いつも音楽がそばにあった。
小学生のときに、ラジカセを買ってもらって
当時できたばかりの貸レコード屋さんに行っては
借りて録音した。
旅に出る時は、カセットに好きな曲をたっぷり
詰め込んで、小さなラジカセをリュックにいれた。
どこで何を聴こうか、なんて考えながら曲を
選ぶ時間がたまらなく好きだった。
ピート・タウンゼントみたいに弾けるように
なりかったけど、ギターはさっぱり上手く
ならなかったし、トム・ウェイツみたいに
歌いたかったけど生まれながらの音痴だったし、
レイ・ディヴィスみたいな曲はやっぱり
作れなかった。
でも、スタジオや小さなライブハウスで、
思いっきり歌ったり、ギターを鳴らしたりする
のは最高に気持ち良かった。
バンドメンバーとともに、曲をつくりあげて
グルーブが生まれてくる感覚は、なにものに
代え難い素晴らしい体験で、今思うと、あの時に
はじめて、仲間と一緒に何かを生み出す喜びを
知ったような気がする。
大学を卒業して働くようになって、バンドは
やめてしまったけど、仕事中ひとりで乗っていた
営業車には、いつもご機嫌な音楽が流れていた。
今だっていつも音楽とともにある。
小学生のときから未だに聴き続けている曲もあるし、
同時にいつも新しくてわくわくする音楽を探している。
トラベラーズファクトリーが出来て嬉しかったこと
のひとつは、好きな音楽をそこで流せること。
営業時間の8時間分のプレイリストをいくつも
作成しているんだけど、曲の並び順、流れる時間帯、
新しいものと古いもの、静かなものと明るいものなど
のバランスなどを考えて、あまり騒々しくならず、
でも、空間を彩り、そこにいる人たちの気分が高揚し、
気持ち良くなってほしいと思い曲を選んでいる。
ぼくのモノ造りのお手本はロック・ミュージック。
ロックみたいに、ポジティブで、挑戦的で、
優しく温かくて、切なくて、ロマンチックで、
荒っぽくて、繊細で、楽しくて、ドキドキ
わくわくさせてくれるようなものでありたい。
そんな想いで信頼できる仲間たちとモノや空間を
作り上げて行く行為は、バンドメンバーとともに
グルーブを築き上げていくことに似ているような気
がする。
そして、ぼくらの作るものは、音楽のように
日々の生活に寄り添い、時には気持ちを高揚させ、
時には、悲しみを受け止めて心を癒し、そして夢や
希望を与えてくれるような存在であってほしい。
先日、トラベラーズファクトリーであたらしい
すてきな音楽に出会った。
あたらしい夢を教えてくれそうな気がする。