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理想的永久コンビニ袋

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学生時代のこと。
RCサクセションのチャボを崇拝していたTくんは、
たいていよれよれの黒いジャケットか、
ラクダ色のカーディガンにブラックジーンズをはき、
手にはタワーレコードのCDサイズのビニール袋を
持って歩いていた。
服装は季節によって多少の変化があるけれど、
タワーレコードの袋はいつも変わらなかった。
チャボ以上に太宰治も崇拝する彼のその袋には、
ウォークマンと文庫本がいつも入っていた。
CDを買うと入れてくれるタワーレコードの袋は
持ち手もついていたし、確かにそれらを入れて
持ち歩くのにちょうど良いサイズでもあった。

大学を卒業してから5年後、
友人の結婚式で久しぶりに彼に会った時も、
期待通りタワーレコードの袋にウォークマンと
文庫本、さらにこの日は祝儀袋も入れてやってきた。

ちなみにTくんとは同じ学年だったけれど、
彼は2浪で年齢が2つ上だったため、なんとなく
敬意を表し「くん」付けで呼んでいた。
10年以上前に病気で若くしてこの世を去って
しまったのだけど、今でもTくんといえば、
黒っぽい服装に、黄色地に赤字のロゴが印刷された
タワーレコードのビニール袋を持っている姿が
頭に浮かんでくる。

Tくんの影響かどうかは分からないけど、
僕はコンビニの袋がけっこう好きで利用している。
特にあんパンと500mmlのペットボトル飲料を
買った時に入れてくれるような、小ささ目のサイズの
コンビニ袋がお気に入りだ。

例えば、東南アジアなどを旅していて、
ホテルの近くの屋台かローカルの食堂で軽く朝食を
食べようかという時。
トラベラーズノートにスマホとタバコを持って
出かけるのには、コンビニ袋が気軽でいい。
例えば、休日にタオルと髭剃りを持って銭湯に
出かける時もコンビニ袋がちょうどいい。
カバンの中にそのまま入れておけば、バックイン
バックとしても便利。
他の人に共感してもらえるかあまり自信はないけど
実はコンビニ袋は、かさばらなくて軽いし、
濡れないし、機能的の優れもののバッグでもあると
個人的には思っている。

ただコンビニ袋は薄すぎてすぐに破けてしまうし
なにより見栄えがよくない。
だから薄くて軽くて水を通さないという機能と形は
そのままで、もう少し丈夫で見栄えのよくて
長く使えるコンビニ袋があったらいいのになあ
と思っていた。

話は変わって、ちょうど一年前のこと。
毎年トラベラーズファクトリーでポップアップ
イベントを開催してくれているTO&FROの砂山さん
から、コラボレーションのお誘いをいただいた。

TO&FROは、国内外のアウトドアメーカーや
アパレルブランドに、長年生地を卸している石川県
の繊維メーカーが手がけるトラベルギアブランドで、
自社生産ならではの高機能のオリジナル生地を
使用しているのが特徴になっている。
例えば、オーガナイザーなどに使用している
ハミングバードという生地は、風になびくほど
薄くて軽く、シワにもなりにくく、触り心地も
やわらかく、さらに撥水性もあるという、
まさに繊維メーカーの技術の粋を極めた素材。
そのハミングバードをベースに、トラベラーズの
オリジナルカラーの生地を作り、さらにオリジナル
の形でポーチなどを作っていただけることになった。

アイテムとして、トラベラーズノートのレギュラー
サイズに、パスポートサイズがぴったり収納できる
オーガナイザー、そしてTO&FROの人気アイテム
でもあるマルチポーチと、オーガナイザーSサイズ
を作ることが決まった。

その打ち合わせの時に、ふとコンビニ袋のことを
思い出した。
風になびくほど薄くて軽くて、撥水性もあり、
さらに丈夫で触り心地もいい生地、といえば
自分が考える理想的なコンビニ袋にぴったりだった。
さっそく会社のゴミ箱を漁って見つけたコンビニ袋を
砂山さんに渡して、これを作ってくださいと伝えた。

使い古しのシワがついたコンビニ袋を差し出され
若干引き気味の表情を見せながらも砂山さんは
「わかりました」とまじめに応えてくれた。
その後何度か試作を繰り返し、今月トラベラーズ
ファクトリーで発売となったコンパクトバッグが
できあがった。

薄くて軽い生地は、折りたたむとびっくりするほど
コンパクトになって、トラベラーズノートの
ジッパーケースにも入ってしまう。
広げると、まさにコンビニ袋の形で、
トラベラーズノートに文庫本、スマホを入れて
でかけるのにぴったり。
さらに撥水性があるので、銭湯に行った時に
濡れたタオルを入れても大丈夫。
オリーブとブルーグレーのカラーの生地は、
手触りが心地よく、見た目もいい感じ。
あらぬ誤解を避けるため、コンパクトバックと
命名したけれど、個人的には
理想的永久コンビニ袋と呼んでいる。

今回のTO&FROとのコラボレーションアイテムは、
他にも超軽量でコンパクト、撥水性のある生地を
活かした便利な商品がたくさん登場しています。
個人的にはコンパクトバッグの他にトラベラーズ
ノートサイズのオーガナイザーも使っているけど、
生地が多少伸びるのでトラベラーズノートの他に
ぺンケースに水彩セットと老眼鏡を入れて、
お絵かき道具としてひとつにまとめて持ち歩いて
いる。

皆さまもお気に入りを探してみてください。


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コメント (3)

たなか:

TO&FRO 生地企画担当のたなかです。こちらこそ、コラボレーションありがとうございます。
今回ご使用頂いた生地はハミングバードの原型となった生地で自信作でございます。お色も素敵で、個人的に欲しい一品です。
末永くご愛用いただければ幸いです。
突然失礼いたしました。

Hide:

Tower Recordの袋はオシャレでしたよね〜。高校生の頃LP・・・若い人たちはLPで分かるだろうか(苦笑)、・・・を買うと入れてくれる袋を破けるまでサブバックとして使っていた記憶があります。袋の材質も年を追うごとに変わりましたよね?Tower Recordの袋の話はいつかストーリーで書こうと思っています。しかし、昔の輸入レコード屋さんの袋ってどれも個性的で格好良かったなぁ〜。

iijima:

たなかさま、ありがとうございます!
早速愛用させていただいてますが、手触りも良くコンパクトで、とても使いやすいです。今後もよろしくお願いします!

Hideさん、ありがとうございます。
私のレコード袋の原体験は、秋葉原の石丸電気でした。ミュージシャンのイラストが入った袋も好きだったなあ。

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(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。