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2011年08月 アーカイブ

2011年08月01日

The Times They Are a-Changin'


 
 
雑誌「ぴあ」がついに廃刊になりました。
インターネットや携帯、スマートフォンの普及で
情報誌としての必要性がなくなってしまったのが
廃刊の理由のようですが、かつてお世話になった
雑誌がなくなるのはちょっと寂しいです。

映画に行くときは、必ず「ぴあ」で時間を
チェックしていたし、ミニシアターやマイナーな
ライブハウスの地図やタイムテーブルもきちんと
掲載されていて、インターネットが普及する前は
とても貴重な情報源でした。

バンドをやっていた学生時代、下北沢にある
ライブハウス「屋根裏」でライブをやることが
決まると、わくわくしながら「ぴあ」を買いに
行きました。スケジュール欄に、出演バンド名が
掲載されるのです。
小さな文字ですが、自分たちのバンド名が
印刷されているのを見て、とても感動したのを
覚えています。

「ぴあ」はマス雑誌でありながらメジャーとか
マイナーに関わらず、少数の人たちにしか必要が
ない情報もきちんと掲載していて、その姿勢が
革新的でした。

インターネットの普及で、もっと幅広く簡単に
ニッチな情報を発信できるようになりましたが、
素人のバンドがはじめて「ぴあ」で自分たちの
名前を見たときのような感動はないんだろうな、
と思います。

情報の検索性や量はデジタルの方が圧倒的に
便利ですが、情報に向かう時の質感や感覚には、
アナログにしかできない表現がたくさんあります。

例えば、ノートに向かい合って紙の触感や匂いを
感じながら何かを書くこともアナログならではの
味わい。
さらに、アナログにアウトプットされた情報は、
時代とともに変化していきます。黄ばんだ雑誌や
ノート、色あせた写真を見て、その時代の移り
変わりを感じることは、デジタルにはできません。

PCの中に記録された画像は、何十年たっても
何も変わらないけれど、アナログの写真は、
空気、湿気や光、匂い、触ったときの手の脂、
環境によって変化し、あらたな情報がそこに
加わっていきます。
人間の記憶と同じように、時を経るごとに
変化していくのです。

もちろん、それは欠点でもあるのですが、
そんなアナログの特徴が最近とても愛おしく
感じたりします。

写真は、ブックフェアで手に入れた60年代に
製作された地図や雑誌。紙の質感、活字や
印刷の風合いがその時代の息づかいを感じ
させてくれます。
 
 

2011年08月03日

William Eggleston's Guide

 
 
 
ある古本屋さんで、ショーケースのなかに
飾られた1冊の写真集をしばらく眺めていたら、
店員さんが中から取り出して見せてくれました。
価格を見るとびっくり。
トラベラーズノートが15冊ほど買える値段です。
聞くと、サイン入りの貴重本とのことで、
少し緊張しながらゆっくりとページをめくり
拝見させていただきました。

その写真集「William Eggleston's Guide」は、
1976年に作者がニューヨーク近代美術館で史上初
のカラー写真の個展を行った際の作品集。
当時のアメリカの日常風景がリアルに映し出された
淡い色合いの写真は、その時代を知らない私にも
郷愁と憧れを感じさせてくれました。

1969年生まれの私にとって、少し上の世代とは
違って、アメリカは単純に憧れの存在ではあり
ませんでした。
自我が目覚めた10代初めのころは、アメリカと
日本の貿易不均衡が取り沙汰された時代。
アメリカ製品をもっと買いましょうという
キャンペーンが繰り広げられるなかで、
買うものなんてないよな〜と言っていた大人たち
の言葉が印象的でした。

音楽では、ブルース・スプリングスティーンの
ボーン・イン・ザ・U.S.Aやビリー・ジョエルの
ナイロン・カーテンがヒットしていて、工業都市
の衰退やベトナム戦争の傷が歌われていました。
(ボーン・イン・ザ・U.S.A.はアメリカ賛美の
曲ではなく、ベトナム帰還兵の帰国後の困難と
彼らのアメリカに対する複雑なやるせない気持
をうたった歌です。)

