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TRAVELER'S movie アーカイブ

2008年2月25日

ライフ・アクアティック


TSUTAYAの半額セールがあったので、DVDを借りて来ました。

ウェス・アンダーソン監督の「ライフ・アクアティック」です。


時代遅れの冒険・海洋ドキュメンタリー映画を製作している主人公たちが、

最後の作品と覚悟を決めて、探査船に乗り航海に出ます。

海賊が出てきたり、部下の謀反にあったり、いろいろ事件が発生するなかで

なんとか作品を完成させ、主人公が失いかけた自信を取り戻していくという

話です。

ハラハラドキドキの冒険活劇ではなく、どこかゆるい感じのほのぼのした

トーンの映画です。

愛すべきキャラクターの登場人物、どこかノスタルジックで不思議な独特の

世界観に引き込まれて、見終わったあとには温かい気持ちになれる映画です。


現実にあり得ない作り物っぽさのある世界なのですが、その作り込み方が半端

ではなく、逆に不思議なリアリティを感じさせます。

映画で流れるポルトガル語で歌われるデビット・ボウイの名曲群も映画の雰囲

気を盛り上げます。

やっぱり、映画っていいですね。

 

「ライフ・アクアティック」公式サイト 

 

 

 

 

 

 

 

2008年2月29日

PARIS TEXAS

 

一昨日映画について書きましたが、

映画と言えばやっぱりこれなんです。一番好きな映画。

 

 


まず、最初のシーンからぐっときます。

クレジットが流されるなか、ライ・クーダーのスライドギターの音が

聴こえてくる。

タイトルのPARIS TEXASの文字が消えるとアメリカの南部の荒涼と

した砂漠の風景。そこに男がひとり歩いています。

薄汚れた野球帽と埃まみれのスーツのアンバランスないでたち。

手に持っている大きなプラスチックのボトルの水を飲み干し、それを

投げ捨てまた歩く。それをオオワシが眺めている。

それだけで、この男がたどってきた悲しい歴史を感じさせます。




ほんとうに素晴らしい映画です。

美しい映像と音楽、男女や親子の愛、そして、旅立たずにはいられない

男の孤独感。とにかく旅が好きな人には見てほしい映画です。



余談ですが、私の好きなバンドのひとつTRAVISはこの映画の主人公の

名前から付けられたそうです。さらに余談で、この映画のナスターシャ

・キンスキーはぞくっとするほど美しいです。

 

 

2008年3月 8日

ダージリン急行

本日、映画「ダージリン急行」が公開です。

公開前の試写会で見る機会があったのですが、とても素敵な映画でした

ので、こちらで紹介したいと思います。 

 

疎遠だった兄弟3人が、長男の呼びかけでインド横断の列車の旅をする

ことなり、そこでのスピリチャルな経験を通して、失いかけた生きる意

味みたいなものを取り戻していく・・・という典型的なロードムービー

です。


インドの妖しく混沌とした風景、そこを走るダージリン急行の緻密に作

り込まれたインテリア、個性的で愛すべきキャラクター、そして、全編

で流れるキンクスやストーンズの曲。

もう始まった瞬間から映画の中に引き込まれて、出演者と一緒にインド

を旅しているような気分になります。

そして、見終わったあとには、幸せな気持ちになると同時に、忘れかけ

ていた何かをまた始めようかなというポジティブな気分になれます。


私がかつてインドに行った時に乗った電車は2等寝台で、この映画のよ

うな優雅な旅ではありませんでした。

この3兄弟の旅の仕方が独特で、トラベラーズとしてはこれもまた見所。

彼らは、革製の素敵なトランクをいくつも抱えて旅をします。

豪華な列車の個室にはiPodをスピーカーにセットして同じ曲を流したり、

ロウソクの火をいくつも灯し、空間を彼らの居心地の良い場所に変えて

しまいます。

さらには、彼ら自身の旅程表を印刷するために、パソコンとプリンター

を持ち歩いてたりします。

ちょっとしたことにこだわるが故に、たくさんの荷物を抱えて旅をする

姿は荷物を減らすことを良しとしてきた、旅人には新鮮で新しいヒント

を与えてくれると思います。

(トラベラーズノートの使い方のヒントにもなりそう。)


ちなみにこの映画の監督ウェス・アンダーソン、1969年生まれで私

と同じ歳でした。すごい監督です。

 

まずは、こちらの公式ホームページの予告編だけでも見てください!

     ↓

http://microsites2.foxinternational.com/jp/darjeeling/


あと、キンクスのこのアルバムの何曲か重要なシーンで流れてきます。

このアルバムも良いですよ。




下は英語版公式サイトです。

 

2008年3月17日

ジプシー・キャラバン


先週のことですが、映画「ジプシー・キャラバン」を見てきました。

 

インドに起源を持ちヨーロッパ各地に散らばっている流浪の民ジプシー

(ロマ)は、それぞれの国の音楽を取り入れながら、ジプシーとしての

アイデンティティを強く持つ独自の音楽を作り上げています。

その中で、スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの4つの国のバ

ンドが一緒にアメリカをツアーで廻る様子を追ったドキュメンタリー映

画です。

 

スペインのフラメンコ以外は初めてきちんと耳にする音楽でしたが、強

い意志を感じるすばらしい音楽でした。

音楽とともに、彼らの生き方や歴史を教えてくれる感動的な映画です。

 

