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名前のこと

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ちょっと前のことなんだけど、
会社に自分と同じ名字の人が入ってきた。
それほど珍しい名字ではないのだけれど
50年近く生きてきて、そういうことは初めて
だったので、自分の目の前で「イイジマさんには、
こういうことをやってもらおうと思っている」
なんてことを聞いたりするだけで、なんとなく
気恥ずかしくなったりした。
自分で口にする時には、妙に早口で言ったり、
逆にゆっくり言ったりして不自然な感じに
なってしまう。
今ではだいぶ慣れてきて、その名前を聞く時も
口にする時も平静を装えるようになったけど、
正直に言えば、心の中では違和感がなくなった
わけではない。
その人は同性だからまだいいけど、
これが若くて綺麗な女性だったりしたら、
「同じ名前に、こんなおじさんがいて
いやがったりしないかな」とか余計なことを
考えて無駄に緊張してしまうんだろうな。

自分の場合は、同じ名字の人にそれほど頻繁に
出会わないけど、「さいとう」とか「わたなべ」
みたいに、二、三十人のチームであれば必ず
二人以上はいそうな名字の人は、そんなことは
すっかり慣れていて、自然に同じ名字を呼べる
のかなあ。
逆に「五郎丸」みたいに、かなり珍しい
名字の場合は、どんな気分になるのだろう。

名前と言えば、「トラベラーズノート」は、
発売のきっかけが13年前の社内コンペだった
のだけれど、コンペに出展した時は
「トラベルジャーナルノート」という名称を
つけていた。
実際に発売することになった時に、
その名前を調べてもらったら、そのまま商品
として発売するにはちょっとした問題が
ありそうだということで、いろいろ考えて
「トラベラーズノート」に変えて発売する
ことになった。

「トラベラーズノート」は、固有名詞でなく
一般名称と思われがちなんだけど
当時はグーグルで日本語と英語で検索しても、
ノートの品名や使い方などで、その名称は
いっさい出でこなかったし、自分としては、
ノートの名前としてはなかなか個性的だと
思っていた。
それが一般名称だと思われてしまうのは、
かつてウォークマンがそうであったように
新しいカテゴリーを作った商品の宿命みたいな
ものなのかもしれないと思うようにしている。
ちなみに「トラベラーズノート」は、国内外で
登録されている、デザインフィルの登録商標です。

そんな問題があるけれど、今でもこの名前に
してよかったと思っている。
まずなにより覚えやすいし、言いやすい。
昔、年配の上司が、ディズニーランドのことを
デズニーランドと言ったり、キディランドのことを
キティランドを言ったりするのを笑っていたけれど
今では自分も同じようなことを言って、
逆に笑われてしまうことがよくある。
「きゃりーぱみゅぱみゅ」なんて当然
流れるように口にすることなんてできない。
でも「トラベラーズノート」だったら、
きっとほとんどの人がつまずかずに言うことが
できますよね?

また、簡単な英語だから、中学生以上だったら
(小学生でも?)その意味を理解できる。
さらに日本のみならず、きっとほとんどの国で
同じように理解できるし、その名前が醸し出す
イメージはきっとそう変わらないと思う。

あと、「トラベラーズ」と「ノート」を分けて
「トラベラーズ」を、名詞として使えば、
バンドの名前みたいでかっこいいし、
チームとか仲間とか、ひとつの運命共同体を
表す言葉として捉えることができる。
ロゴの下にあるコピー「For all the travelers
who have a free spirit」は、まさにそのことを
示している。

さらに「トラベラーズ」を形容詞として考えれば、
ノートの代わりにいろいろな言葉を差し替える
ことができる。
トラベラーズカフェ、トラベラーズエアライン
みたいに、トラベラーズXXXと下の言葉を考える
ことで、その世界は大きく広がったし、
その後、トラベラーズファクトリーとか
トラベラーズカンパニーみたいに新たな名前を
考える時も、必然のように決まっていった。

そんなわけで、今となってはむしろ
「トラベルジャーナルノート」が使えなくて
よかったと思っているし、もしその名称のまま
発売していたら、今とは違ったモノになっていた
ような気がする。

人の名前というのは不思議なもので、
年をとるにつれて、その人の風貌や性格に
溶け込んで、その名前がぴったりだと思うように
なってくるものだけれど、それは人に限らずモノ
も同じなんだと思う。
最近は、長いカタカナの名前が覚えられない
だけじゃなく、人の名前を言い間違えたり、
ど忘れすることも多くなってしまったけど、
やっぱり名前は大切なものだから、きちんと
しないといけないなあ。


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コメント (2)

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私の名字もどちらかと珍しいほうなので、漢字も読み方も同じという方は今のところ一度だけしかありませんね〜。その方は人事総務の方だったので、慌て者の人たちからその方宛てのメールがよく誤送信されてきました。その度に内容が内容だけに困惑しました(苦笑)。
トラベラーズノートはトラベラーズノートでよかったですよね。もう一つ二つ何か付いてしまうと使い道が限定されてしまう印象を与えたかもしれませんね。

匿名:

HIdeさん、ありがとうございます。
確かにありそうでない名字かもしれないですね。私もメールのご送信や郵便のご配送あります(笑)

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(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。