ここで書いて、もう1ヶ月以上経ってしまいましたが
その続きです。
今日は、トラベラーズノート誕生のきっかけについて。
トラベラーズノートの発売のきっかけは
2005年のISOT(国際文具・紙製品展)、
ミドリブース内で行われたコンペでした。
昨年のISOTでも、ダイアメモをのリデザインを
テーマにコンペを開催しています。
2005年のテーマは、
A5スリムノートの新しいデザインの提案。
普通、新しい商品を企画する際、市場ニーズ、
競合商品、店頭状況などのマーケティング要素
をふまえた上で、進行していきます。
また、ノートは低価格帯の競合商品が多いため、
コストに対する要求が厳しい商品でもあります。
そんな厳しい制約の中で、
市場ニーズにあったものを出していくのが、
プロデューサーやデザイナーの仕事です。
でも、そんな制約をまったく気にしないで、
作りたいもの、デザインしたい形を作ってみたら
どんなモノが出来上がるのか?
そんな考えで、このコンペが始まりました。
私が考えたのは、
前から扱ってみたかった革を使ったノート。
ノートは、いつも手に持って使う道具です。
なのに、消耗品であるがゆえに、
愛着を持って使えるものがあまりないことに、
ちょっとした疑問を感じていました。
また、前にヨーロッパに出張に行ったときに見た
イタリアの革表紙のノートが頭に浮かびました。
革の表紙で、愛着をもって長く使えるノート。
さらに、その革は加工を極力排除した生の素材感
を感じるもの。
そんなノートが出来ないかと考えました。
そこで思い付いたのが、チェンマイの工房でした。
その工房は、チェンマイの若い夫婦がやっている、
新しい小さな工房で、大胆な作り方で素材の魅力を
引き出していくのが得意。
当時運営していた直営店の仕入れのために行った
タイの展示会で知り合い、いつか一緒に仕事を
したいと思ってい工房です。
早速、彼らに趣旨を説明して、ラフな図面を送り
サンプルの作成依頼しました。
そうして、出来上がったのがトラベラーズノートの原型です。
切りっぱなしの革の処理や、錫の留め具パーツなど
チェンマイの空気感を感じさせてくれる仕上がり。
見た瞬間、とても胸が高鳴るのを感じました。
早速その日からサンプルを使い、
細かい寸法やゴムの位置を微調整していきました。
最終サンプルが出来上がると、
日常の仕事用のノートとして本格的に使い始めました。
使うほどに革の風合いが手になじみ愛着が湧いてきます。
A4の三つ折りをざくざく挟める、
使い勝手の良さなども分かってきました。
さらに、使い終わってノートを差し替えていけば、
愛着を持って長く使うこともできる。
まずは、自分が最初のユーザーになり
その魅力にはまっていきました。
つづく。
このときは、ゴムの位置が逆でした。