バックパッカーとして最初に行った国はインドでした。
インドの首都、ニューデリーの空港を出ると、一斉にたくさんの客引きが
襲ってきます。
そんな中でたくさんの人の波から、人のよさそうな人を見つけ、なんとか
目的の安宿街までの料金の価格交渉をし、タクシーに乗り込みました。
それでも乗ってる間、どこのホテルが良いとか、あそこは評判が悪いとか
言って、なかなか目的の場所まで連れてってくれません。
何度も、けんか腰になりながら、やっと目的の場所に着くと、今後は最初
に決めた価格とかけ離れた金額を請求してきます。
そこでまだしつこく交渉し、やっと宿に着いた時は、もうへとへとでした。
これからの旅のことを思うと、ちょっとした不安を感じずにはいられません
でした。
そんな時、同じ宿に泊まっていた日本人に出会い、
彼のお勧めの場所で夕食を一緒にすることにしました。
宿を出て、市場のような路地に出ると同時に、突然真っ暗になりました。
その日本人に聞くと停電で、インドではよくあることのようです。
すると、露店や店先で、少しずつ蝋燭が灯り、屋台の食べ物屋は、鍋を
どけて火を大きくして明かりを灯しました。
ぼんやりと明るくなって、目が慣れてくると隣に牛がのっそり歩いている
のに気付きました。
たくさんの蝋燭が灯るなかで、香辛料や線香の香りがし、牛や物売り、
子供の物乞いが歩いている風景は、とても幻想的なものでした。
5分くらいすると、突然電気が付き明るくなりました。
そんな中で、メトロポリタンカフェというバックパッカー向けのカフェ
食堂に入りました。
お勧めのチキンカレーを食べていると、店内にドアーズの
「ハートに火をつけて」が流れてきました。
美味しいカレーを食べながら、幻想的なオルガンのソロを聴いていると、
体の中の何かにほんとうに火がついたように気分が盛り上がってきます。
さっきまでの不安や疲れも忘れて、旅先の高揚感に包まれました。
もう15年以上前のことですが、旅の魅力に取り付かれた瞬間です。