« 2009年08月 | メイン | 2009年10月 »

2009年09月 アーカイブ

2009年09月01日

帆船と台風

 

 

 

小さい頃から、帆船という乗り物の仕組みが

不思議でなりませんでした。

どこから吹いてくるか分からない風をたよりに、

きちんと目的地にたどり着くことができるのです。

風がまったくなければ進まないのでしょうが、

前方から吹く風を利用し、前に進むことができる

というのは、どうにも理解できません。


そもそも自然の風という不確かなものを動力に

コロンブスやマゼランによる航海が行われていた

のは、本当にすごいことだと思うのです。


大航海時代が幕開いたのは、羅針盤の発明と

帆船技術の発展によるものです。

つまり、自分の位置と行き先をきちんと知ることと

目的の場所に向かう風を捉えることが出来るように

なって、遠洋航海が可能になりました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


選挙で大勝した側は、政権発足後、目指す場所に

向かうための風をうまく捉えてほしいと思います。

予想を越える圧勝は、台風のような強い追い風を

受けた結果だと思いますが、それによって目的地を

失わないように緊張感を持って舵をにぎらなければ

ならないのでしょうね。


そして、私たちも風をとらえて、進むべき場所に

向かって帆を進めていきましょう!

台風が吹き荒れた一日、そんなことを考えました。

 

2009年09月03日

旅先で出会った店 ANGERS

 

 

 

自分の感性にぴったりあったお店を見つけるのは、

旅先でわくわくする瞬間のひとつ。

さらに、それが見たことがないようなめずらしい

モノを置いてある店であれば、なおさらです。


いろいろなスタイルがあるのでしょうが、

やはり買い物は旅の楽しみの王道だったりします。

まあ、世界各地での急激なグローバリゼーションで、

そこだけにしかないモノを見つけるのは

難しくなっていますが...。


同じ旅先を何度か訪れると、なじみのお店のように

そこに足を運び、前に買わずに後悔したモノや

新しいモノをチェックしたりするのも、楽しいひととき。


先日行った京都では、本屋さん&カフェの他に、

アンジェというお店をチェック。


ここは昨年の京都行きの時にも訪れたお店です。

トイカメラ、バッグ、ステーショナリーなどの

雑貨を扱っているのですが、

感度の高い商品セレクトによる独自の世界観が

とてもわくわくさせてくれました。


さりげなく雑貨の横に置いてある本や

アンティークの小物や棚。

スタッフの手による丁寧に作られた

素敵なフライヤーや使用例サンプル。

これらは、モノのストーリーや想いをきちんと伝え、

良いモノや味のあるモノを大切に長く使うことの

すばらしさを教えてくれます。

さらに、そんなアンジェ的なライフスタイルは、

私たちの創造性を刺激し、日々の生活を楽しくする

予感に満ちています。 


旅先で気分が高揚している中で、自分のツボに

はまるお店を見るのは、やっぱり楽しいもの。

(つい散財してしまう危険もありますが...)


そのアンジェですが、今年4月に新宿のマルイに

お店を出店しました。

そして、偶然なのか、自然の法則なのか、

アンジェよりトラベラーズノートのイベントの

お誘いを頂きました。

好きなお店からお声がけを頂くのは、モノ作りに

携わっていて嬉しい瞬間のひとつです。


9月30日まで、新宿マルイ本館の8F

イベントスペースにて、トラベラーズノート

コーナーが設置されています。

お近くに行かれた方は、チェックしてみてください。

その隣にあるアンジェさんの店舗も、

もちろん要チェックです!


アンジェ リアルショップHP

新宿マルイ本館 

 

 

 

2009年09月04日

ホームページ更新

 

