« 夢のような2日間 | メイン | Hello, 2021 »

少年マガジンとクリスマスツリー

20201221ff.jpg


ノートバイキングイベントで京都へ行った際、
月に一度しかない開催日とたまたま重なっていた
ということで、平安蚤の市に立ち寄ってみた。
平安神宮前の広場に、たくさんの露店が連なり、
骨董品からガラクタまでさまざまな古いものが
玉石混淆となって並んでいて、眺めているだけで
ワクワクする。
その日は平日の午前中ということがあってか、
人もそれほど多くもなく、ゆったりした雰囲気で
宝探しをするように買い物を楽しんだ。

1969年11月9日発行の「週間少年マガジン」は、
そこで手に入れたもののひとつ。
1969年は自分が生まれた年でもあるし、
「巨人の星」と「あしたのジョー」が連載中で
(巨人の星は消える魔球、大リーグボール2号の
公式試合デビュー、あしたのジョーは矢吹丈と
力石徹との試合がいよいよマッチメイクされる
というシーンだった)、他の連載陣も永井豪に
石森章太郎、ジョージ秋山などそうそうたる
顔ぶれ、さらに状態もきれいで、
値段も思っていたより安かったこともあって、
迷わず手に入れることにした。
巨匠たちの漫画にはもちろん興味があったけど、
実はそれ以上に惹かれたのは、けっこう多くの
ページが割かれていた読み物のコーナーだった。

例えば「<全計画>世界の宇宙開発」。
発行時はアポロ11号の月面着陸の直後で
宇宙開発への夢と希望が溢れていた頃。
イラストとともに未来の宇宙開発計画を
解説している。
記事によると、1982年にはロケット発着場や
原子力発電所がある宇宙基地が月面に作られ
稼働していることになっている。
だけど、月面基地のみならずここで書かれている
すべての計画は2020年になってもいまだに
実現されていない。
やはりそう簡単に計画通りにはいかないもの
だなと、感慨深くなったりして、2020年の今
あらためて読むと、当時とはまた違った
面白さがあるのに気づく。

他にも「プロ野球速報:やったり金田400勝」、
「SF怪奇劇場:恐怖のブーメラン怪人」、
「雑学シリーズ:へんな学校<風呂学入門>」、
「星一徹のモーレツ人生相談」などなど、
連載漫画に劣らず量、質ともに充実している。
(すぐにちゃぶ台をひっくり返す星一徹なんて
人生相談に最も向いてなさそうだけど、
ここでは意外にやさしく丁寧に答えている)

そして、巻頭カラー特集は「ロボット帝国」。
アシモフなどの古典的なSF小説の挿絵を紹介
しながら、ロボットが人間を支配していく
不穏な未来を紹介している。
おどろおどろしいロボットのイラストに、
「ロボットにとらえられた人間の悲鳴が地上を
おおった」なんてテキストが添えられている。
そんな紙面を興味深く眺めながら、そういえば、
少年時代、この手のオカルトチックな怪奇ものや、
ディストピアな未来予測をけっこう読み漁って
いたのを思いだした。

今現在の状況も描きようによっては
かなり悲惨なディストピアとして伝えることが
できるんだろうな。ふとそんなことを思った。

「2020年、強い感染力を持つ疫病が世界中に
広がり、多くの死者がでた。
世界中の大都市では外出禁止令が発令され、
ずっと家に閉じこもり、テレビ電話を使って
仕事をすることが奨励された。
疫病不安もあって、世界各地で価値観や人種の
違いによる分断が深まり、罵り合いが至る所で
発生した」
そして、劇画調のタッチで、テレビ電話で仕事
をしている姿に、デモや暴動などのシーンが
おどろおどろしく描かれている。

少年時代にそんな紙面を見たら、
未来に暗澹たる気持ちになりそうだけど、
そんな世界でも楽しいことだってあるし、
人と触れ合い理解しあうことだってできるし、
ポジティブな変化を期待することだってできる
ということも教えてあげたい。

「2021年、ワクチンや治療方法、予防方法の
確立、集団免疫の獲得などにより、
疫病は少しずつその勢力を弱めていった。
だんだん世界旅行もできるようになり、
経済も復調、格差も縮んでいった。
疫病流行時の反省から、世界中で地球環境や
人権への意識が高まり、疫病流行をきっかけに
急速に発達した技術を活かしながら、同時に
それぞれが受け継いできた文化を見直し、
互いに尊重できるより良き世界を作ろうと
いう機運が高まっていった」

次のページをめくると、こんな未来が描かれて
いればいいなと思うけど、楽観的すぎるかな。

蚤の市では、他にもいろいろ練習用の
タイプライターや錆びついたツールボックス
などに加え、クリスマスツリーを手に入れた。
1950、60年代に輸出用として作られた
デッドストックで、味のあるデザインの箱に
収まり、ツリーにはMade In Japanと印字された
タグが付いている。

トラベラーズファクトリー京都に着いて、
ツリーを飾り付けると、箱とともにライブラリー
スペースに置いた。

もうすぐクリスマスですね。
今年はいろいろ大変だったと思いますが、
皆様にとって素敵なクリスマスになりますように。
そして2021年が素晴らしい1年でありますように。


20201221b.jpg

20201221c.jpg

20201221d.jpg

20201221ee.jpg

20201221a.jpg

コメント (2)

かず:

勝利のロボットは、クイーンのアルバム「世界に捧ぐ」のジャケットに描かれたロボットではないか!!
このイラストの作者は誰?

iijima:

かずさん、そうなんですよね。それで思わず写真をアップしました。誌面には出典元として『アスタウンディング・サイエンス・フィクション』としか書かれていませんでしたが、クイーンのアルバムジャケットについてはWikiに詳細が書かれていました。
ちなみに出典元が出版されたのが1953年、少年マガジンは1969年、クイーンの世界に捧ぐは1977年でした。

コメントを投稿

2021年1月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

アーカイブ

店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。