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カッパドキアの話の続き

 

 

 

カッパドキアで何日か過ごし、そろそろ

別の場所に移動することにしました。

滞在中のホテルでは、楽しく話せる日本人

旅行者がいたので、寂しさを感じることも

なかったのですが、その雰囲気がどこか

日本の学生サークルのようで、居続けると

旅が陳腐なものになってしまいそうな気が

したのです。

もともと1人でいるのは、嫌いではありません。

また孤独を味わうのもいいかなと思い、1人で

翌日のバスのチケットを買いに行きました。 


ホテルに戻り食堂で紅茶を飲んでいると、

そこでよく一緒に行動していた旅行者仲間の

女の子が「実は相談があるんだけど...」と、

深刻な顔をして話しかけてきました。

「あの人とても良くしてくれるいい人なんだけど、

いきなり結婚してくれって言うんだよ。」

どうやらホテルのスタッフの男性から求婚を

されたようです。

そう言えば、彼はその子には特に優しく、どこに

行きたいと言えば、場所を教えるだけでなく、

連れて行ってガイドまでしてあげたりして

いました。


彼女は、それを旅人に対する純粋な優しさだと

思っていて、「トルコの人って優しいよね」

なんて言ったりしていたので、そんな事態も

特別驚くようなことではありませんでした。


真面目な彼女は、突然のプロポーズにもきちんと

向き合って悩んでいました。イスラム教の国では、

厳しい戒律を気にしなくて良い異教徒の

外国人女性はもてることが多いので、

「そんなに深く考えこまなくてもいいんじゃない

かなあ」と軽くアドバイスをしました。

「そうだよね...」彼女は納得したような、

しないような微妙な表情をして答えました。


その日の夜は、翌日みんなと別れるということで、

少し遅くまで、ホテルの食堂で話し込みました。

その女の子とは結婚相談の件もあり、いつもより

深く話をしました。


翌日、寝坊をしてしまい、少し遅めの朝食を

食べていると、彼女がテーブルにやってきました。

「彼に無理って断ったんだけど、どうして

だめなのってしつこいんだ。」

同じようなケースで実際に付き合っている

トルコ人の男性と日本人女性のカップルを

見たこともあるので、彼もなかなか簡単には

引き下がりません。


「親に会ってくれ、なんとことまで言ってくる

から、ちょっと面倒になって他に好きな人が

いるって言っちゃった。

で、誰なんだって聞かれたから、あなたの

名前を出しちゃった。」


ふと彼女の向こう側を見ると、そのホテルの

スタッフがこちらをじっと見ています。

その視線に少したじろぎながらも、そんなことを

言われて、今度はこちらがドキドキしてしまい

ました。その後さらに話をするにつれて、

彼女のことを意識するようになっていました。


あっとい間に時間は過ぎて、いよいよバスの

発車時刻が近付いてきました。

後ろ髪を引かれながら、ホテルを出てバスに

乗りました。


出発の直前、彼女の次の行き先を確認し、

まるで偶然を装いながら、「自分もそこに

行くつもりだったんだ」なんとこを言って

別れました。

旅先で、一度会った人と他の場所でまた会う

というのは、よくあることなのですが、

その彼女とは二度とあうことはありません

でした。

 

 

コメント (2)

Kaz:

こんばんは。
どうも、こういう話には反応してしまいます。

「ほれてまうやろ~!」ってやつですね。

旅に出たいなあ・・・。

iijima:

Kazさま、コメントありがとうございます。
この手の思い出は、だいたい美化されがちなものです。そのつもりでお読みください(笑)
それはそれとして、旅に出たいですね〜

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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。