トラベラーズノートホームページ更新しました。


まずは、ポストカードキャンペーン入賞発表です。

今年は、例年以上にたくさんのご応募がありました。

まずは、この場を借りて御礼申し上げます。


毎年、受付を締め切った後、一枚一枚送られた

ハガキを読むのは、とても幸せな時間です。

今年は、小学生から70代の方まで幅広い方々から

想いのこもったハガキが届きました。

味のあるイラストや素敵な写真、

思わずじ~んとなるストーリー、

なるほどと感心させられる使い方やカスタマイズ。


タイのチェンマイからやって来て、

流山工場でパッケージされて旅立っていった

トラベラーズノート達が、こういう方々のもとで

愛されていると思うと、ほんとうに嬉しくなります。

会社で行われた選考会では、ワクワクしながら

みんなでハガキを見入っていました。


正直いうと、80枚に絞るのは難しかったです。

いつもは複数の作品を送っていただいた方の入賞は

2作品までと決めていたのですが、今年は1作品と

させて頂きました。

後ほど、トラベラーズカフェに入賞作品を掲載

していきますので、ぜひ、楽しみにしてください。

あと、プレゼントの発送は9月末ごろになると

思います。発送準備が出来たら、こちらで報告

させて頂きます。


そして、もうひとつの更新は、2010ダイアリー

の情報。今年は、9月11日以降から店頭に並び

始めると思います。

それにしても、毎年この時期になると思うのは

もうそんな時期なのかあ~ということ。

早くしないと2009年も終わってしまいます。

お互い悔いのない2009年にしましょう!

 

 

2009年09月07日

百年の孤独 G・ガルシア・マルケス

 

 


冒頭のシーン。

年代は明らかにされていませんが、きっと200年

くらい前、南米の奥地に静かに佇む村マコンド。

開拓されたばかりの小さな村に、毎年3月になると

ジプシーの一団がやってきます。


彼らは村のはずれにテントを建てると、

笛や太鼓をにぎやかに鳴らし、持ち込んできた

珍しい物を村人たちに見せてお金をとる。

初めて見る磁石、望遠鏡、氷。

ジプシーは、それらで摩訶不思議な演出をし、

村人達は、驚き魅せられていく。

そして、村の代表的な人物はそれらに取り憑かれ

高いお金を支払って手に入れ、家の中で妖しい

実験を繰り広げていく。

そんな過程が緻密な描写とともに綴られています。


ここで、私は幻想的で混沌とした不思議な村

マコンドに迷い込んだ旅人のような気分になり、

同時にその世界観に引き込まれてしまいました。


この感じは、インドのヒンドゥー教聖地、

バラナシを歩いた時の記憶を思い出させてくれます。


入り組んだ迷路のような狭い路地。

道の真ん中で、人々の通行の邪魔をする牛。

スパイスや穀物を売る店から漂う匂い。

生地屋に並ぶサリー用の派手な色の生地。

笛や太鼓を鳴らしながら売り歩く人。

大きなヴォリュームで流れるインド映画音楽。

さまざまな場所から手を差し伸べる物乞い。

白く顔を塗ったヒンドゥー教の修行僧サドゥー。


歩いた瞬間、その妖しく混沌とした街の

圧倒的な迫力にすっかり魅せられました。

今までの自分の日常とはかけ離れた幻想的で

非現実的な世界を目の当たりにしたような

気分になりました。


でも、それは紛れもなく現実の世界なのです。

そこには、たくさんの人々が生き、私たちと

同じように日々悩んだり、喜んだり、悲しんだり

しながら毎日の生活を送っている。

ずっと昔から、そして、これからも。


「百年の孤独」は、マコンドという物語上の村に

生きたブエンディア家の盛衰を百年にわたって

描かれた小説です。

非現実的で神話のような奇怪なエピソードととも

伝えられる一族の放蕩と混乱の日々。

エキゾチックで情熱的な南米のイメージもあって、

ファンタジックなストーリーが不思議とリアリティ

を持って迫ってきます。


この物語のなかで、生まれ、そして死んでいった

ブエンディア家の人々。彼らと同じように、

私たちもまた、日々悩み、喜び、悲しんでいる。

世界中に住む68億の人々と同じように。


なんだか、そんな壮大なことに気付かされてくれる

不思議な魅力に満ちた本です。

 

2009年09月08日

赤塚不二夫展

 

 

 

先日、赤塚不二夫展に行って来ました。

赤塚不二夫氏が昨年の8月2日に亡くなったのは、

まだ記憶に新しいと思います。

 

赤塚不二夫と言えば、やっぱり「天才バカボン」。

あのシュールでナンセンスなギャグの世界は、

少年時代に原作を読んだり、アニメを見た人達

の人格形成に大きな影響を与えているはず。

 

アニメでは多少スポイルされていますが、

原作は過激で実験的な作品がたくさんあります。

今回の赤塚不二夫展は、その部分にもきちんと

焦点をあてていました。

 

