« 京都まであと二ヶ月 | メイン | Factory Love »

誰もいない場所で出会った

20200225b.jpg


「やっぱりコーヒーには煙草がないと
寂しいじゃないですか」
カフェイベントのために、アアルトコーヒーの
庄野さんとトラベラーズファクトリーに来て
くれた三軒茶屋のカフェ、ニコラの曽根さんは、
店の裏で煙草を吹かしながら言った。
「そうそう。コーヒ&シガレットですよね」
僕も一緒に煙草を吸いながらそう答えた。

最近すっかり肩身の狭くなった喫煙者同士で
隠れるように煙草を吸っていると、放課後の
校舎の影で煙草を吸う高校生のような気分に
なって、それだけで親近感が湧いてくる。

曽根さんは、僕と同じようにお酒が苦手で、
そんな二人にとっては、コーヒーと煙草は
大人の嗜みとしてとても大切なものなのだ。
かつてコーヒーと煙草を覚えることで
大人になった気分を味わうことができたし、
それからずっと喫茶店で煙草を吸いながら
コーヒーを飲んで一人本を読んだり、
考え事をしたりするのは、心に安らぎを
与えてくれる大切な時間だった。
今でも僕らにとって、コーヒーと煙草は
切っても切り離せないような存在なのだけど、
今ではそれを同時に味わえる場所はとても
少なくなっている。
そんなこともあって曽根さんのカフェは、
吸わない人を気遣いならが、ゆるやかに分煙を
しながらも、あえて喫煙可能にしている。

もうすぐ都の条例が変わるため、
店内を喫煙可能にするには厳しい条件と面倒な
手続きが必要なんだけど、曽根さんはそれでも
喫煙可能にこだわって、これからも続けていく
そうだ。

「だって、煙草が吸えるカフェというだけで
今では貴重な存在でしょ」
曽根さんはそう言った。
また、ニコラでは現金しか使えない。
「今はどんどん便利になっていくけど、
あえてカードもスマホ決済もやらないでも、
ちゃんと生き残れることを証明したいんです」
そんなことを語る曽根さんは、
庄野さんの本のタイトルにあるように、
「誰もいない場所を探している」人だった。

トラベラーズファクトリーのイベントでは、
曽根さんは本格的なパスタを作ってくれて、
さらに奥様はタルトやバターサンドなどを
用意してくれた。
そして、アアルトコーヒーの庄野さんは、
いつものトラベラーズブレンドに加え、
バレンタインブレンドを淹れてくれた。

バレンタインブレンドという、とてもベタな
名前のブレンドをバレンタイン明けの翌週の
イベントのためにわざわざ焙煎して、
「世界最速のバレンタインブレンド」と
うそぶいて持ってくる庄野さんもまた
誰もいない場所を探す、生粋のひねくれ者だ。

そんなひねくれ者たちの作る料理とコーヒーは
すこぶる美味しかった。
僕もお昼ご飯に、パスタとイチゴのタルトに
バレンタインブレンドをいただいたのだけど、
とても美味しくて幸せな時間だったなあ。

イベントが終わると、トラベラーズファクトリー
の2階で打ち上げ。贅沢にもニコラの料理を肴に
お酒を飲んだ。

世の中の流れに抗うひねくれ者は、
見方を変えれば、自分たちの考えに忠実で
一貫性があるとも言えるし、一方で単に
みんなが右へ曲がろうとするとついつい左に
行きたくなってしまう天邪鬼とも言える。
同じようにひねくれ者気質がある僕らは、
彼らと同じように誰もいない場所を探している
つもりだし、やっぱりそういう人たちが
好きなんだなあ。

誰もいない場所を探している中で出会った、
心を通じ合える仲間たちとの打ち上げで
楽しい時間を過ごしながら、そんなことを
思った。


20200225c.jpg

20200225d.jpg

20200225a.jpg

コメント (2)

Hide:

当日コーヒーを美味しくいただきました。
誰もいない場所…誰も来ない場所…
誰もいない・来ない場所を探し当てたら同じ考えの人たちが次々に辿り着いて賑やかな場所になってしまった…。
自分以外何人も使っている人がいないだろうから好きだったトラベラーズノートが今やワールドワイド…あっ、晩酌が過ぎたかも(苦笑)。
これから誰もいない場所で眠ります(笑)。

iijima:

Hideさん、コメントありがとうございます。
「誰もいない・来ない場所を探し当てたら同じ考えの人たちが次々に辿り着いて賑やかな場所になった…」素敵じゃないですか!
仲間がいるから孤独も楽しむことができます。
そんなわけでこれからもよろしくお願いします~(笑)

コメントを投稿

2020年3月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

アーカイブ

店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。