
気持ち良さそうに泳いでいる。
その中に手を入れて苗の根っこを泥に埋めていく。
ひんやりする泥の感触が気持ちいい。
みんなで交代しながらの2時間の田植えはあっと
いう間に終わってしまった。

田植えが終わったら、テラスでバーベキュー。
地元で採れた野菜や鶏肉、ソーセージに加え、
このあたりで猟師によって捕られたという、
いのししの肉までいただいた。
大した労働はしていないのだけれど、やっぱり
外での農作業の後のご飯は美味しい。

食後はイシイさんが手回しの焙煎機を取り出し、
コーヒー豆を焙煎。
コンロにおいて、カラカラと回すこと約30分。
焙煎機からもくもくと煙りがでてきて、
香ばしいかおりが立ち上がってくると、
ちょっと深煎りのコーヒーが焼きあがった。
豆をざるに入れて少し冷まし、焙煎したての
コーヒーをみんなで楽しんだ。

いやー、完璧だなあ。
空の下で土を触りながら働いて、
気持ちの良い風が吹くテラスでみんなで
新鮮な食材の美味しいご飯を食べて、
焙煎したてのコーヒーまで飲む。
話は聞いていたでけど、体験しないとやっぱり
楽しさはわからないものですね。

鴨川ヒルズオーナーのスガさんは、
10年ほど前にこの場所を手に入れて以来、
イシイさんや仲間たちと休日になると集まり、
手探りで稲作をしたり、畑を作ったりしてきた。
イノシシに田んぼを荒らされて、ほとんど収穫
できなかった年もあったそうだ。

また、自分たちの手で小屋を建ててそこに
半露天風呂まで作ったりしながら、そこでの
暮らしを楽しみながら充実させていった。
大きな丸い木の風呂桶が鎮座する小さな小屋は
丘を見下ろすように間口が広がっていて、
まるでテレビか雑誌で見たような高級温泉宿の
部屋についているプライベート露天風呂みたいな
作りになっている。

「お風呂で桜を見ながらビールを飲むなんて
最高の贅沢だよ〜」とスガさんは言うけど、
自分たちで作り上げた分、高級温泉宿以上の
気持ち良さなんだろうなあ。

トラベラーズ米つくりはまだ始まったばかり。
次はぜひお風呂とビールも味わいたいな。

話は変わりますが、トラベラーズファクトリー
では、今週15日よりチャルカさん20周年を記念し
コラボリフィルや出張コーナーが登場します。
17日、18日には店主の久保さんが来てきれて
特設蚤の市も開催します。ぜひ遊びに来てください。
また、24日には、けものとアアルトコーヒー
庄野さんの新作のリリースを記念し、
MINI LIVE&COFFEEとコーヒー教室を開催。
けものさんはトラベラーズファクトリー初登場です。
アンニュイな妖しさとポップさを併せ持つ、
ほんとうに素晴らしいミュージシャンです。
この機会にぜひ。こちらは現在予約受付中です。


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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。