日本は平和で豊か、技術も世界で最も優れていて、
アメリカのシェアを奪いながらまだまだ経済発展
が進んでいく。そんなトーンに包まれながらバブル
へ向かっていった時代です。

もちろんアメリカの映画や音楽で好きなモノは
たくさんあったし、いつか行きたい憧れの国では
あったけど、ヨーロッパやアジアの他の国と比べて
特別強い憧れがあったわけではありません。

あれから世界はさらに変わりました。
日本の技術力は、アジア各国によって脅かされ、
私たちの身の回りには、当時よりもずっと多くの
アメリカブランドのモノが溢れています。

そんな時代に、1970年代のアメリカの日常風景の
写真を眺め、その世界に憧れている自分がいます。
きっと、そこにフロンティアスピリットと自由を
感じるからなのかもしれません。
そしてそれこそ、いつの時代も変わらないアメリカ
の最大の魅力であり、今の私たちに必要なことなの
だと気付きました。
 
 

2011年08月05日

Goodbye


 
 
音楽評論家、俳優、ミュージシャン、SF作家、
元メジャーリーガー、そして、現役サッカー選手、
最近訃報が続きます。
著名人の訃報は、悲しみよりも驚きを与えること
が多いですが、その人が与えてくれた心の影響の
大きさによって悲しみの割合が大きくなります。
 
思い返してみると、著名人の訃報を聞いて、
思わず涙が出てきたことが今まで2回あります。
 
ひとつは、2002年12月、イギリスのバンド、
ザ・クラッシュのジョー・ストラマーが亡く
なった時。クラッシュは、自分の心にもっとも
大きな影響を与えてくれたバンドのひとつ。
ちょうどその1ヶ月前にバンド仲間だった友人が
病気で亡くなったあとだったこともあり、
ニュースを聞いた瞬間、友人とお互い好きだった
クラッシュの曲をコピーした記憶が蘇り、自然と
涙が出てきました。
 
もうひとつは、1996年のちょうど今頃の季節。
秋田出張中、八郎潟のまっすぐ続く道を営業車で
走りながら聞いていたラジオのニュースで寅さん
こと渥美清氏の訃報を知ったときです。
 
映画「男はつらいよ」は、小さい頃からテレビで
放映すると家族で必ず見ていたし、大人になって
からもしばしば最新作を映画館で見るくらい好き
でした。少年時代の自分にとって、フーテンの
旅ぐらしのテキヤ稼業はまさに憧れの職業でした。
また、寅さんの甥っ子の満男は、設定が自分と
同年代で、その優柔不断な情けない性格も自分に
重なるところがあったりして、感情移入がしやすく、
寅さんはずっと昔から身近にいた、伯父さんの
ように感じていたのかもしれません。
 
訃報のニュースを聞きながら、その年の正月に
映画館で見た「男はつらいよ・48作目」の最終
シーンが蘇ってきました。必ず寅さん失恋をして
終るのがお約束ですが、遺作となってしまった
その作品のラストは、いつもとはちょっと違って
いました。
 
マドンナは今まで何度か登場している浅丘ルリ子
演じるリリー。柴又でみんなで談笑中に寅さんと
リリーが言い争いになって、怒ったリリーが家を
飛び出す。ひとりタクシーに乗ろうとした瞬間
寅さんがやってきて、そこに乗り込んで、2人
一緒に旅立っていく。そんな終り方でした。
 
せっかく幸せになれたと思ったのに・・・と
満男の視点で、伯父さんを失った悲しさ。
そして、もう大好きな映画の続きが見れないと
いう、ファンとしての寂しさ。その両方の想いが
こみ上げて思わず涙をあふれてきたのかもしれ
ません。
 
