TRAVELER'S notebook & company
トラベラーズノートと仲間たち

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ストーリー

トラベラーズ ストーリー

トラベラーズノートが伝えたいのは、旅するように毎日を過ごして欲しいということ。
旅人の視点で見つめることで、なにげない日々の出会いや風景の中に新しい発見や感動を見つけることが出来ます。
ここでは、トラベラーズノートを携えて旅をする中で出会ったモノ、コト、ヒトについてのストーリーを綴っています。

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004 東京 スパイス・カフェ

小さい頃の遊びに、「旅ごっこ」というものがありました。
家の前の道をただひたすらまっすぐ歩いて、帰ってくるだけの遊びで、方向音痴の私でも迷子にならずに未知の場所に行けて、小さな冒険心を満たすことができました。そこで見たことのない公園や空き地を見つけることで胸がときめいたものでした。
自転車を手に入れた後は、親も知らない秘密の場所を見つけるのが楽しく行動範囲が拡がっていきました。そうやって見つけた公園に友達を連れて行って、自分が発見したかのように教えては悦に入っていました。
そんな中で特にお気に入りの場所が、東京湾の近くのある公園でした。そこは、まだ未完成の公園で、裏の金網を抜けると土管や建築資材が転がる空き地になっていました。そのさらに奥へ行くと、東京湾に浮かぶタンカーの隙間からきれいな夕日を見ることができました。
なんとなく、この場所だけは、誰にも教えず、自分だけの場所として秘密にしておき、その後、中学・高校生になってからも、たまに訪ねていました。始めたばかりのタバコを吸いながら、お気に入りのロックを聴き、堤防に座って海を眺めている時間が好きでした。
いつしか、そこを訪ねることもなくなり、ある日突然思い立ち行ってみると、空き地はすべて整地され、ただの小奇麗な公園になっていました。さらに、その奥には大きなマンションが建ち、海への視界はふさがれていました。

旅に出る行為の大きな目的のひとつに、心地よく過ごせる大事な場所を見つけることがあるのは、小さいときの「旅ごっこ」と同じことを繰り返してるだけなのかもしれません。

この写真の撮影場所は、東京墨田区の下町で、古い木造アパートを改築して作られた趣のあるカフェ「スパイスカフェ」です。
裏通りの民家が並ぶなかにあり、看板がないと見落としてしまうくらい街に溶け込んでいますが、店の中に入るととてもなつかしく、かつ洗練された心地よい空間が広がっています。
ここのシェフは旅人として世界各国を歩き、料理の勉強をしたあとに生まれ故郷の場所で、仲間と協力し手作りでこの店を作り上げたそうです。そんなシェフの熱い思いがやさしく伝わってくる場所です。
その店名のとおりスパイスが効いているけれども、決して刺激が強すぎることのない深い味のカレーやソーセージは、このカフェの強い主張があるがさりげない、そして、洗練された店内のインテリアのイメージと見事に一致しています。
この店でコーヒーを飲む時間は、日常の生活のなかで忘れてしまった、旅にいる時間を思い出させてくれます。

ここは、筆者の自宅から自転車で10分の場所にありますが、旅心を感じさせてくれる心地よい場所が近くにあるのはうれしいことです。
ただし、最近は混んでいることが多くふらっと行くと入れないことが多いのはちょっと残念ですが…。

SPICE cafe
http://www.spicecafe.info/
1-6-10 Bunka Sumida-ku Tokyo, Japan

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