左手でぐちゃぐちゃに描いてみたり、

1ページ毎にバカボンやパパの顔を大きく描き、

原寸大で描いてみましたという作品があったり、

描くのが面倒になったと、空白のコマが

いっぱいある作品があったりするのですが、

それらは、まるで筒井康隆氏の実験小説のように

シュールで挑戦的。

今回はその生の原稿も展示されていました。

 

正直言うと、少年時代にはなんだかよく分からず、

適当なコトやってるな~なんて思ってたのですが、

今見るとギャグ漫画というメディアの在り方の限界

をぶっ壊そうとする赤塚不二夫氏の過激なパワーを

感じます。

 

そもそも、このバカボンという名前の語源は

英語のバガボンド(放浪者)からきていて、

バカボンパパこそ生粋のFree Spiritを持つ

トラベラーなのです。

 

また今回の展示では、その過激さの行き着いた先

である作品「レッツラ・ゴン」まで、きちんと

紹介していました。

「レッツラ・ゴン」は、赤塚氏が一番好きな漫画

と公言していますが、もっとも下品でくだらなく

過激で暴力的な作品です。(もちろん良い意味で!)

 

あと、もうひとつ気付いたのが、赤塚不二夫氏の

キャラクターデザインの素晴らしさ。

シンプルでありながら、実に個性的でキャラが

立っています。

 

あのアメリカ発の夢と魔法のテーマパークの

パロディーで、下品でナンセンスの楽園を

作ったら楽しそう。

 

主役のキャラクターは、猫のニャロメ。

クマは、レッツラ・ゴンのベラマッチャ。

他にもケムンパスやウナギイヌなど

動物キャラもたくさんいるし。

シンボルのお城の代わりは、バカ田大学。

パレードは、バカ田大学の校歌を歌いながら、

これらのキャラクターが殴り合って進んでいく。

最後は、目ん玉つながりのお巡りさんが

ピストルをぶっ放し、その後ろをレレレの

おじさんが掃除して歩く。

なんてね。

 

 


2009年09月10日

トラベラーズカフェ2周年

 

 

トラベラーズカフェサイトがオープンし、

間もなく2周年。

掲載作品も155作品となりました。

投稿して頂いた方々、そしてご覧頂いてる方々、

ありがとうございます!

キャンペーンの入賞作品とあわせて見ると

本当にたくさんの方々のトラベラーズノートや

旅の記録を見ることが出来ます。

 

あらためて眺めると、いいですね~。

いろいろな人の旅のカタチが見ることができます。

眠れない夜、会社のお昼休みなど、

ちょっと時間が空いた時がありましたら、

ぜひゆっくりこれらをご覧になってみてください。


そして、今月も投稿作品を掲載しています。

みんなのトラベラーズノートは3作品。

mineさんは、トラベラーズノートのパッケージを

利用してのカスタマイズ。

YOSHIさんはトラベラーズノートとパスポート

サイズを使い分け、みきおさんは、先月の掲載した

三本挿し自作ペンホルダーがさらにグレードアップ

しています。


トラベラーズフォトも3作品。

あーちょんさん、移動中の臨場感がたっぷりの写真。

グーストさんはイスタンブールにノートを連れて

行ってくれました。遠くに見えるのはブルーモスク

でしょうか。

そして、Viel Spassさんはフランクフルトから。

トラベラーズノート、世界各地を飛び回ってます。

今も世界のどこから、だれかが何かを書き留めて

いるのかな~。


トラベラーズストーリーも3作品です。

tomo-sさんの風鈴製作体験。夏ですね!

かわうそさんの新連載コレクターは2回目。

古い手巻き時計のお話、勉強になりますよ。

そして、Hideさんの「危険な香り」はタイムリーな

話題。旅は危険な誘惑がいっぱいなので

皆様気をつけましょう。


キャンペーンの入賞作品のアップは、

もう少々お待ちください。

現在、WEB担当者が全力で製作中です!


という訳で、3周年に向けてこれからも

トラベラーズカフェをよろしくお願いします!