当たり前の話ですが、大切に思っている人の
突然の死に直面すると、大きな喪失感と深い
悲しみを感じます。それは身近な人であっても
遠い存在であっても同じなのかもしれません。
最初に挙げた方々のご逝去を悼み、謹んで
お悔やみ申しあげます。
 

2011年08月08日

京都イベントとスタッフ募集

 
 
 
金曜日「トラベラーズノートと仲間たち」に
2つの情報をアップしました。

ひとつは京都イベントについて。
9月27日から1週間、京都の恵文社でイベント
を行います。
1年ぶりの関西です。
昨年イベントを開催させてもらった同時代
ギャラリーもステキな会場でしたが、今回は
あの恵文社さんでのイベントです。

恵文社に初めて行ったのは2008年の9月。
京都の中心から少し離れた小さな商店街の中に
ある本屋さんなのですが、独自の視点によって
セレクトされた本の品揃えと、本への深い愛情が
感じられる並べ方にとても感動し、時間を忘れて
本や雑貨を見ていたのを思い出します。
それもそのはずで、イギリスのガーディアン紙が
選ぶ世界の本屋ベスト10でも選ばれている、
すごい本屋さんなのです

それからは、関西に行く度にみんなで立ち寄り、
トラベラーズノートやブラスプロダクトも並ぶ
ようになりました。私たちにとって、大好きで
大切なお店のひとつです。

さらに今回は、この日記には何度も登場している
アアルトコーヒーの庄野雄治さんがやって来て、
自らトラベラーズブレンドを淹れてくれるのです。
恵文社&アアルトコーヒー&トラベラーズノート。
なんだか夢みたいだなあ。
イベントでのオリジナル商品などの詳細は、
追々アップしていく予定です。
そちらもお楽しみに。

そして、もうひとつの情報はスタッフ募集
ついて。
読んでいただくと分かると思いますが、新しい
プロジェクトが動き始めています。私たちに
とっては、まったく新しい経験で、ほんとうに
手探り状態のなか、壁にぶつかって苦しんだり、
劇的な出会いに喜んだりしながら進めている
ところです。
このプロジェクトは、私たちがずっと夢に
描いてきたことが、ついに現実になる瞬間。
そして、そこから、もっと新しい世界が
ひろがっていくのは間違いないと信じています。
プロジェクトの詳細は、後日発表しますので
楽しみにしてお待ちください。

そのプロジェクトを進めていくにあたり、
あたらしいスタッフを募集しています。
こうやって募集するのも私たちにとっては
初めてですが、ご興味のある方はチェックして
みてください。
 

2011年08月10日

I was born in Tokyo.


 
ほんとうのこと言ってしまうと、僕はあまり
東京が好きじゃなかった。

地方出身の友人が、子供時代に野山や川で遊んだ
記憶を話されると、ちょっとした劣等感を感じたし
帰るべき故郷があるというのは、羨ましかったり
した。自然に囲まれた暮らしに憧れ、森や潮の
匂いがすると思い出すような故郷が欲しかった。

働くようになって、しばらく仙台に住んでから
東京に戻ると、少し狭いアパートが倍の値段。
ラッシュの電車や街の人ごみにも今まで以上に
ストレスを感じるようになって、ますます東京
はいやだなあと思ったりした。

でも、最近以前よりも少し東京が好きになった
ような気がする。

例えば、スクラップ&ビルドの流れに逆らい、
古き良き東京を再生しようと奮闘している人たち
がいる。それは、単なるノスタルジーではなく、
サスティナブルで心地よい東京の暮らしを教えて
くれる。

人口が多いということは、マイノリティでも、
存在感を示すことができるし、ニッチな層に
向けたビジネスや手作りのスローな情報発信も
質さえ伴っていれば成立するチャンスがある。
リーマンショック以降の不景気が地価の低下を招き
余計にその流れを助長しているような気がする。

