ついに3月です。
学生時代の最後の2月から3月、トルコを
旅していました。ちょうど3月の始め頃は、
イスタンブールからサフランブルを経由し、
黒海沿岸の街を歩いていました。
その後訪れた地中海沿岸がトルコの「陽」、
だとすると、黒海は「陰」のイメージで、
日本人旅行者に会うこともなく、寒い気温も
あってどこかうら寂しい気分になっていました。
夜には、ひとり街にあるハマムと呼ばれる
銭湯のような施設にいて、時間をつぶして
いました。
ちょうどその頃、大学卒業のための成績発表
があり、ぎりぎりの成績であった私はちゃんと
単位が取れて卒業ができるのかどうかを友人に
確認してもらう約束をしていました。
発表があった日、時差を計算し、テレホンカード
を買って、その友人に電話をしました。
それが始めての国際電話だったのですが、
あまりにクリアな電話の音に、友人はほんとうに
トルコなのか?川崎あたりのトルコじゃないかと、
当時のおやじさえも言わないようなつまらない
冗談を言ったりしました。
日本で電話を受ける方も国際電話ははじめて。
まだインターネットもEメールもない時代です。
お互い、遠い国からの電話は雑音がまざった話し
にくいものというイメージを勝手に持っていました。
電話で、無事卒業ができることを確認でき、
さらに誰と誰は留年だったという話を聞いて、
ほっとしたのと同時にどこかでその留年が決まった
友人のことをうらやまく思ったりもしました。
その後、一人で食堂に入り食事をしました。
テレビのサッカーに熱中するトルコ人達を横目に、
帰ってからの生活を考えると、すこし重い気分に
なっていきました。
卒業をひかえた学生にとって、3月は新しい生活が
始まる前のちょっとした準備期間。
春を訪れを告げる暖かい風をあびると、
期待と不安、寂しさなどの感情が複雑にからみ
あった少し憂鬱な気分を思い出したりします。