例えば、ヴィンセント・ギャロの映画に
出てくるようなアメリカの寂れた街にある
古ぼけたモーテル。
雨の中ひとけがないハイウェイを走り続け、
夜遅くにやっとモーテルのネオンサインを見つける。
ホテルの名前が瞬くネオンの光が、フロント
ウィンドウに打ちつける雨粒に、眩しく反射する。
ウィンカーを出し車を寄せ、サイドブレーキを
引くと、よれよれの革のボストンバッグを取り出し、
荒っぽく車のドアを開け放ち、外に出る。
モテールの入り口まで小走りで行き、ドアを
開けて中に入ると、無愛想な男がチェックイン
カウンターに立って、こちらを品定めするように
一瞥する。
部屋があるかどうか尋ねると、フロントの男は、
宿代だけをひとこと言い放つ。OKと答えると、
面倒そうにキーを差し出した。
カウンターにある真鍮のカレンダーを目にし、
旅の日々が長くなってしまったことに気がついた。
前置きが長くなりましたが、そんなモーテルの
カウンターにさり気なく置かれてあるかのような
卓上カレンダーが、アメリカから届きました。
いつのモノかは定かではありませんが、
黒ずんだ真鍮のボディの色から考えると、
きっと私が生まれる前から、使われて来たもの
だと思います。
眺めながら、このカレンダーが刻んできた日々を
想像するのは楽しい時間です。