雑誌Coyoteの最新号は、植村直己特集。
彼がずっと夢見、果たすことが出来なかったのが、
南極単独横断。その夢の第一歩として、
アルゼンチン南極基地へ取材に行っているのですが、
その時の日記が掲載されています。
植村直己氏がマッキンリーで消息を断ったのは、
1984年、私が15歳の時でした。
そのニュースで、この冒険家のことを詳しく知り、
その直後に「青春を山に賭けて」を読みました。
氷河をこの目で見ようと、大学卒業後にわずか
110ドルを手に世界に旅立ち、冒険を求めて、
ひょうひょうと世界各地を放浪していく。
そんな姿を描いているこの本は、旅に憧れる
多感な高校生の心を振るわせるのに充分でした。
その植村氏が、五大陸の最高峰登頂後ずっと目標
にしていたのが、南極横断でした。
南極を最後の夢と位置づけ、北極圏一万二千キロ
も北極点グリーンランド単独行も、そのための
準備でした。
Coyoteに掲載されている日記は、
南極大陸犬橇単独横断に向けて、その偵察のために
アルゼンチン軍の輸送船に同行し、実際に南極大陸
の地に足を踏み入れた時の様子を記しています。
そこに書かれている言葉は、南極に来た喜びと
冒険への決意にあふれています。
夢を追いかけて、その夢に向かって実行している
人の言葉は、熱く勇気を与えてくれます。
「生まれて初めてみる南極大陸だ。
いま俺はやってきた、遂にやってきた。
神は私に南極の道を開けてくれたのだ。<中略>
マッキンリー登頂以来、この南極に賭けてきたのだ。
何一つ疑う心なくして。」
「わずか一ヶ月たらずの南極旅であったが、
今終わらんとしている。今回の南極偵察で
私の進めている南極横断が可能であるということを
この体で肌で感じとった。」
紙面いっぱいに細かい文字で丁寧に書かれている
日記の写真を見ることが出来ます。
単独行にこだわった植村氏にとって、日記や手紙
を書くことは、自分、そして見えない他者と向き合う
大事な時間だったのだと思います。
植村直己氏の特集とあわせて、今回のCoyoteには
トラベラーズノートが掲載されています。
作家、謝孝浩氏が旅でノートを書くことについて
語っていますが、そこに実際に氏によって実際に
トラベラーズノートに描かれた内容の写真も
載っています。こちらも、もちろん要チェック!