3周年を迎えるときは、リアルカフェが欲しいなあ~。

 

2009年09月11日

恋する香港

 

 

 

中国の工場で仕事を終えたあと、香港へ向かう。

船、電車、バス、車など、その時によって

交通手段は違いますが、国境を越えて香港の街中

に入り九龍の中心を通るネイザンストリートまで

来ると、自然と胸が高鳴ってきます。


古い崩れかけた建物と新しいスタイリッシュなビル

や格調高い高級ホテルが混在するメインストリート、

道の半ばまで突き出しているネオンの光る看板群を

くぐり抜けて2階建てバスが走っていきます。


上半身裸で街を闊歩する男、

暑いのにビシッとスーツを着こなすビジネスマン、

軒先で佇むリタイアしてからかなり年月が経った老人、

めかしこんで街にくりだす若者達、すべての人達が

違和感なく同じ場所に溶け込んでいます。


政治的に複雑な歴史を辿って来たがゆえに、他の

都市にはない独特の混沌とした雰囲気を持っています。

この場所の魅力は、あらゆる階層や人種、文化を

飲み込んでしまう懐の深さと、そこに漂う自由な空気。


香港を初めて訪ねたのは、18年前の学生時代。

イスタンブールに行く時に、この街でトランジット

する必要があり、ならばと2泊することにしたのが

最初の訪問。この時は、ビル群すれすれに飛行機が

滑降することで有名な啓徳空港からの入国でした。


ガイドブックも持たず、安ホテルがあるという

重慶大厦に向かい、ビルの前に立つ客引きに

導かれてその日の宿を決めました。


その後、何度もこの街に足を運びましたが、

その度にその魅力に引き込まれていきました。


なんだかこの感じ、まるで恋のようなのです。

会えると思うと、心がときめき、

会った瞬間に胸がワクワクする。

そして、会うたびに新しい魅力を発見し、

ますます好きになり、そうなってしまうと

欠点さえも魅力と思えてしまう。


夜のスターフェリーに乗り、

心地よい風に吹かれて美しい夜景を眺めていると、

香港を舞台にした映画「恋する惑星」で流れる歌

フェイ・ウォンの「夢中人」が、頭の中で

鳴りはじめました。

(クランベリーズ「Dreams」のカバー曲)

 

そんな時は、恋したようなロマンチックな気分。

まさに、夢中人なのです。

 

 

2009年09月14日

トラベラーズノートについて...香港で出会った。

 

 

 

