« 『トラベラーズノート オフィシャルガイド』 | メイン | 台湾ビール »

ファクトリーブレンド

20210926b.jpg


アアルトコーヒーの庄野さんからコーヒー豆の
サンプルが届いた。
10月にトラベラーズファクトリーが10周年を
迎えるにあたり、庄野さんに10周年ブレンドを
作って欲しいとお願いしたら、快く引き受けて
くれて、早速焙煎してくれたのだ。

定番のトラベラーズブレンドは、中深煎りで
やさしく柔らかい飲み口が特徴だけど、
新しいブレンドは10周年ということで、
時間の経過を感じる深煎りでとお願いしていた。
届いた豆は黒く艶が出ていて袋を開けると
深煎りらしいコーヒーの甘い香りを感じた。
早速、この日のためにミルからフィルターまで
コーヒー道具をオフィスまで持ってきてくれた
スタッフが豆を挽いて淹れてくれた。
ミルで挽いた粉をフィルターに落として
そこにゆっくりお湯を垂らすと小さな泡が
ぶくぶくと音を立てながら膨らんでいった。
もうそれだけで、このコーヒーが美味しいって
思えるような香りが広がった。

みんなで仕事の手を止めてコーヒーを飲んだ。
しっかり苦みがありながらもすっきりした飲み口で、
後味にほのかに甘味を感じ、しみじみと美味しい。
やっぱり自分は深煎りのコーヒーが好きだな
と思いながらゆっくりと味わった。
一緒にコーヒーを飲んでいたみんなも、
「いやー、美味しいですね〜」と口々に言った。
淹れたての美味しいコーヒーは、いつもの仕事の
時間にちょっとした優雅なひとときを与えてくれた。

ふと、レイモンド・カーヴァーの短編小説
「ささやかだけれど、役にたつこと」を思い出した。
小説の最後、大きな悲しみの中にある夫婦が、
パン屋の主人の差し出す焼き立てのパンを食べる
ことで、少しずつ落ち着きを取り戻していく。
もちろんそれで問題が解決するわけではないし、
悲しみが完全に癒やされるわけでもない。
だけどパンを黙々と食べ続けることで、
そんな中でもなんとか生きていくための活力を得る。
ささやかだけど、役にたつこと。
原題では、A Small, Good Thing。
日々の暮らしの中でコーヒーもそんな存在だし、
僕らが作るノートも誰かにとってそんな存在で
あれば嬉しいな。

新しいブレンドをすっかり気に入った僕らは、
もともと10周年記念ブレンドとして期間限定で
販売しようと思っていたけど、定番のコーヒーに
したいと思った。
新しいブレンドの名前の付け方は、
アアルトコーヒーのハウスブレンドにならって、
中深煎りのトラベラーズブレンドに対し、
深煎りの豆はファクトリーブレンドと名付けた。
アアルトコーヒーには、浅煎りのアアルトブレンド
と深煎りのアルヴァーブレンドがある。
アアルトが姓で名前がアルヴァー。
それにあてはめると、トラベラーズは姓で
ファクトリーは名みたいなもの。
なんとなく語感も深煎りっぽい感じがするし、
ファクトリーブレンドに決まった。
トラベラーズにとっては、庄野さんからの最高の
トラベラーズファクトリー10周年のプレゼントに
なった。

そんなわけで、
アアルトコーヒーのファクトリーブレンドは、
トラベラーズファクトリーが10周年を迎える
10月20日よりトラベラーズファクトリー各店に
お目見えする予定です。

正直に言えば、今回はたっぷり一杯分を飲めたわけ
じゃないし、早く自分用の豆を手に入れて、
改めてファクトリーブレンドを味わってみたい。
コーヒーは想像力を与えてくれる飲み物だ。
しみじみとトラベラーズファクトリーの10年間に
思いを馳せながら飲んでみるのもいいかもしれない。
思えば、トラベラーズファクトリーができるとき、
2階をカフェスペースのようにしたいと考えたのは
トラベラーズブレンドがあったからだし、
コロナのせいでしばらくできていないけど、
庄野さんに来てもらってのコーヒーイベントは
トラベラーズファクトリーの定番イベントみたいに
なっている。
そんな庄野さんが10周年を記念して焙煎してくれた
オリジナルブレンド。
皆さんもトラベラーズファクトリーやトラベラーズ
ノートと過ごしてきた日々を思いながら味わって
もらえたら嬉しいです。

10月はトラベラーズファクトリー10周年月間
ということで、さらに恒例の記念缶とあわせて、
いろいろ企画中です。
情報は、公式サイトやSNSで随時アップして
いきたいと思いますので、よろしくお願いします。

20210926a.jpg

コメントを投稿

2021年10月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

アーカイブ

店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。