「ジプシー・キャラバン公式ホームページ」 

http://www.uplink.co.jp/gypsycaravan/


「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のジプシー音楽版といった感じ。


 

話変わりますが、チベットで暴動が起こっています。

昨年、青蔵鉄道が開通し観光客が増えているようですが、それと同時に

中国資本と漢民族がさらに大規模に入り込んでいること、それに北京オ

リンピックの開催などが絡んでいるのでしょうか。

いずれにしても、チベットは独自の文化を持った人々が住んでいる歴史

ある場所です。

その文化と人々の自由を尊重する方向での、平和的な決着を祈るのみで

す。


 

 

 

Amazon.co.jp ウィジェット

2008年4月 5日

トップ画像2


今日は前に紹介したトラベラーズノートHPのトップ画像の内、さらに

別の2枚をご紹介します。下の2枚はどちらも香港で撮影しました。


まず1枚目。こちらは香港島のアンティークショップが集まっているエ

リア、キャットストリートの店先で撮りました。

無造作に置かれた古銭や絵はがき。古っぽく印刷されたフェイクの古ハ

ガキの中にまじって、戦前のハガキが売っていたりします。

トラベラーズノートをそんな商品の上に置いて、写真を撮っていても興

味なさそうにしている、そんな商売っ気のない店主のお店でした。

 

 

 

 

続いて2枚目。

こちらは、九龍(カオルン)サイドの旺角(モンコック)の路地裏で撮

影しました。

撮影したのは朝早い時間だっため、きれいに片付けられていますが、夜

は食べカス、ビニール袋、新聞紙などゴミにあふれ、妖しい雰囲気に変

わります。

旺角は、香港の路地裏の生活を綴った映画「リトル・チュン」と「ドリ

アンドリアン」の舞台になった場所でもあります。

どちらも、中国本土からやってきた人と香港人との交流を描いた映画で

す。この写真のような路地裏を闊歩し、貧しくても力強く生きる人たち

の悲哀を感じさせる映画です。

香港に行く予定の方には、「恋する惑星」とともにおすすめの映画です。

  

 

 

 

2008年4月 8日

映画「めがね」


DVDで映画「めがね」を見ました。

どこかの南の島を舞台にしたのんびりゆったりした映画です。


ふらりと島にやってきた小林聡美さん演じる主人公が、最初は違和感を

感じる島のスローで不思議なトーンに少しずつなじんでいく様子が、大

きな事件もなく淡々と描かれています。


同スタッフで作られた「かもめ食堂」もそんなのんびりした映画でした

が、「めがね」はもっと何も起きません。


海をぼ~っと眺める姿、新鮮な食材で作られた美味しそうなご飯をムシ

ャムシャ食べる姿、あまり上手ではないマンドリンを弾く姿、そして、

変な踊りを踊っている姿などが流れるだけです。

あまりに何も起きず、私は不覚にも2回途中で眠ってしまいました。


何もせずぼ~っとする事をこの島では、「たそがれる」と言い、毎日の

生活の中の大切な時間と考えています。


そういえば、旅先でも、毎日の生活のなかでも、そんな「たそがれる」

時間忘れてたなあ~。

 

ほんとうの「豊かさ」とか「自由」を思い出させてくれる素敵な映画で

した。

 
 
 

2008年4月 9日

ボーリング

 

今日は、ボーリング大会。

一年で唯一ボーリングをする日です。

成績?

いつものことながらさんざんな結果でした。

 

 

 

ボーリングが出てくる映画を2本。

「バッファロー'66」

主演のヴィンセント・ギャロが深夜のボーリング場で淡々とストライクを

とる姿が印象的です。


「ボウリング・フォー・コロンバイン」

マイケル・ムーアのアメリカで起きた高校生による銃乱射事件をテーマに

たドキュメンタリー映画。その高校生が無差別殺人の事件を犯す日の朝、

ボーリングに興じていた事を伝えています。


そういえば、どちらの映画も、殺人犯がその犯罪を犯す姿との対照的な行動

としてボーリングをする姿を描いています。

アメリカでは、ボーリングにそんなイメージがあるのかなあ・・・。

 

 

2008年5月 7日

After The Goldenweek


ゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか?

長期休めた方々は、海外など遠くに行かれた人も多かったと思います。

わたしは、近場で過ごしました。家族と行った高尾山が一番の遠出。

近くでも遠くでも、旅の思い出はぜひ、ポストカードキャンペーンに送っ

てください!


ゴールデンウィーク中に見た映画を2本。


マイ・ブルーベリー・ナイツ

香港出身のウォン・カーウァイ監督が、アメリカを舞台にして撮影したと

いうことで、気になっていた映画。監督らしい美しく枯れた映像と主演の

ノラ・ジョーンズをはじめキャットパワーやライ・クーダー、オーティス

・レディングなどの音楽で、気持ちよく見られる映画でした。

前作の「2046」は正直よく分からなかったのですが、こちらは王道な

感じ。

アメリカのダイナーやカフェの雰囲気がたまらなくかっこいいです。


アイム・ノット・ゼア

ボブ・ディランという人物を、6人の俳優が別々のキャラクターを演じな

がら表現していくという、ちょっと変わった映画。

ミュージシャン、詩人としての姿、そして、悩める少年時代から結婚して

家族との生活など様々な面をコラージュするように繋ぎ合わせて、一人の

人間の中にある多面性を描いています。ボブ・ディランが好きでないとち

ょっと辛い映画だと思いますが、好きなら楽しめる映画だと思います。

10年くらい前、ボブ・ディランの来日公演を見たときに、Like a rolling

stoneやKnocking on the heaven's doorなどの名曲を思いっきり崩し、

違う曲のように歌って、こっちが歌に入り込んでいこうとするのをかわさ

れたを思い出しました。


どちらも、旅を感じさせてくれる映画です。

 

私は、明日から中国出張です。

休み明け、明日からお仕事や学校の方が多いと思いますが、がんばりましょう!

