ストーリー
トラベラーズ ストーリー

旅を愛する人にとって、その道連れとなる道具はとても大切なものです。
旅立つ前に、持ち物の取捨選択をすることは、頭を悩ませる作業であると同時に、旅への思いを馳せる心躍る時間でもあります。
旅を重ねるごとに、使い込まれ身体の一部のようになっていく道具が増えていくことは、頭を悩ませる必要がない以上に、旅人にとって嬉しいことでもあります。
なるべく持ち物を少なくすることが旅の極意のように語られることが多いですが、旅に色を添える、使い込まれた道具が増えていくことは、旅を快適に過す大事な要素です。
また、それらの旅の道具を日常に持ち込むことで、旅するように毎日を過ごせたら素敵な事です。このノートが、そんな道具になれることを願っています。
このノートを作るきっかけとなったのも旅先での出会いからでした。
また、このノートと旅というキーワードが出会ったときに、一気にその世界観が拡がりイメージとなり膨らんでいきました。
あるアンケートで無人島に持っていくならどの本を持って行きますか?という質問に対し、ある小説家が、「無地のノートを持って行きます。そこに新しいストーリーを書くことで、無限に物語が生まれていくからです。」という素敵な答えをしていたのを何かで読んだ記憶があります。
私は小説家ではないので、無限の物語を生み出すことは出来ませんが、何かを書くことで、失われてしまう記憶や風景を残すことは出来ます。そんな気持ちでこのノートを使っています。
ここでは、トラベラーズノートを携えて歩いた旅の記録を記していきます。
トラベラーズノートが伝えたいのは、旅するように毎日を過ごして欲しいということ。
旅人の視点で見つめることで、なにげない日々の出会いや風景の中に新しい発見や感動を見つけることが出来ます。
ここでは、トラベラーズノートを携えて旅をする中で出会ったモノ、コト、ヒトについてのストーリーを綴っています。
014 台北 士林夜市
台湾には、日本のファッションや音楽、アニメなどが好きな若者たちのことを称する「哈日族(ハーリィズー)」という言葉があります。
Nさんは、まさしく哈日族と呼ぶにふさわしい日本好きの台湾人女性です。
高校を卒業し、働いてお金を貯めると、かねてからの目標であった日本への留学を実行しました。
013 ホーチミンシティ レックスホテル
学生のころデートといえば、もっぱら散歩でした。目的もなくただ歩き回ることに膨大な時間を費やしていたような気がします。
付き合い始めた頃は、ディズニーランドに行ったり、映画を見に行ったりしていましたが、そうそうお金も続きません。
しかし、時間だけはたっぷりあったので、街から街へぶらぶら歩くことで時間を消費していました。
012 パリ オコションドゥレ・カフェ
パリから日本に帰る日。ホテルの部屋で荷造りを終え、出発まで少し時間があったのでカフェへ行くことにしました。
ホテルの前にあるカフェのドアを開けると、女主人が「ボンジュール ムッシュ!」と明るく声をかけてくれます。
それに対し、「ボンジュール マダム」と自然に返事が出来るようになっただけで、少しだけパリが身近になりました。
011 ソウル 大元旅館前
Tくんは、学生時代に一緒にバンドを組んでいた仲間の一人です。
同じ学年でしたが、彼は2浪で年齢が2つ上だったため、なんとなく敬意を表し「くん」付けで呼んでいました。
音楽的な趣味が合い、お互いに本や旅が好きなこともあって自然と仲良くなっていきました。
010 那須 北温泉
北関東や東北地方には古くから続く温泉宿が多く残っています。
寂れた山奥のなかでひっそりと佇んでいるそんな温泉宿を見ると、とても懐かしい気持ちになります。
少し朽ちた壁や黒光りし歩くとみしみし音がする廊下。そこをぼんやりと照らす裸電球。
009 スペイン セビーリャ ホステリア・デル・ラウレル
スペインのセビーリャ駅を降りて、泊まる場所を探すために街を歩き回っていると、旧市街の路地裏に素敵なレストランを見つけました。
その奥は小さなホテルになっていて、値段を聞いてみると予算を少し超えていましたが、そのレストランに惹かれ泊まることを決めました。部屋に荷物を降ろし早速レストランへ。
008 LA サンタモニカビーチ
ニューヨークから飛行機で移動すると約6時間でロサンゼルスに着きます。
飛行機で移動するとその距離感を実感することは難しいですが、約4000キロ、東京からベトナムのホーチミンまでとほぼ同じ距離と考えると、その道のりの長さを少しだけ感覚として掴むことができます。
007 北海道 富良野
北海道はバイクに乗る人達にとって、特別な場所です。夏になると、渡り鳥のように多くのライダーたちがそこに向かいます。
オイルと海の生臭さの混じったフェリーの中から、少し緊張しながらゆっくりと大地にバイクを乗り出す瞬間は、なんともいえずわくわくしてきます。道に出て、ライダー同士がすれ違えば、必ず手をあげて挨拶を交わす。
006 トルコ サフランボル旧市街
中学生の頃、自分の周りではまだ海外旅行をする人はほとんどいませんでした。
そんな時代だったので、友人の家で見つけたJALの機内誌は、海外の匂いを感じさせてくれる珍しいものでした。
友人の父親がアメリカ出張に行った時に持ち帰ったという、その機内誌を読み漁っている私に、友人はあっさりそれを譲ってくれました。
005 ニューヨーク CBGB
ニューヨークで、ぜひ行きたい場所のひとつがライブハウスです。
そのライブハウスのなかでも、ロック系の老舗である「CBGB」に行くことが出来ました。
ここは、70年代ニューヨークパンクの全盛時代、ラモーンズ、テレビジョン、パティ・スミスなどが出演していた伝説的なライブハウス。
004 東京 スパイス・カフェ
小さい頃の遊びに、「旅ごっこ」というものがありました。
家の前の道をただひたすらまっすぐ歩いて、帰ってくるだけの遊びで、方向音痴の私でも迷子にならずに未知の場所に行けて、小さな冒険心を満たすことができました。そこで見たことのない公園や空き地を見つけることで胸がときめいたものでした。
003 中国 紹興のとある市場
チャン・イーモウ監督の映画「活きる」を見ると、中国の近代史がダイナミックに激動して行くさまをかいま見ることが出来ます。
人々が辮髪(べんぱつ)をしていた清の末期から、辛亥革命、日中戦争、国民党から共産党への政権交代、文化大革命、そして現在の経済成長。その短期間での激しい政治の動きは、そこで暮らす庶民の生活を翻弄してきました。
002 チェンマイ アマリリンカムホテル プールサイド
バンコクでは身体に絡み付くような熱気が、チェンマイに着くと少しやさしい空気に変わります。
タイ北方の山々に囲まれた高原の中心地にあり、古都として独特の芸術や文化を持つ街チェンマイはバンコクの喧騒の後に訪れると、より落ち着いた雰囲気を感じることが出来ます。
001 香港 重慶大厦(チョンキンマンション)
香港、九龍半島の中心部、尖沙咀(チムシャツイ)を歩くと、「ニセモノアルヨ」と声をかけられることが多いですが、声の密度が最も多くなる場所に、重慶大厦(チョンキンマンション)があります。
その声をかき分け薄暗いビルの中に入ると、両替屋や、インド系の雑貨屋やCDショップが集まり、カレーとお香の混ざった香りと相まって、独特のあやしい雰囲気を醸しだしています。














