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Autobahn

 

  

 

「ドイツにアウトバーンっていう道路があって、

そこは最高速度が無制限で、時速300キロ以上で

車が走ったりするんだって」


「そんなところをポルシェ911でビュンビュン

飛ばして走ったら気持ちいいだろうなあ」


少年時代。ドイツはまだ西と東に別れていた頃。

ビュンビュン飛ばすなんて、長い坂道を自転車で

ブレーキをかけずに走り下りていった程度の経験

しかないくせに、そんなことを話していたのを

覚えています。


ポルシェで走っているイメージが湧き上がって

きたのは、1970年代後半異常な盛り上がりを

みせたスーパーカーブームの影響です。


それから20年。営業の仕事をしている頃は、

遠隔地を担当していたため、高速道路を一日で

400キロ以上走ることもめずらしくありません

でした。

仙台から青森まで行くとそれだけで360キロ。

一人で車を運転していると、自然とスピードも

上がってしまいます。


アウトバーンと違って日本はすべての道路に

制限速度が設けられています。運悪く目の玉

が飛び出るような違反金を支払わなければ

ならなくなったこともありました。

でも、ちょっとした緊張感を持ちながら

ハンドルを握り、高速道路を運転している

時間は嫌いではありません。


果てしなく続く道。

フロントウィンドウには、高速で流れて

いく風景と一緒に、虫がガラスにぶつかって

一瞬でつぶれされていくのが見える。

それでもスピードを緩めることなく、車を

走らせて行く。

今この瞬間、自分自身の意志によって、ここ

ではないどこか別の場所に向かって移動して

いるのを体感する。


私にとって、美しい風景や人との出会いだけ

でなく、移動そのものも大きな旅の楽しみの

ひとつです。 


最近はたまに車を運転する機会があっても、

以前のようにスピードを出すことはなくなり

ました。でも、いつかアウトバーンをネズミ

取りを気にせず、走ってみたいなあ。


そのときのBGMは、もちろんクラフトワーク

の「アウトバーン」。今聴くと意外とのんびり

トーンで、気持ちよく安全に走れそう。


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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。