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土橋さんのオフィスへ行く

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先日、ステーショナリー ディレクターとして
活躍されている土橋正さんの事務所へお邪魔した。
土橋さんとはじめてお会いしたのは、もう14年前
の2005年、ISOTと呼ばれる文具の国際展示会の
会場だった。

この年、展示会に出展していたうちの会社の
ブース内では、トラベラーズノートが生まれる
きっかけとなったノートコンペが行われた。
新しい商品を生むきっかけになればと、
市場ニーズや競合商品、価格帯などマーケットの
事情に捉われずに、社内からアイデアを募り、
40種類のノートを会場に展示。
その人気投票とサンプルの販売を行ったのだ。
トラベラーズノートの原型となったノートが
そこに出展され、人気を得ることでその翌年に
実際に発売されることになった。
ちなみに、原型といっても仕様は、
今のトラベラーズノートとほとんど一緒で、
しおりの紐が付いていなくて、ゴムの結び目が
後ろではなくて前についていたことくらいしか
違いはなかった。
その時はトラベルジャーナルノートという名前で
出展していた。

そこに取材のためにブースに足を運んでくれた
土橋さんは、トラベルジャーナルノートに投票し、
サンプルも購入してくれた。
ちょうど会場にいた私が挨拶すると、
「これ、いいですよ。絶対に発売すべきですよ」
と言ってくれた。
土橋さんのその言葉にはとても勇気付けられ、
発売に向けて仕事を進めていく自信を与えてくれた。

その後も、発売までに何度か話をさせていただく
機会を作ってくれて、アドバイスもしてくれたし、
発売にあたり、ご厚意でメディアへリリースする
ための紹介文を書いていただいたりもした。
ちなみにその文章は、プロフェッショナルユーザー
の第1号として、現在も公式サイトに掲載している。
そういえば、僕が万年筆を使うようになったのも
土橋さんのコレクションを見せていただいたのが
きっかけだった。

そんなわけで、土橋さんはトラベラーズノートを
発売前から見出してくれて、その後もさまざまな
形でアシストしてくれている、私たちにとっては
とてもご恩のある方なのです。

先日、そんな土橋さんの事務所にはじめて
お邪魔することができた。
昨年伊東屋さんもオープンした横浜元町から
山下公園に向かって歩いて数分。1980年代に
建てられたビルの一角に事務所はあった。

白い壁に、テーブルや棚は白に統一された部屋。
仕事机には、マックのディプレイとキーボード、
そして自らプロデュースしたダイアリーと
ノートが一冊ずつ整然と置かれている。
仕事がはかどりそうな機能的な椅子と、
その横に休憩用の深めの座り心地のアームチェア。
そして、窓からは氷川丸が見える。
詳しい説明は土橋さんのサイトにあるので
こちらをご覧いただきたいと思いますが、
土橋さんらしく、無駄がいっさいなくシンプル
かつ機能的で美しい空間だった。
混沌とした魔窟のような自分たちの仕事机とは
まったく正反対で、とても感動した。

そんな中での土橋さんとのお話は、
お互いの近況報告からはじまり、最近の文具事情に
デザインのこと、さらにこれまでのことに
これからのことなど尽きることがなく、
暗くなると、事務所から歩いて数分の中華街にある
土橋さんおすすめの中華料理屋さんに場所を移して、
夜遅くまで続いた。

2005年にコンペ会場で土橋さんに
トラベラーズノートを見出してもらってから14年。
あれからトラベラーズノートは、
国内外でのイベントに、トラベラーズファクトリー
オープン、さまざまなブランドとのコラボレーション
など、いろいろなことがあったのと同じように、
土橋さんも本を何冊も出版したり、それが海外で
出版されたり、近年ではメーカーと一緒に
ステーショナリーの企画をしたりと、その仕事の
幅を広げています。

それぞれの14年を振り返りながら、
自分たちの原点をあらためて思い出すのと同時に
その根幹は今も変わっていないことに気づいた。

土橋さんは、2003年からpen-infoという
文具をテーマにしたサイトを運営しています。
ここを自らのホームグラウンドとして、
今も定期的に土橋さんならではの視点で、
文具やショップを紹介しています。
それらは、単に新商品や話題の店を紹介する
のではなく、むしろ忘れられてしまいそうな
定番商品の魅力を新たな視点で教えてくれたり、
メジャーなメディアでは紹介しないような
小さいけれど魅力的なお店を紹介しています。
どちらかといえばあまのじゃくなので...と言う
土橋さんの視点は、同じくあまのじゃくな傾向
のある私にとっても、とても楽しく読ませて
いただいている。
今回、それらのコンテンツができる過程や
そこへの思いを聞くことができて、サイトを
覗くのがさらに楽しみになった。

ぜひ皆様もチェックしてみてください。


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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。