また、海外の人たちの視点が今まで気づかなかった
東京の美しさを教えてくれる。
ソフィア・コッポラ監督の映画「ロスト・イン・
トランスレーション」で描かれた夜の渋谷の風景。
台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の映画
「珈琲時光」に映し出される下町の住宅が密集する
中を路面電車が走る姿。
そこで描かれる東京は、見慣れた風景をどこか異国
のような新鮮なものに変えてくれる。

リチャード・ブローティガンが、1976年5月から
6月に滞在した東京で、日記を付けるように
書かれた詩集「東京日記」も、今まで気付かな
かった東京の視点を教えてくれる。

新宿の路地にある中華料理店前で寝ている猫。
日曜日の夕方の静かな銀座のバーが並ぶ裏通り。
夜明け前に塀を乗り越えて忍び込んだ明治神宮。
テレビにうつる着物を着た女性。
暗い通りを飛ばすタクシー。

彼が描く東京は、どれも儚く切なく孤独で、
そして美しく、愛にあふれている。
目の前に飛んできたハエさえ、愛おしく美しい
存在に見えてしまう。

旅する詩人の視点を通して、もう一度東京を
眺めると、もっともっと東京が好きになれるような
気分になった。
 

2011年08月12日

SUMMER DAYS (AND SUMMER NIGHTS)

 
 
 
夏休み。
今でも自然と胸が高まり心が踊る魅惑の言葉です。
夏休み返上でがんばっている方々には申し訳あり
ませんが、私たちの会社でも週末の土曜日から
夏休みです。

夏休みにどこに行こうか悩んでいる方がいたら
ぜひこちらをチェックしてみてください。
情報の詳しさや量は、他の旅情報サイトには
かなわないと思いますが、それぞれの想い入れ
たっぷりのステキな旅先がご覧いただけます。

こちらに掲載しているのは昨年のポストカード
キャンペーンの入賞作品です。
今年は8月末が締め切り。
入賞者80名の方々にはトラベラーズマグカップ
をプレゼントいたします。
萬古焼きの窯元さんに無理を言ってオリジナル
の型で作ってもらった贅沢なマグカップです。
アメリカのロードサイドにある寂れたダイナーで
コーヒーを頼むと出てくるような質実剛健さと、
トラベラーズらしい旅心と遊び心を感じさせる
ステキなマグカップに仕上っています。
夏休みに見つけたオススメの場所がありましたら
ぜひご応募ください。

そして、少し気が早いですが、来年のダイアリー
情報もアップしています。
今回は皆さんからご要望が多かった週間+メモが
新しくラインナップに加わっています。
左半分はスケジュールページで、右半分は
セクション罫のメモページになっています。
メモページには、日記を書いたり、写真や
レシートを貼ってスクラップしたりして自由に
使うことができます。
2012年のダイアリーは、9月中旬ごろより
お店に並びはじめる予定ですので、楽しみに
してお待ちください。

それでは皆様楽しい夏をお過ごしください。
Have a nice trip!
 

2011年08月18日

Letter from Morioka

 
 
 
お元気ですか。
ぼくは今盛岡を旅しています。
盛岡のカフェでひとりコーヒーを飲みながら、
送るあてもないこの手紙を書いています。

盛岡は、会社に入ってすぐに営業担当になった
場所で、その頃は月に1、2回通っていました。
もう20年近く前のことです。
当時は新人らしくよく失敗をして、お客さんに
怒られたのを思い出します。そんな苦い経験が
ありながらも盛岡という場所もそこに暮らす人
も好きでした。

B級グルメがブームになるずっと前から、
盛岡冷麺やじゃじゃ麺などの気軽に食べられる
珍しい名物料理があったり、周囲には小岩井農場
や花巻温泉、八幡平もあって、仕事だけでなく
休日にもバイクで遊びに行ったりしていました。

