ストーリー
トラベラーズ ストーリー
トラベラーズノートが伝えたいのは、旅するように毎日を過ごして欲しいということ。
旅人の視点で見つめることで、なにげない日々の出会いや風景の中に新しい発見や感動を見つけることが出来ます。
ここでは、トラベラーズノートを携えて旅をする中で出会ったモノ、コト、ヒトについてのストーリーを綴っています。
007 北海道 富良野

北海道はバイクに乗る人達にとって、特別な場所です。夏になると、渡り鳥のように多くのライダーたちがそこに向かいます。
オイルと海の生臭さの混じったフェリーの中から、少し緊張しながらゆっくりと大地にバイクを乗り出す瞬間は、なんともいえずわくわくしてきます。道に出て、ライダー同士がすれ違えば、必ず手をあげて挨拶を交わす。本州にいるときは、照れくさいそんな行為が自然に出てしまうのは、北の大地の開放感からなのかもしれません。
苫小牧のフェリー埠頭を出ると、北海道のへそと呼ばれる富良野に向かいます。まずはそこまで走り、一泊して、事前の情報収集に加え、天気予報、現地の人の話、気分などで、どこへ向かうかを決めます。
富良野は、ご存知のように「北の国から」で有名な場所でもあるので、ゆかりの喫茶店や温泉に入り、気分を北海道モードへ変えていきます。
バイクは、車と違って外気に身を晒しながら走ります。そのため、さまざまなにおいを感じることが出来ます。
例えば、朝靄の中、少ししめった道路を走っていると牧草の青々とした匂いがあふれてきます。また、牛の群れに遭遇すると、その排泄物のにおいに襲われますが、それもまた北海道気分を盛り上げてくれます。
海の側では潮の香りが、温泉地では硫黄の香りが、その場所に近づいたことを教えてくれます。
また、同時に雨や寒さもダイレクトに伝わってきます。夏でも雨に当たられて長い時間走り続けると、体は震えるほど冷たくなります。
やっとの思いでドライブインに着き、両手で抱きかかえるように熱い缶コーヒーを飲んでいると、車の人たちはTシャツ一枚でアイスクリームを食べていたりする。それくらい体感温度が違うのです。そんな冷え切った状態で体中が硬くなりながらバイクを走らせている時には、暖かい温泉はオアシスです。
北海道では、無料の露天風呂が多いので、雨の日は、一日に何回も温泉に入り雨をやり過ごします。
体も温まり、雨雲が少し薄らいできたころ、ようやくバイクを走らせますが、まだ冷たい空気が体を突き刺します。
そんな中、なんとか峠を越えて下りの道に入ると、突然、雲が晴れ、その隙間から光が差し込むことがあります。
雨で濡れた路面が、太陽の光できらきらと反射し、雨が蒸発しているのを見ることができます。その瞬間に、今までの体を突き刺すような冷気が、暖かな暖気に変わります。
山の上から見える今向かっている場所が、スポットライトのように差し込む光を浴びて歓迎してくれるように見えます。そんな瞬間に、バイクの乗る人だけが知る何ものにも変えがたい喜びを味わうことが出来るのです。
中富良野森林キャンプ場
北海道空知郡中富良野町西1線北12号