(あ、日付上は今日ですね。)

 

 

 

2008年7月24日

Midnight Express


 

暑い日が続きます。

今日も何回も「暑い」という言葉を口にしてしまいました。

 

暑い夏を涼しくする方法として、怪談やホラー映画を見るということが

ありますが、正直言うとその手のものは苦手です。

映画は好きですが、ホラーや猟奇的なものはほとんど見ません。

なんで好き好んでお金を払って怖いものを見ようとするのか、まったく

理解できません。

 

とか書いておきながら・・・。

旅が好きで、怖い映画も好きな人におすすめの映画を紹介します。

「ミッドナイト・エクスプレス」

 

トルコのイスタンブール空港から帰国の際、大麻を持ち出そうとして

捕まってしまったアメリカ青年のお話で、実話をもとにした映画。

 

トルコの刑務所の中、劣悪な環境に押し込められて、看守にいたぶられ

る生活。さらに、刑期はどんどん引き延ばされる絶望的な状況で人間と

しての尊厳が失われていく過程をリアルに描いています。

 

後半、刑務所内で自分を失ってしまっている囚人達が、目の焦点が定ま

らず、ぶつぶつ独り言をしゃべりながら、飽きる事なく円柱の周りをぐ

るぐる歩いているシーンは、正視できないくらい衝撃的でした。

 

先に書いたように怖い話は好きではないので、私は2度と見る気はあり

ません。しかし、旅人がいつ遭遇しないとも限らない悲惨な状況を描い

た映画なので、旅好きの人は1度は見ておいても良いかもしれません。

でも怖いです。

 

沢木耕太郎の「深夜特急」のタイトルは、この映画からきています。

 

 

2008年9月 8日

Greetings from Fairbanks!


ジョン・クラワカー著作のノンフィクション「荒野へ」を映画化した

「イントゥ・ザ・ワイルド」を観に行きました。

久しぶりの直球のロードムービー。


若者が生きる事に対し真摯であるが故に、ストイックな旅に出るのは、

このブログを読んでくれる方なら理解できることだと思います。

「イントゥ・ザ・ワイルド」は、主人公が厳しい荒野に自分を追い込

んでいく旅の過程を描いた映画です。


厳しいアラスカの大自然の中を旅する映像は、そこが非情で厳しい場

所であるからこそ、気高く美しく描かれている。

旅の意味をあらためて考えさせてくれる映画です。


この原作、ここでもセレクトしていました。

もう一度読み返してみようかな。

 

「イントゥ・ザ・ワイルド」オフィシャルサイト

http://intothewild.jp/top.html 

 

2008年10月15日

BE KIND REWIND

 

映画「僕らのミライへ逆回転」(BE KIND REWIND)観ました。


小さな街の時代遅れのレンタルビデオ屋さん。

オーナーが旅行で不在中、あるトラブルで店内に磁気が発生してしまい、

すべてのビデオの内容が消えてしまいます。

そんななか、焦った店員とそのトラブルの張本人が自分達の自作自演の手

作りで「ゴーストバスターズ」や「ロボコップ」、「2001年宇宙の旅」

などの作品をリメイクしていく。


そんな筋書きを知って、ずっと見たいと思っていた映画です。

少々強引なストーリー展開ではありますが、チープで手作りだけどアイデ

アいっぱいの衣装や特撮でハリウッド映画をリメイクする映像は笑えます

し、映画や音楽に対する愛情が満載の映画です。


巨大産業化し、テクノロジーや著名な原作や俳優に頼る最近のアメリカ映

画界への強烈なアンチテーゼにもなっています。

創造力と思いがあれば誰でも素敵な作品が作れるチャンスがある、そんな

気持ちにさせてくれる映画です。


 

ただ、なんでこの邦題なんだろう。

原題のBE KIND REWINDはビデオテープを貸し出す際の決まり文句で巻き

戻ししてお返しくださいね。という意味。

映画を観てもその邦題の意味がよく分からなかったし、あまりカッコイイ

とは言えない題名だし・・・。


それはそれとして、素直に笑えて心温まる良い映画です。

 

2008年12月25日

TRAVELER' S notebook will set us free.


映画「あの頃ペニーレインと」の中のシーン。


厳格な母親と暮らす姉弟。

自由奔放な性格の姉は、息が詰まるその家から出て行くことを決めます。

そのとき、家に残るまだ小さい弟に向けて言います。


One day you will be cool.

Look under your bed, it'll set you free.

いつかあなたも目覚めるわよ。

ベッドの下を探してみて。あなたに自由を教えてくれるわ。


そして、ベットの下で弟が見つけたのは、たくさんのロックの名盤。

ビーチボーイス、ローリングストーンズ、ツェッペリン、ジミヘン、

クリーム、ジョニ・ミッチェル、ボブ・ディラン...

アルバムをわくわくした表情でめくっていき、フーの「トミー」を開

いたとき、姉のメッセージが書かれた紙を見つけます。


Listen to Tommy with a candle burning

and you will see entire future.

