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サウンドトラックを聴く

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それらしい気分がほとんどなかった夏休みが
終わると、夏の日差しは少しずつ勢いを弱め、
秋の気配が近づいているのを感じるようになった。
毎年言っているような気がするけど、
僕はこの夏から秋に変わる時期が苦手だ。
例えば夕暮れ時、ふと吹き抜けていく風に
これまでのむせ返るような生ぬるさが影をひそめ、
ほのかに漂う冷気を感じるようになると、
涼しい風を心地よく感じる以上に、物寂しく
切ない気分がじわじわと心の中に広がってくる。
そんなメランコリックな気分を紛らわすように、
最近は映画のサウンドトラックをよく聴いている。

例えば『イージーライダー』のサウンドトラック。
ワイルドでいこう(Born To Be Wild)」を聴けば、
近所を自転車で走っていても、ハーレーを転がして、
アメリカの荒野を走っているような気分になれるし、
最後のロジャー・マッギンの「イージーライダーの
バラード
」まで聴けば、自由を求めた旅の行く末
までも追体験できる。

「川は流れていく。海に向かって流れていく。
 川がどこへ流れようと、俺は共に流れていたい。
 川は流れていく。流れる水で俺の汚れを洗い流し、
 どこか他の街へと連れていってくれないか。
 (イージーライダーのバラード)」

感傷的になりやすいこの季節にぴったりの歌詞だ。

物哀しい夕暮れ時には、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
サウンドトラックがいい。
映画音楽の巨匠と呼ばれたモリコーネによる哀愁を
感じるサントラを聴きながら、ロバート・デ・ニーロ
扮するギャング、ヌードルスの波乱万丈な生涯に
想いをはせると、自分の悩みなんてそれほど大した
ことがないように思えてくる。

家にいても、サウンドトラックを聴くだけで
旅気分に浸るのことができる。
『2001年宇宙の旅』の「美しく青きドナウ」を
聴けば、パンナムの宇宙船を思い出すし、
『スター・ウォーズ』のテーマソングを聴けば
きっと誰もがスター・デストロイヤーが周りの
戦闘機を蹴散らしながら、宇宙空間を進んでいく
シーンが頭に浮かぶはずだ。
僕は『ダージリン急行』の影響で、キンクスの
「This Time Tomorrow」を聴くと、
インドの駅で電車に飛び乗るような気分になるし、
『ライフ・アクアティック』の影響で、
シガーロスの「Staralfur」を聴くと、潜水艦で
深海を旅してジャガーザメに巡り合った気分になる。

さらにサウンドトラックは時間を超えた旅へと誘う。
ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」を
聴けば、少年時代の冒険気分を思い出すし、
ビー・ジーズの「メロディ・フェア」を聴けば、
幼い頃のほのかな恋心を思い出す。
ルネサンス期のイタリア、三国志の時代の中国、
西部開拓時代のアメリカに、戦国時代の日本、
さらに未来へだって想像の旅をすることができる。

映画のサウンドトラックを聴くだけで、
その映画のシーンが頭に浮かび、その時の感動や
興奮、ときめきまでも心によみがえってくる。
いつもだったら、夏から秋へと移り変わる季節は、
イベントなどでバタバタと忙しくしたり、
旅をしたりすることで憂鬱な気分で紛らわすのだけど、
旅もイベントもできない今は、サウンドトラックで
旅気分を感じるのもいいかもしれないな。

さて、先週インスタなどでお知らせしたように
『トラベラーズノート オフィシャルガイド』が
9月25日に発売になります。
そのいきさつや詳しい内容のことは、
後日ここでも書きたいと思うけど、書籍としては、
初めてトラベラーズノートの本が出版されるという
ことで、僕ら自身もワクワクしている。
たくさんの人の好きが詰まっていて、読んでいると
幸せな気持ちになれる本になっていると思っている
ので、ぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。
トラベラーズファクトリー店舗とオンラインショップ
でもこちらの本を販売しますが、ファクトリー限定の
ちょっとしたオマケもご用意しようと思っているので
あわせて楽しみにしていただけると嬉しいです。

また、今週水曜日、8月25日の夜に、
トラベラーズファクトリースタッフによる
インスタライブを開催します。
今回は、現在店頭やオンラインショップで展開中
の「フィルムカメラを楽しもう」をテーマに、
カメラ好きスタッフが登場し、いろいろ語って
くれる予定です。

さらに木曜日、8月26日には、毎年恒例の
2022年ダイアリーの情報を公式サイトにアップする
予定です。こちらもぜひ!


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コメント (2)

136(いちさんろく) :

同意です!
この時期はキライです。寒いのがキライだから冬が一番嫌いか、
と言われれば冬の次は春が来るので
だんだん寒くなる秋がキライです。
空と雲、木々の緑のコントラストがはっきりしたいい色味。
バナナ(食べ物全般ですが)が早く熟れるのと
生き物が生き生きしすぎる(蚊、ムカデ…)のが憂い。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、もちろん行きました。
初めて買ったCD。よくできたサントラです。

iijima:

136さん、ありがとうございます。
私も寒いのが嫌いなので、秋が好きではないのかもしれないですね。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は公開が1984年なので、ちょうどCDが普及し始めた頃。はじめてのCDというのも納得です。

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(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。