盛岡は小さな都市でありながら、どこか品があって
自分たちの街や文化に誇りを持っていた人が
多かったような気がします。

盛岡駅から15分ほど歩いたところに光原社という
世界の民芸品を集めたお店があり、そこでシャツを
買ったり珈琲を飲んだりするのが好きでした。

光原社は、宮沢賢治の短編集「注文の多い料理店」
を出版をした会社で、その後転業し、民芸品の
お店になったそうです。各地で受け継がれてきた
民芸の技を残して広めていこうという強い志が
感じられ、自分にとっては盛岡のイメージを象徴
するような場所でした。

光原社で買った「雨ニモ負ケズ」のフレーズが
刷られた手ぬぐいを自分の部屋の壁に飾っていた
のを思い出します。

この旅では、本をゆっくり読もうと思っています。
前に片岡義男氏が本を読むために京都を旅する
様子が書かれていたのを読んで、それに憧れて真似
をしてみようと思ったわけです。
盛岡にちなんで宮沢賢治の「風の又三郎」を持って
きました。ずっと昔に読んで内容はすっかり忘れて
しまっていたし、忙しい合間よりも、のんびりした
気分で読んでみたいと思っていた本です。

駅前の盛楼閣の冷麺でお腹を満たしたあとは、
本を読むためにカフェめぐりをしています。
それにしても盛岡には、本を読んだり手紙を
書いたりするのにうってつけのカフェがたくさん
あります。

今この手紙を書いているのは、cartaというカフェ
です。cartaという店名は、ポルトガル語の手紙
からきているそうで、それを知って、さっきまで
読んでいた本を閉じて手紙を書いてみようと
思った次第です。

光原社の美しい中庭にあるカフェ、可否館は
相変わらず素晴らしかったです。
黒ずんだレンガと木の壁、その壁にかかる古時計や
ステンドグラスなどのアンティークの調度品。
どこか懐かしくも秘密めいて、まるで宮沢賢治の
童話に出てきそうな雰囲気でした。

中津川添いにあるふかくさは、本を読むのに
ぴったり。お店の前は遊歩道を挟んですぐ川が
流れています。外に置かれたテーブルに席を取れば
木漏れ日のもと川を眺めながらコーヒーを飲めるの
です。
気持ちよく本を読んでいたらうつらうつらと眠気に
襲われましたが、あえてそれに抵抗せずに眠りに
身を任せてしまうのも、ひとり旅の気軽さゆえの
楽しみです。

六分儀も、素敵なカフェでした。
小さなビルの1F、昔の映画に出てきそうな懐かしい
ドアを開けると、レコードプレイヤーが奏でる
シャンソンが聴こえてきます。
ヘリンボーンに組まれたフローリングの床、
コーヒーの色がうつったかのように薄く飴色
がかった白壁、壁にかかる不思議な抽象画、
そして、香ばしいコーヒーの匂い。シンプルで
隙がない美しい空間は、長い歴史と深い愛によって
出来上がったのだと想像できます。

夕方、Holzという家具屋さんに寄ってみました。
家具以外にも鉄などの金属を使った面白い雑貨も
あって、お店の方とお話をしながら、つい長居を
してしまいました。
光原社と同じような志が、新しいスタイルとともに
受け継がれて、盛岡という街をもっと楽しくして
くれているようです。

今日は、昔の常宿だったホテルが思いがけず安く
とれたので、そこに泊まります。
味気ないビジネスホテルなのですが、懐かしくて
そこに決めてしまいました。夜は、新人時代に
上司によく連れて行ってもらった寿司屋さんを
覗いてみようかと思います。

取り止めもなく、だらだらと書いてしまいましたが
やっぱり盛岡は良い街です。
まだまだ面白い場所もありそうですし、寒い季節
には、また違った顔を見せてくれます。
今度は冬に来て、澄んだ空の向こう側に現れる
岩手山を見てみたいです。