先日香港について書きましたが、

トラベラーズノートにとっても香港は特別な場所。


トラベラーズノートの企画が始まって、

そのプランを煮詰めていくなかで、その佇まいから

連想させていく世界観を作り込んでいく必要性を

強く感じていました。

ノートの機能性や品質以外に、

それを手に持つだけで自由な気分になったり、

表現をしたくなったり、気分が高揚するモノで

ありたいと考えていました。


たまたまトラベラーズノートとは関係のない仕事で

香港に行った時、いつものように街をぶらぶらし、

お気に入りの場所のひとつである重慶大厦に

入りました。


前にも書いた通り、ここは安宿が集まったビルで

1Fと2Fは、そこに集まってくるインド人向けの

レストランや雑貨屋さんがあります。

薄暗いビルの中、スパイスの匂いやインド音楽が

流れる妖しげな雰囲気が好きで、その時も一人で

カレーでも食べようと食堂の席に座りました。


カレーを待つ間、

ふとまだ試作段階のトラベラーズノートを取り出し、

テーブルの上に置きました。

すると、トラベラーズノートの佇まいが

その空間に溶け込み、深い存在感を放ち始めました。

思わず、バッグの中からカメラを取り出し、

シャッターを押しました。


出張から帰ると、その写真をパソコンで開き、

モノクロにしてみました。

すると、ロバートフランクの写真集のように、

何かを訴えかけるようなメッセージを感じました。

それを見て、これだ!と思ったのです。


世界中の旅人が集まる香港の重慶大厦。

一歩外に出ると、国際都市の中心地の華やかな

風景が広がる古いビルの中で、地元の人は

あまり足を踏み入れることがない場所。

崩れかかった壁やパイプが剥き出しになった天井。

きっと出稼ぎで来ているであろう他のテーブルに

座るインド人たちの挑発的な強い目線。


ぶっきらぼうな感じで出されたインドのパンは、

日本のインドレストランで出される発酵させた生地

でふんわりと膨らむナンではなく、インドでよく

食べた、味気ない薄く平たいチャパティ。


写真から醸し出す風景はリアルで、旅の途中の

緊張感と開放感を同時に感じさせてくれ、そこに

佇むトラベラーズノートは、何かを喚起している。


それを眺め、メインコピーを作り上げました。

イメージは、ジャック・ケルアックや

アレン・ギンズバーグのビートジェネレーション。


写真にその言葉を当てはめたとき、

トラベラーズノートの世界観の生まれ始めました。

頭の中には、トム・ウェイツの音楽が流れ、

昔、インドの旅から持ち帰った紙くずやメモが

入っている箱を取り出し、トラベラーズノートに

貼付けていきました。


それは、自分の歴史をひも解いて、

トラベラーズノートという土台に積み上げていく

ような行為でした。

その時に第一に考えたのは、自分が本当に

感動したり、共感したリアルなことだけを

抽出すること。

そして、そんなことをしながら、今までに

経験したことがない楽しさを感じ始めました。


チェンマイで生まれたトラベラーズノートが

香港でその世界を作るきっかけを得ることが

出来たのです。

 

 

 

2009年09月15日

TRAVELER'S TIMES Vol. 4

 

 

 

朝晩はめっきり涼しくなり、夏がすっかり影を潜め

秋を感じる時間が多くなりました。

特に今年は残暑が少なくて、気がついたら秋に

なっていたという感じですね。

街を歩いていて、ふと秋の冷たい風に吹かれると、

半袖のシャツから出た腕を手のひらで温めたり...

そんな時は、しみじみ秋を感じます。


秋と言えば、そろそろ店頭に2010年ダイアリーが

並び始める頃です。

ぜひ、来年もトラベラーズノートのダイアリーを

よろしくお願いします。


また、ダイアリーの発売にあわせて、今年も

トラベラーズノートが制作するフリーペーパー

「TRAVELER'S TIMES」を発行しました。

トラベラーズノートが発売した年にVol.1を発行して

以来、1年に1回だけ、この時期に作ってきたの

ですが、今回でVol.4。4冊並べてみると、

なかなか感慨深いものがあります。


今回もたったの8ページですが、雑誌風に内容を

紹介します。


TRAVELER'S TIMES Vol.4

<CONTENTS>

表紙   :TRAVELER'S notebook in Uzbekistan

特集1:Passport 3冊のパスポート、記録と記憶

特集2:Welcome to TRAVELER'S Airline

<The Story of travel by TRAVELER'S Airline>

連載 :How do you use TRAVELER'S notebook

<謝 孝浩氏(作家・トライアスリート)>

巻末   :ポストカードキャンペーン入賞作品の一部をご紹介

PRICE:¥0


これからトラベラーズノート展開店舗に置かれます。

数に限りがありますので、見つけたらぜひ

ゲットしてください。

ちなみに、読む時のBGMは下の4曲がおすすめ。

特集2の物語は、これらの曲を頭の中で

鳴らしながら書きました。


Leaving on a Jet Plane / John Denver

She smiled sweetly / The Rolling Stones

This time tomorrow / The Kinks

Blowin' in the wind / Bob Dylan

 
 
 