ロウソクをつけて「トミー」を聴くと未来の果てが見えるわ。


そして、緊張した面持ちでレコードの針を落とし、ロウソクに火を灯

します。


少年が新しい世界に出会う瞬間を見事に描いた場面で、とても素敵な

シーンです。

 

こんな素敵な演出はなかったとしても、自分にも新しい世界との出会

いに胸が高鳴った記憶はたくさんあります。

出会った瞬間、凄いことが始まりそうでわくわくして、不思議な力を

手に入れたような気分になって、未来に希望が持てるようになる。

 

そんな出会いの数々が今の自分の価値観を作ってきました。


その瞬間は決して少年の頃だけでなく、今でも味わうことができます。

今年も、素敵な本、音楽、旅、お店、モノ、そして人々に出会うこと

ができました。


そんな出会いに感謝をしつつ、逆にどれだけのわくわくを人に与える

ことが出来たかなと考えたりもします。


例えばロックが僕に与えてくれたような、胸の高鳴りや感動、未来へ

の希望を誰かに与えることができる、そういうモノやコトを作ってい

くことが目下の僕の夢。

トラベラーズノートと一緒だったら何かできそうな気がします。


One day, we will be cool.

TRAVELER' S notebook will set us free.

 

 

2009年4月23日

Slumdog Millionaire

 

インドに行った時、何よりショッキングだったのは

街中で見かける物乞いの人達でした。


繁華街や駅、観光地など人が集まる場所を歩くと、

痩せ細った老女が赤ちゃんを抱きながら手を差し

出してきたり、ボロをまとった小さな女の子が

後ろから洋服のすそを引っ張ってきたりする

物乞いに必ずと言っていいほど出会いました。


さらに衝撃的だったのは、病気や怪我などで

傷付いた体で憐みを誘おうとする物乞いです。

 

駅のホームいると、何かの病気で足が潜水用の足ひれ

のように肥大化した少年が、走って追いかけてくる。

電車が駅に止まると、窓から小銭がのった指がない

手を差し出してくる。

さらには、強烈だったのは、器用にムチで自分の体

を自分で打ち付けている少年。

そんな光景に出会うと、直視できず思わず目を

背けざるを得ませんでした。


もう一つインドで印象的だったのは、人々の押しの強さ。

駅を降りると沢山のリキシャやタクシーの運転手に

囲まれるのは、他の国でもよくあることですが、

とにかく押しが強くしつこい。

普通に乗りたい時でも運転手を決めるのに一苦労。

そして、なんとか乗ることができたら、今度は

望んでいる場所まで連れて行ってもらうのが大変。

ホテルの名を言うと、そこは潰れたとか高いとか

難癖をつけて、自分がコミッションをもらえる

ホテルに連れて行こうとします。

辿り着いても、乗る前に決めた値段より高いお金を

請求してくるので、値段交渉をもう一度しなければなりません。

その強烈な押しの強さに慣れるまでは、

ちょっとした移動でも疲れ切ってしまいました。


物乞いや運転手たちを見て思ったのは、生きること

への耐性の強さ。

日本で衣食住を保証されたのんびりとした学生生活を

送っていた私にとっては、そのパワーに圧倒され続ける旅でした。


・・・・・・・・


ロック映画の名作のひとつ「トレインスポッティング」

の監督ダニー・ボイルが、インドを舞台に撮った映画。

さらに、今年のアカデミー賞最多受賞という話題の映画

でもある「スラムドッグ$ミリオネア」を見に行きました。


スラム出身の若者がクイズ番組で次々と問題を解いていく、

そして、その答えがかつての過酷な生活の中にあったとして

回想シーンになり、クイズ番組の場面と交互に映し出されていきます。

 

ムンバイのスラム街の少年が悲惨な辛い状況のなかで

したたかに生きていく姿を、エンターテイメントとして

王道のストーリー展開とともに見事に描いています。


イスラム教とヒンズー教の対立、貧困、差別、虐待など

インドが抱える暗い問題を描いていますが、その登場人物

たちは、悲惨な状況でもとにかくパワフル。

生きることにひたむきな姿は、とても美しく感動的です。


今思うと、インドの旅で感じた人々の生きるパワー

の強さは、今でも私の心に大きな影響を与えてくれている

のかもしれません。

 

2009年6月29日

MW

 

 

 

こちらで既に紹介していますが、

トラベラーズノートが出演している映画

「MW -ムウ-」の試写会に行ってきました。


ムウは、手塚作品の中でもちょっと異色で、

他の作品にもよく見られるテーマである、生命の

尊厳や反戦のメッセージを、残酷な暴力シーンや

過激な性の描写とともに、逆説的に悪の方面から

描いています。


ムウを初めて読んだのは、大学生の頃でした。

小学生の時にブラックジャックや火の鳥を読んで

以来、ずっと手塚作品のファンだった私にとって

その作品はかなり衝撃的だったの覚えています。


同時に、手塚ワールドの奥行きの深さに感動し、

その後、きりひと讃歌、奇子、アドルフに告ぐなど

の大人向けの作品にはまっていきました。 


映画化にあたって、原作にあった過激なシーン

はかなり薄められていて、その分映画ならではの

演出がなされています。

そんな中でも主演の玉木宏氏は原作の主人公の

狂気のイメージをしっかり再現していました。


で、トラベラーズノートももちろん登場しています!