それでは、またどこかの旅の空から便りを送ります。
8月13日 盛岡、cartaにて。 
 
< carta >
 
 
< 光原社・可否館 >
 
< ふかくさ >
 
< 六分儀 >
 

2011年08月19日

盛岡-仙台-黒磯



夏休みは東北に行ってきました。
昨日書いたとおり、まずは盛岡へ、その後、
仙台と黒磯に寄って帰ってきました。

仙台では、6月に行って以来、再び津波の被害を
受けた場所を訪れました。ここでは瓦礫の除去は
以前と比べるとだいぶ進んでいるようです。
しかし、かつて家が建ち並んだ場所の形跡とともに
思い出も失われていくようで、被害にあわれた方々
の心情を思うと複雑です。
あの震災で家や家族を失った人達は、喪失を受け
入れいながら、新しい日常を作っていくという
辛い日々が続いています。

そして、翌日は黒磯へ。
最近は毎年訪れているSHOZO CAFEに行って
きました。SHOZO CAFEは黒磯のシャッター
商店街の中にある古いアパートをリノベーション
してはじまりました。古い建物や家具の味わいを
活かしながらスタイリッシュで心地よい暮らしを
提案するカフェを起点に、その後、周辺に
セレクトショップやアンティーク家具のお店を
開いています。

黒磯周辺では同じような考えの人たちが集まって
いるようで、他にも面白そうなお店が増えて
いました。それらは、大企業によって作られた
画一的な大規模商業施設ではなく、その土地で
受け継がれてきた文化や自然と調和しながら、
新しい感性で今ある建物をリノベーションした
手作りのお店。
そんなお店が集まることで、黒磯は独自の魅力
を持つ、新しい街になってきているようです。

仙台で、一瞬にして昔から受け継がれてきたもの
がなくなってしまった光景を見た後に訪れると、
その意味が重く心に響きます。

さて、土曜日からタイのチェンマイに旅立ちます。
チェンマイもタイの北部に位置する古都。
伝統的な工芸の技に、あたらしい感性が融合した
ものづくりが行われている場所でもあります。
今の東北を見た目線であらためてチェンマイを
眺めてみると、新しい発見があるかもしれません。



  

2011年08月25日

Have a Slow Life!

 
 
 
タイ出張より帰ってきました。
バンコクで泊まったのは、スローライフが
コンセプトのホテル。決して豪華ではないけど、
ゆったりと作られた緑があふれる中庭や、手作り感
のある部屋のインテリア、ほどよい距離感を持って
接するスタッフのフレンドリーさが心地よい、
素敵なホテルでした。

バンコクの安宿街、カオサンロードの喧噪さに
疲れたけど、普通のホテルでは物足りない、
そんな大人のバックパッカーが泊まるような宿。
2005年にできたホテルとのことですが、
前に大阪で泊まったホステル64に通じるような
あたらしい潮流を感じさせるホテルでした。

そして、チェンマイでは、ここでも紹介してくれて
いる以前に泊まったホテルにまた泊まりました。

今回のタイ行きで一番感じたのは、心地よいライフ
スタイルの在り方について。

チェンマイでずっと一緒だったトラベラーズノート
のカバーを作っている工場のオーナー夫妻は、
小さな工場に隣接した家に暮らし、チェンマイの
素材や文化にこだわったものづくりをしています。

今回の出張でも、彼らと付き合いがあるチェンマイ
のいくつかの工場に連れて行ってもらいました。
そこは例えば中国の大きな工場とはちょっと違った
雰囲気です。

どこも小規模の工場で、風通しが良い吹きさらしの
建物のなかで、家族的な雰囲気でにこやかな表情で
仕事をしています。工場のなかの隅のテーブルでは、
子供が学校の宿題をやっています。