2009年09月18日

深夜のクリント・イーストウッド


最近はDVDやビデオに変わってしまいましたが、

昔は休日前の深夜にテレビで流れている映画を

だらだらと見ているのが好きでした。


その頃、深夜枠でよく放映されたのは

もちろん話題の最新作ではなく、既にテレビで

何度も放送された70年代のアメリカ映画。


ヒッチコックのサスペンス、イージーライダーや

スケアクロウなどのニューシネマとあわせて、

深夜枠の定番のひとつが70年代の

クリント・イーストウッドの出演作でした。


ダーティハリーなどで見られるアメリカ70年代の

都会の生活を映した枯れた感じの映像。

その危険で怪しい雰囲気がかっこ良く見えました。


錆びが所々にあるアメ車で乗りつけて入る

ダイナーやモーテル。

雑然としたオフィスで罵りあう上司と部下。

捜査のなかでいつも訪れる場末の娼婦街や

半裸の女性が踊るバー。


そこに漂う退廃的な雰囲気は、アメリカ社会の

奥深い裏側を感じさせ、クリント・イーストウッド

演じる主人公は、そんな社会で生きる大人の男の

流儀を教えてくれたような気がします。

彼の役どころは、いつも男の美学を貫き通す

アメリカの良心のような存在でした。

彼の出演作品でもっとも好きな映画のひとつ

サンダーボルトで、犯罪者の役を演じた時でさえ

そうでした。


クリント・イーストウッドの最新作グラントリノ

では、彼の美学は極限まで研ぎ澄まされて私達に

強烈なメッセージを訴えかけてきます。


舞台はアメリカのデトロイト、

昔気質の頑固さで息子や孫たちからは疎まれている

クリント・イーストウッド演じる老人は、

妻に先立たれ、フォード70年代の車グラントリノ

を眺めながら、夕暮れ時にひとりでビールを

飲むような生活をしている。


そんな彼が、隣家の東南アジア少数民族出身の

無職の青年と触れ合い、彼を一人前の男にしようと

することに、ちょっとした生き甲斐を感じ始める。


そして、ある事件に巻き込まれていくなかで

身をもって彼流の男の美学を教え込んでいく。

そんな彼の生き様は、その青年だけでなく

見ている私たちにも、男が持つべき究極の美学を

教えてくれます。


もうすぐシルバーウィーク、秋の夜長に

DVDで見るのに、おすすめの映画です。

 
 
 

2009年09月24日

Have a nice trip with TRAVELER'S Airline!

 

 

 

初めて飛行機に乗ったのは、もう20年くらい前

のことです。インド、ニューデリー行きの一番安い

チケットを探し、パキスタン航空になりました。

成田発、マニラ経由バンコク行き。そこで1泊し

乗り換えて、次の日にニューデリーに着くという

面倒なルートでした。


出発は2時間遅れ。しかも、パキスタンは禁酒国

のため機内サービスにアルコール類は一切なし。

キャビンアテンダントは男性ばかりで、何度

コーヒーを頼んでもコーラが出てきました。

そんな味気ない飛行機でしたが、離陸の浮遊感、

機内食、窓からの景色など、初めての飛行機は

とても楽しいものでした。


その後、さまざまな飛行機に乗りましたが、

今でも初めての航空会社の飛行機に乗る時は、

初めての空港に降り立つのと同じくらいワクワク

します。


機内食の時間になると、一気にその国の匂いを

感じることができるアジア系のエアライン。

かっこいいCIで統一されたヨーロッパ系。

ドライなアメリカ系に、やっぱりほっとできる日系。

飛行機は、これから向かう国への一番最初の

入り口として、旅の期待感を高めてくれる場所です。


という訳で、トラベラーズノート2010年

ダイアリーには、トラベラーズエアーをテーマ

にしたトラベラーズガイドを封入してみました。


チケットケース風の表紙は、4色がランダムに

封入されています。切り取ってもらえると、

チケットケースやペーパータグ、たった1枚

ですがトランプが出来上がります。

2010年という新しい旅へ向かうのに、

ちょっとだけ飛行機に乗るときの高揚感を

感じもらえれば幸いです。

  

そう言えば、飛行機に乗った時にお願いすると

トランプがもらえる場合があるって知ってました?

友人に聞いて、この前の出張の時に試してみたら

もらえました。

航空会社やその時によってもらえない事もあると

思いますが、エアライングッズ好きの人は

ぜひお試しください。

 

先週末から、トラベラーズカフェにポストカード

キャンペーン入賞作品をアップしています。

これから少しずつ作品を掲載していきますので

ぜひ、お楽しみに。

また、ダウンロードページも更新しています。

 
 

2009年09月25日

1Q84

 

 

 

村上春樹氏の小説を初めて読んだのは大学生の頃。

当時、ノルウェイの森が大ベストセラーで、

正直言うと、そのあまりの人気と、おしゃれな

イメージに食わず嫌いをしていました。

しかし、大学のゼミでその小説をテーマに

ディベートをすることになって、読み始めると

とても面白く、それまで書かれた小説をすべて

読み終わるまでそれほど時間がかかりませんでした。


初期の作品に漂う空虚で乾いたライフスタイル、

クールに悲劇や不条理に立ち向かい、それを

受け入れていく姿は、そこに暗示された意味を

理解していなくても、ただ単純に物語として

面白く読むことができました。


しかし、彼が僕たちの世代に教えてくれたのは、

アルデンテに茹でたスパゲティの美味しさや、

ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイが

月夜に似合うことだけでなく、

物事の表面的な見え方を疑い、自らの価値観を

形成していくことの大切さでした。

(もちろんアルデンテもビル・エヴァンスも

大切なことですが... )