ネタバレになってしまうので、詳しいことは

書けませんが、物語進行上の重要なキーアイテム

として何度も登場しています。


実はこのノート、撮影後、お貸ししていたノート

を返却していただき、会社にあるのですが、

お渡しした新品が、何十年もの時を経たかのような

姿になって帰ってきました。


プロのスタッフの方が施したと思われるエイジング

加工はさすがです。


後日、その古ぼけた出演後のトラベラーズノート

も詳しくこちらで紹介したいと思います。


「MW-ムウ-」は7月4日より公開です。

 

 

 


2009年9月18日

深夜のクリント・イーストウッド


最近はDVDやビデオに変わってしまいましたが、

昔は休日前の深夜にテレビで流れている映画を

だらだらと見ているのが好きでした。


その頃、深夜枠でよく放映されたのは

もちろん話題の最新作ではなく、既にテレビで

何度も放送された70年代のアメリカ映画。


ヒッチコックのサスペンス、イージーライダーや

スケアクロウなどのニューシネマとあわせて、

深夜枠の定番のひとつが70年代の

クリント・イーストウッドの出演作でした。


ダーティハリーなどで見られるアメリカ70年代の

都会の生活を映した枯れた感じの映像。

その危険で怪しい雰囲気がかっこ良く見えました。


錆びが所々にあるアメ車で乗りつけて入る

ダイナーやモーテル。

雑然としたオフィスで罵りあう上司と部下。

捜査のなかでいつも訪れる場末の娼婦街や

半裸の女性が踊るバー。


そこに漂う退廃的な雰囲気は、アメリカ社会の

奥深い裏側を感じさせ、クリント・イーストウッド

演じる主人公は、そんな社会で生きる大人の男の

流儀を教えてくれたような気がします。

彼の役どころは、いつも男の美学を貫き通す

アメリカの良心のような存在でした。

彼の出演作品でもっとも好きな映画のひとつ

サンダーボルトで、犯罪者の役を演じた時でさえ

そうでした。


クリント・イーストウッドの最新作グラントリノ

では、彼の美学は極限まで研ぎ澄まされて私達に

強烈なメッセージを訴えかけてきます。


舞台はアメリカのデトロイト、

昔気質の頑固さで息子や孫たちからは疎まれている

クリント・イーストウッド演じる老人は、

妻に先立たれ、フォード70年代の車グラントリノ

を眺めながら、夕暮れ時にひとりでビールを

飲むような生活をしている。


そんな彼が、隣家の東南アジア少数民族出身の

無職の青年と触れ合い、彼を一人前の男にしようと

することに、ちょっとした生き甲斐を感じ始める。


そして、ある事件に巻き込まれていくなかで

身をもって彼流の男の美学を教え込んでいく。

そんな彼の生き様は、その青年だけでなく

見ている私たちにも、男が持つべき究極の美学を

教えてくれます。


もうすぐシルバーウィーク、秋の夜長に

DVDで見るのに、おすすめの映画です。

 
 
 

2009年10月 5日

旅人の視点

 

 


ジム・ジャームッシュ監督の新作

「リミッツ・オブ・コントロール」は、

美しく刺激的な視点で切り取られた映像が

魅力の映画でした。

彼特有のストイックに物語性を排除した乾いた

映像で、スペインの街が美しく描かれています。

ここでは、殺し屋が街を歩く姿もその場所の

日常のように風景に溶け込んでいます。

私たちは、登場人物に感情移入することなく

旅人のように傍観者としてその風景を眺めることで、

想像力を刺激されていきます。


ロード・ムービーとは、やはり旅人の視点を

思い出させてくれることがその大きな効用なの

かもしれません。


話変わって、

前に作ったデジカメ用の革ケースをなくして

しまいました。

しばらくは、ケースなしで使っていたのですが、

無造作に鞄に放り込んでいたりするので、

液晶画面に傷が付いたりしてしまいます。

致命傷になる前にと、新しいケースを作りました。


革は、前に手に入れた試作品用の余り革。

今回は本格的にホックも付けてみました。

なかなか良い感じに仕上がったと思います。

使い込んでいくうちにもっと味が出てくるのが

楽しみです。


お気に入りのケースに入れているだけで、

手に持って出かけたくなるし、良い写真が

撮れそうになるのが不思議です。

カメラもまた、旅人の視点を思い出せてくれる

道具なのです。

 

 

2010年4月13日

プール

 

 

 

遅ればせながら映画「プール」をDVDで見ました。

「かもめ食堂」「めがね」の制作スタッフによる

昨年公開されたチェンマイにある日本人オーナー

のゲストハウスを舞台にした映画です。


お客が全然来なくて、なんで経営成り立つんや、

とか、ちょっとワンパターン?などの突っ込み

どころはありますが、チェンマイを愛する私に

とっては、とても印象深い素敵な映画でした。


チェンマイには、人の心を自然と穏やかで

優しくする空気があります。

プールサイドのベッドに寝転びながら、

ゆらゆら揺れる水面に反射する太陽の光を

ぼんやりと眺める。


そんなことを思い出しながら、あの映像を

見ていると小林聡美さん演じる主人公が、娘

を祖母に押し付けてチェンマイでの暮らしを

選んだことも、その母親に会いに来た娘が

そこで暮らすうちに心を開いていくことも、

出てくる人達がみんな穏やかで優しい人ばかり

ということも、ぜんぶ素直に受け入れられます。


風のように軽やかな足取りで自分の好きなことに

流れていく主人公の生き方がなんだかとても

眩しく見えました。

私も流れる風のように生きていければいいのになあ。

 

