旅先での夕暮れが好き。
例えば、バイクでの旅の途中、夕暮れ時に
鄙びた温泉地を通りがかったときのこと。
バイクを停めて、お風呂に入ることにする。
ゆっくりとお湯に浸かりながら、疲れた体を
癒す。
お風呂を出て、ぽかぽかになった体で、
温泉宿の軒下にある黒ずんだ木のベンチに
腰を下ろし、乾いた喉を冷たいサイダーで
潤しながら、太陽の光が少しずつ赤みを
増していくのを眺める。そんな時間が好き。
優しい風が草の間を通って体に吹き付けて
くると、少し肌寒さを感じて、Tシャツの上
にダンガリーシャツを着る。
タバコに火をつけて、しばらく、ぼ~っと
しているうちに、今日はもう移動を止めて、
この辺で宿を探すことにしようかなと考える。
そう決めてしまうと、もう少しこの場所で
のんびり夕暮れを楽しめることに嬉しくなって、
読みかけの本を開いてみたり・・・。
そんな旅の自由さが夕暮れを楽しむ心の余裕を
与えてくれるのかもしれません。
夏に旅をしたスペインでは、この夕暮れの
時間がとても長く、永遠に続いていくかの
ような気がしました。
夜7時過ぎ、オープンテラスのレストランで
食事を始めます。すると、食事が終わる頃に
なっても、まだ空は明るい。
10時頃になってようやく日が沈み、街には、
夜のにぎわいがやってくるのです。
実際には夕暮れ時が長いわけではなくて、
緯度と時間のズレの問題とサマータイムの
ため、日が暮れる時間が遅いだけなのですが、
スペインの人々には、夏の夕暮れ時を目一杯
楽しもうとする心の余裕があるのでしょうね。
旅先では楽しむことができる夕暮れ。
普段の生活のなかで、その時間を楽しむことを
忘れてしまっていることに気付きました。
夕暮れが心地よい季節です。
旅するように普段の生活でもその時間を
楽しみたいですね。
さしあたって、今はSound Bumという
旅先の音を録音したCDを聴きながら、
まだ行った事がないハワイやキューバの
夕暮れを想像したりしています。