そういえば、私が小さい頃には、近所の下町にも
そんな雰囲気の印刷工場や材木工場がたくさん
あったなあ。工場に入り込んで遊んだりして。

そこでは、職人的な技もきちんと残り、下の世代
に受け継いでいく、師弟関係もまだ残っています。
大きなキャパシティーはないし、生産スピードは
スローだけど、丁寧なものづくりがおこなれて
います。
日本的な感覚とはズレのあるのんびりした仕事の
スタイルは、しばしば私たちの悩みの種になったり
しますが、チェンマイのスローで心地よい空気感が
他にない魅力あるプロダクトを作っているのだと
あらためて感じました。

スローであることは、決して怠慢であることでは
なくて、フットワーク軽く自分の好きなことを
追求していくことでもあります。
工場のオーナー夫妻は、子供が生まれたのを機に、
あたらしく小さな保育所の運営をはじめたり、
趣味のプラモデル好きが高じて、そのパーツを
作って売ったりしたりしてます。
でも、自分のペースにあわせて、決して無理を
している感じはしない。
きっと何年で売上をいくらにするとか、シェア
何%を目標にするとか、あまりそういうことには
興味がなくて、自分たちのやりたいことと、人から
必要とされていることが合致していることが動機と
なっているのかもしれません。

もちろん、それですべて通用するほど甘い社会では
ないのだと思いますが、彼らの生活を見ていると、
私たちが目指すべき方向のひとつの大きな指針と
なりそうな気がします。

スローライフ。
今まで漠然としたイメージしかなかった
この言葉の意味が今回のタイ行きで、ちょっとだけ
分かったような気がします。
 
Phranakorn Nornlen in Bangkok 

Phranakorn Nornlen in Bangkok 

Phranakorn Nornlen in Bangkok
 
Tri Yaan Na Ros in Chiangmai 

 
 
 

2011年08月26日

We love Thai Food.



タイではきちんとしたレストランも良いのですが、
店の軒先で調理しているようなローカルの食堂で
思いがけず美味しいものに出会えたりします。

タイに着いた日に最初に食事をしたのもそんな
お店でしたが、ここで食べたパッタイは、今まで
食べたなかで最高の味でした。

パッタイはタイの代表的な料理のひとつで、
タイ風の焼きそばのようなもの。ビーフン麺に、
卵を入れて、干しえびやニンニク、厚揚げなどと
一緒に肉やエビなどメインになる具と一緒に炒め、
最後にモヤシやニラ、パクチーなどの野菜や
ナッツをまぜて食べます。

調味料に使うナンプラーやタマリンドの甘い
風味に、ナッツやモヤシのさっくりした食感と
麺のもっちりした食感がまざった独特の味わいは
クセになる美味しさです。

店の軒先で手際よく中華鍋を振りながら炒めて
いるのを見ていると、美味しそうな匂いが漂って
きます。
小振りな皿に盛られた麺は、すぐに食べ終って
しまい、つい追加のオーダーをしてしまいます。

そして、追加の分は味わってゆっくり食べて
お腹が満たされると、自然と笑顔になって、
「やっぱりタイ料理は美味しいなあ〜」とその後
何度もつぶやくことになる言葉を発してしまう
のです。
 
 

2011年08月29日

ポストカードキャンペーン締切間近

 
 
この前の土曜日は、隅田川の花火大会でした。
今年は、震災の犠牲者追悼と復興がテーマとの
ことで、例年より1ヶ月遅れての開催。
いつもならこれから本格的な夏が訪れるという
時期ですが、今年は夏が終わり秋の気配を感じる
なかでの花火見学となりました。

そんなわけで、もうすぐ8月も終わりです。
まだやるべきことが残っていて、まるで夏休みの
宿題がたっぷり残っている小学生のような気分
ですが、今年は盛岡へ行ったり、タイへ行ったり
あれをしたり、これをしたりで充実した8月でした。

8月が終ると言えば、ポストカードキャンペーン
も間もなく締め切りです。
続々と楽しいおすすめスポットが描かれたポスト
カードが送られてきています。
応募するつもりだったのに送っていない方、まだ
間に合いますので、宿題のラストスパート気分で
ぜひご応募ください。

2011年11月

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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。