 

 

2010年5月 7日

弦の錆びたギター

 

 

 

映画「ソラニン」を見に行きました。

子供たちが見に行くというので、なんとなく

一緒に行ったのですが、思いがけず感動して

しまいました。


簡単に言ってしまうと、ロック好きの若者達が

仕事も中途半端に、バンドをやっていて、

成功したいと思っているんだけど、結局うまく

いかず、その時の心の葛藤を描いた映画。


でも、その感じよく分かるんですよね。

私もバンドをやっていたし、実力がないのも

分かっていた。だから一度は止めてみたけど

仕事を始めたばかりの頃は未練がましく

ギターをいじってばかりいた。


仕事は仕事できちんとやって、趣味として

音楽をやればいいじゃんっていうことを

言う人もいますが、少なくともロックに

限って言えば、そういうものじゃない

ような気がします。


本気で表現に立ち向かうことがロックで

あれば、いつもそのことを第一に考えて

生きることと表現が直結していないと

いけないような気がしていました。

趣味として・・・なんてその時点でぜんぜん

ロックじゃないよな、なんて思っていた。


トラベラーズノートとその世界を作る時、

好きな音楽をつくるような気持ちでやって

みようと考えました。そして、その時

ギターが必要でなくなったような気がします。


今はまだその世界を作る途中。

バンドで言えばインディーズでアルバムを

何枚か作り、ライブハウス巡りをしている時

なのかな。

自分がほんとうに作りたい世界が出来上がった時、

自分が奏でたい音楽を鳴らすことが出来た時、

また、もう一度ギターを弾いてみたいなと

素直に思うのかもしれません。

 

 

 

2010年6月 3日

COFFEE AND CIGARETTES

 

 

 

コーヒー&シガレッツという

ジム・ジャームッシュ監督の映画があります。

ロベルト・ベニーニ、ケイト・ブランシェット、

ビル・マーレーなどが演じる一癖ある人たちが

ただコーヒーを飲みながらタバコを吸い、味の

ある会話をしているシーンが、オムニバス形式で

撮られている映画。


ミュージシャンも何人か出ていて、アメリカの

古色蒼然としたカフェで、トム・ウェイツと

イギー・ポップがかみ合わない話をする姿は、

憧れのロックレジェンドの隣の席に偶然居合わせ

しまったような気分にさせてくれます。


タバコが嫌いな方には、まったくもって迷惑な

話ですが、薄暗いカフェでコーヒーをちびちび

飲みながら、タバコを吹かし、仲間との会話を

楽しんだり、ひとり沈思黙考する時間が好き。


体には良くないと分かっているのですが、

話が盛り上がるほどに、知らずのうちにタバコの

本数が増えてしまうのです。


きっと、それが原因なのは分かっているのです。


先月のことですが年に一度の健康診断があり、

コレステロール値に中性脂肪、肝機能に血液値

などまったく問題ないのですが、唯一、胃に

問題がありそうだということで、要再検査という

結果になってしまいました。


という訳で、人生初の胃カメラを飲み込んで

きました。吐きそうになるのをなんとか

がんばって来ましたが、やっぱり辛い。

その結果は別に大きな問題はなかったのですが

慢性胃炎という診断を受けました。


そういえば、最近は胃が荒れ気味。

それが原因と分かっていながら、タバコと

コーヒーの黄金のコンビに手を出してしまいます。

 話したり、悩んだりしながら、だらだらと

惰性のように体に良くないタバコに火をつけて、

コーヒーを飲む。良い訳がありません。

でもカフェでみんなと話したい事はいっぱいあるし、

ひとり思い悩むような事柄もたくさんなのです。 

 

 

2011年1月17日

The Social Network


 

 

海外行きの飛行機に乗ったときの楽しみに

日本で公開前の洋画が見られることがあります。

先日の香港行きの際には、日本で公開直前だった

ソーシャル・ネットワーク」を見ることが

できました。


前に予告編を見たとき、聖歌隊のような歌声の

レイディオヘッドの名曲「クリープ」のカバーが

とても印象的で、気になっていた映画でした。


「ソーシャル・ネットワーク」は、世界最大の

SNSサイト、フェイスブックを創設したマーク・

ザッカーバーグを描いた映画。

ハーバード大学の学生だった主人公が、友人らと

一緒にフェイスブックを作り上げていき、さらに

仲間との確執やさまざまなトラブルを経験しながら

世界で最も若い億万長者となるまで成功していく。


いろいろな見方のできる映画だと思いますが

なにより感動したのは、主人公マークのフェイス

ブックへの強い情熱と愛情。

振られた女性に認めてもらうためとか、

権威的な人々に対する反骨精神、アイデアの借用、

裏切り、巨万の富など、彼の成功のさまざまな

要因が伏線として描かれていますが、あたらしい

何かを産み出し、それを育て上げていくには

何よりも作り手の一貫した強い想いが一番大事だ

ということを語っているように思いました。


なんとか収益を出そうと街を歩き、やっとの思いで

スポンサーを探してきた共同経営者の友人を、

主人公が広告を載せるなんてクールじゃないよと、

一蹴してしまうシーンが印象的でした。 


それにしてもネット業界のスピードの早さは

凄いですね。この映画の中の話だって、わずか

5年前の話。


新聞で見たのですが、数年前までSNSの覇者

といわれていたアメリカのマイスペースは

フェイスブックに押されて従業員の半数を

リストラするとのこと。

悪名高いナップスターの創業者も映画のなかで

重要な役割を果たしていたりしますが、それも

すっかり過去の話。


ネットをうまく利用しながらも、やっぱり

リアルで息の長い物づくりや人間関係を構築

していきたいなあとも考えたりしました。

 