ちなみに、ビートルズのノルウェーの森ですが、

中学時代、Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)

の方をノルウェーの森だと思っていました。

どちらの曲も、ラバーソウルに入っているのですが、

Nowhere Man, don't worryというフレーズが

ノルウェーのも~り~って聴こえるんですよね。


今更ですが、1Q84です。

なんとなく発売してすぐに手に取る気にはならず、

手元にある未読の本を片付けてから読もうと

思っていたのですが、未読の本は増えるばかりで

いっこうに片付きません。

ブックオフでBOOK1を見付けたのを機に、

いっきに読んでしまいました。


もちろん、とても面白く読むことができました。

権力、宗教や世の中の風評、さらに自らの弱さなど

知らず知らずに僕達を束縛しようとしている

様々な事に立ち向かっていく宣言のような小説です。


私達は自由を求めていくと、それを妨げるものと

対峙したとき、新たな不自由に縛られてしまう。

その時に、不自由を受け入れてでも、自ら求める

自由を選んでいく強い意志を持つこと。


きっと読む人によってこの小説から感じ取れる

メッセージは違うのだと思いますが、私は

そんなメッセージを感じました。

 

 


2009年09月28日

Tokyo Sky Tree

 

 

 

その存在を忘れている方も多いかもしれませんが、

東京スカイツリーの建設が進んでいます。


春先から、少しずつその形が現れて、今では

ちょっとした高層ビルを越す高さになっています。

毎日少しずつ伸びていく様は、まるで地面から

生えてきた巨大な植物の芽を想像させます。


 

 

パリと言えばエッフェル塔ですが、パリに行くと

エッフェル塔の建設途中の写真が印刷された

絵ハガキをよく見つけることが出来ます。


エッフェル塔はフランス革命100周年を記念し、

1889年に開催された万国博覧会のために

建設されました。

この時代のパリはかつてない繁栄の時代をむかえ、

印象派の画家たちが集まり、鉄道や地下鉄などが

次々と建設されていました。

建設途中のエッフェル塔の写真は、パリの人々

にとって、繁栄と近代化の時代を象徴するもの

なのかもしれません。


東京タワーもまた、日本の高度経済成長を象徴する

建物でした。昭和30年代の東京を舞台にした映画

でも、その建設途中の東京タワーが象徴的に映し

出されていました。


後年、建設途中の東京スカイツリーの姿は、

この時代を象徴するものになると思います。

その時、未来の人々は、この時代に何をイメージ

することになるのか...なんて、考えたりします。


いずれにしても、今という時代が大きな変化の中

にあるのは間違いないのでしょうね。

 

 

2009年09月29日

アメリカの古いカレンダー

 

 

 

例えば、ヴィンセント・ギャロの映画に

出てくるようなアメリカの寂れた街にある

古ぼけたモーテル。


雨の中ひとけがないハイウェイを走り続け、

夜遅くにやっとモーテルのネオンサインを見つける。

ホテルの名前が瞬くネオンの光が、フロント

ウィンドウに打ちつける雨粒に、眩しく反射する。


ウィンカーを出し車を寄せ、サイドブレーキを

引くと、よれよれの革のボストンバッグを取り出し、

荒っぽく車のドアを開け放ち、外に出る。


モテールの入り口まで小走りで行き、ドアを

開けて中に入ると、無愛想な男がチェックイン

カウンターに立って、こちらを品定めするように

一瞥する。


部屋があるかどうか尋ねると、フロントの男は、

宿代だけをひとこと言い放つ。OKと答えると、

面倒そうにキーを差し出した。

カウンターにある真鍮のカレンダーを目にし、

旅の日々が長くなってしまったことに気がついた。


前置きが長くなりましたが、そんなモーテルの

カウンターにさり気なく置かれてあるかのような

卓上カレンダーが、アメリカから届きました。


いつのモノかは定かではありませんが、

黒ずんだ真鍮のボディの色から考えると、

きっと私が生まれる前から、使われて来たもの

だと思います。

眺めながら、このカレンダーが刻んできた日々を

想像するのは楽しい時間です。

 
 

2010年02月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28            

店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。