 

2011年2月18日

TRAVELER'S record

 

 

 

実家をリフォームするというので、昔の部屋に

置きっぱなしにしてあったレコードとプレイヤー

を自宅に引き取ってきました。


20年ぶりに電源を入れ、アンプにケーブルを

つなぎ、ターンテーブルにレコードをのせて

針を落とす。すると、懐かしいパチパチという

レコード特有のノイズが鳴った後、ちゃんと

音が聴こえてきました。


いつものCDより温かい音のように聴こえるのは、

気のせいでしょうか。

30分弱で、A面とB面を引っくり返す面倒さも

一息いれるちょうど良いタイミング。

ミュージシャンもその切り替えを踏まえて曲順を

考えているので、アルバムの中での緩急が分かり

やすい。


今でも、ビートルズの「アビイロード」をiPodで

聴いていると、アイ・ウォント・ユーが終って

すぐに、ヒア・カム・ザ・サンが鳴りだすのに

ちょっとした違和感を感じます。


聴くまでにかかる手間と、A面、B面の区切りが

あることで、レコードの方が音にきちんと向き

合って聴いていたのかもしれません。


高校生の頃にはCDプレイヤーを手に入れている

ので、レコードで音楽を聴いたのはそれほど長い

期間ではありませんが、でも、レコードは少年期

に音楽と出合ったときの感動とともに、記憶に

刻まれています。

 

 

 

 

2011年2月25日

180° SOUTH

 

 

 

トラベラーズのデザイン担当ハシモトは大の

映画好き。ミニシアター系のマニアックなものから

大作までマメに映画館に足を運んで見ていて、

そのなかで私のツボにはまりそうな映画があると

教えてくれます。


180°South」は、ハシモトにすすめられて

見た映画。

アウトドアブランドのパタゴニアとノースフェイス

の創業者の2人が40年前に体験した人生最高の旅、

そして、その旅に感動した若者が同じ道程を

たどる旅。その2つの旅の映像がクロスオーバー

しながら、美しくも厳しい自然の中を旅していく

姿を映し出しています。


ヨットでの航海。アクシデントで寄港した

イースター島でサーフィンをしてすごす日々。

パタゴニア、コルコバド山の頂上をめざして歩く。

帰りの日程を決めずに赴くままに進み、留まり、

また進む。旅は雄大な大自然のなかをスローに

進みながら、旅と人生の意義を教えてくれます。


春が近付くにつれて暖かくなってきますが、

暖かくなると、やはり旅に出たくなります。


そうは言っても、じゃあどこか遠くに行って

みようか、なんてすぐに旅立てるなんて人は、

私も含めてあまりいないと思います。

そんな時に、旅をしている気分を抱かせて

くれるステキな映画。

ジャック・ジョンソンなどが参加している

音楽もスローな旅を心地よく演出しています。

 

 

2011年5月18日

手作りガイドブック

 

 

 

 

映画「エリザベスタウン」終盤のシーン。

ヒロインが思いを寄せている主人公の男は、

しばらく離れていた自分の家に戻ることを決める。

車で旅立つ男に向けて、女は地図やガイドを

貼り付けたスクラップ帳とCDを渡します。


スクラップ帳には、旅のルートを辿った地図、

お勧めの場所のリーフレットやポラロイド写真が

貼り付けられていて、さらに思い入れたっぷりの

コメントが手書きで添えられています。

CDをセットすると、ルートにあわせて彼女が

選曲した音楽が流れてきます。


男はCDを聴きながら車を運転し、スクラップ帳

のガイドにそって旅をすすめます。

メンフィスでは、彼女が世界一とすすめるチリ

ビーンズを食べ、プレスリーがレコーディング

したサン・スタジオやキング牧師が暗殺された

モーテルを訪ねます。


仕事で大きな失敗をし、さらに父親を失い

傷付いていた心は、アメリカの原点をめぐる旅

と音楽によって少しずつ癒されていきます。


カーステレオからトム・ペティーの弾き語りの

歌が流れるなか、まっすぐ続くアメリカの田舎道

を進んでいく。

のどかな風景を眺めながら、過去を振り返り、

見つめ直すことで本来の自分を取り戻していく。

そして、旅の最後に、自分にとってほんとうに

大切なものを見つけます。


音楽マニアのキャメロン・クロウ監督がきっと

楽しんで作ったであろうその映像は、

旅と音楽とノートがもたらす理想的なシーンを

演出しています。

(映画ではノートではなくて、いかにもアメリカ風

のバインダーですが)


この映画みたいに、ノートで誰か大切な人の

ために、世界にたった1冊しかないガイドブック

を作ってみるのもいいですね。

個人的な思い入れや主観たっぷりのパーソナルな

お勧めスポットをノートに綴る。他の人には特別

印象的でなくても、その人にとっては大切な

思い出だったり、深い意味があったりする場所。


作る人はそのノートを手にして旅をする人の

ことを思い、旅人はそこに書かれた気持ちを

想像しながら旅をする。そして旅をしながら、

間接的にその人とコミュニケートしていく。


そんなことを考えてみると、トラベラーズノート

に旅の記録を書くということは、未来の自分の

ためにガイドブックを作るということなのかも

しれません。

例えば10年後、書いた内容をすっかり忘れて

しまった頃、そのガイドブックにそって旅を

してみる。

書いた頃とは変わってしまった風景と自分自身。

ふと、ノートにある言葉と吹き抜ける風の匂いが

その時と変わらない自分の気持ちを思い出させて

くれる。

ノートによって過去の自分とコミュニケート

することで、旅はきっと大切なことを教えて

くれるはずです。

 

2011年9月14日

Ooh La La


 
 
映画「天才マックスの世界」は、ちょっと
変わった高校生が主人公の青春学園もの。

主人公マックスは、自分にはすごいことができると
思いながら、さまざまなことに手をつけます。
しかし、自己顕示欲が強すぎて、まわりの人と
うまく溶け込めなかったりして、いつも中途半端
で終ってしまう。

自分本位で理屈っぽい性格、その性格を強調する
ような冴えない風貌と常識はずれな行動は、最初は
見ている私たちにも、ちょっとした嫌悪感を
感じさせます。

しかし、主人公が年上の女教師に恋をして、彼女の
気をひくために、さらに行動がおかしくなってくる
あたりから、なんだか主人公が愛おしく感じる
ようになります。

繊細で不器用なのに自意識だけは強くて、自分を
どう表現したらいいのか分からずに、行動すれば
するほどぶざまで滑稽になってしまう。
彼のような行動力も度胸もなかったけど、自分の
思春期のもどかしく切ない記憶がフラッシュバック
してくるのです。

この映画の監督ウェス・アンダーソンの作品には、
ちょっと常識外れでいびつな性格の登場人物が
よく出てきます。
そんな彼らがその性格ゆえにドタバタと不思議な
行動をしながら、悩んだり、傷ついたりもするけど、
最後にはそのいびつさを含んだ人生すべてを
肯定してくれる。

一番大切なのは、自分らしくあること。

「天才マックスの世界」もまた、監督の作品に
一貫して流れるそのメッセージを伝えてくれる
素敵な映画です。

今日のBGMは、この映画の最後で印象的に
使われていたフェイセズの「Ooh La La」。

・・・
昔、おじいさんが教えてくれたのは、女の
扱い方について。
おまえは優しすぎるから気をつけろよって
言っていた。
だけど若かったから、
その言葉の意味も分からず笑っていた。
今、その意味が分かったよ。
もっと若い頃に知っていたかったな。
でも、結局自分で学び取らないと分からない
んだよね。それは本当に辛いことだけど。
・・・

ちょっと切ない青春映画にぴったりの歌詞ですね。

の発表をいたしました。
今年は海外からもたくさんの応募があったりして、
おかげさまで応募枚数がかなり増えました。
それぞれ個性的で素敵な作品ばかりで、作品を
見るのはとても楽しかったのですが、最終的に
80枚選ぶのはとても辛くて大変でした。
入賞作品は後日、ホームページ上に掲載いたし
ますので、楽しみにしてお待ちください。

2013年12月16日

ウォールフラワー

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週末、twitterでSSWの山田稔明さんが薦めて
いて気になっていた映画「ウォールフラワー
を見に行った。
「ライ麦畑でつかまえて」の再来と絶賛された
その原作は知らなかったのですが、舞台となった
90年前後の自分とクロスオーバーする主人公の
心の葛藤に、とても胸が熱くなる映画でした。

吉本隆明氏は、「この心の動きは俺だけにしか
わからない、あるいは俺しか体験したことがない」
と思わせるのが優れた作品であると、論じて
いますが、まさにそう思わせてくれる映画。

だって、映画で最初に流れる曲は、高校時代に
何度も聴いたザ・スミスの「アスリープ」で、
デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの
カモン・アイリーン」が流れてきた時は、
今はもう亡くなってしまった友人と彼の狭い
部屋で夜中に一緒に聴いたのを思い出して
思わず涙があふれてきたし、ヒロインが完璧な
曲と言ったデビット・ボウイの「ヒーローズ
も大好きな曲。

小説家志望の主人公に高校の先生が、ケルアック
の「路上」やソローの「森の生活」を課題
として読ませているのですが、そういえば、
ぼくも高校時代に先生に読んでみな、と言われて
「ライ麦畑でつかまえて」に出会ったんだよなあ。

ぼくも、この映画の登場人物たちのように、
思春期に音楽や本に救われ、その力で自分の
居場所や仲間を見つけることができた一人だけど、
それらの音楽や本は大人になった今でも大切な
もの。それは感傷とか思い出ではなくて、あの頃
より少しは器用に生きられているのかもしれない
けど、まだその力が必要で有効だから。

上記の曲や本が好きな人はもちろん、未知の
可能性を信じて、あきらめずに悩んだりしながら、
何かを成し遂げようとするすべての人にお薦めの
映画です。

話は変わりますが、先週より大阪の阪急うめだ
本店、8階 トラベル売場にて、トラベラーズ
ファクトリーのポップアップコーナー開催中です。
クリスマス直前の21日には同売場にて
カンバッジカスタマイズイベントを行います。
クリスマスにおすすめのデザインや関西限定
のデザインも登場予定です。
ぜひ、遊びに来てください。

また、同じ21日に京都恵文社で開催する山田
稔明さんのライブや庄野さん、デルベアさんなど
が集まるクリスマスイベントに参加します。
少しだけ商品も持って行く予定です。
こちらもよろしくお願いします。

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(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。