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TEN NOTEBOOKS, TEN COLORS

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東京オペラシティーで開催中の和田誠展に
行ってきた。
幼少期のらくがきから高校時代の先生の似顔絵、
美大時代の作品、有名なハイライトのパッケージ、
数々の本の装丁、ポスター、似顔絵まで膨大な数の
作品が並んでいてとても楽しめた。

幼少期から亡くなるまでの作品を時系列で並べて
いるコーナーがあって、あの朗らかなユーモアと
シュールでブラックなセンスが両立したような
氏の独特のスタイルは、学生時代に制作した
『夜のマルグリット』という作品で既に完成され
ていたのがわかる。

もちろんそれ以降も新しい表現方法を取り入れ、
作品の幅は広がっていくのだけど、そこには和田誠
としか言いようがない独特の味やスタイルがずっと
変わらず貫かれている。
だから彼のイラストやデザインは、1960年代から
亡くなる2019年まで一貫して古びることがなく、
今も新鮮な驚きや感動を与えてくれる。

話は変わるけど、僕のバッグには
トラベラーズファクトリー1周年ロゴのカンバッジが
付いている。
ちょうど今10周年記念イベントのために、
各周年ロゴをデザインしたカンバッジを作っている
のだけど、それとはちょっとだけデザインが違う。
たぶん1周年を記念したイベント用に作ったのだと
思うのだけど、このバッジのことについては
トラベラーズファクトリーのサイトに記録もないし、
販売したのかノベルティー用に作ったのかもまったく
覚えていない。
もしかしたら、何かに使おうと思って橋本が
デザインをしてとりあえずカンバッジの見本を
作ってみたけど、タイミングが見つからずリリース
しないまま終わったのかもしれない。
(そういうものもいくつかあって、僕は密かに
B-Sides&Rarities のカンバッジを持っている)

ちなみに1周年ロゴのカンバッジの横には、
ちょうどバッジと同じくらいの大きさだけ、
バッグの生地が濃くなっていて、しばらくそこに
バッジが付いていたのだけど、知らないうちに
取れてしまったらしい痕跡が分かる。
きっと同じタイミングで付けたのだと思うけれど
どんなバッジだったかは覚えていない。

トラベラーズファクトリーがオープンした頃、
橋本がカンバッジを作る機械をどこかのサイトで
見つけて、早速手に入れると気軽にカンバッジを
作ることができるのが面白くて、新しいおもちゃを
手に入れたみたいにいろいろ作って遊んだ。
そして、これをみんなにも体験してもらいたいと、
丸いシートに文字を書き込んだり、スタンプを
押してオリジナルのカンバッジを作るイベントを
思い立ち、開催した。
もうちょっとコロナが落ち着いたら、あのイベント
をまたやってみたいな。

周年記念缶みたいに、10種類のデザインが時系列で
並んでいるのを見るといろいろ変化しているようで、
そのスタイルは一貫して変わっていないとも思う。
もちろん、その時々の気分や思いを反映して作って
いるのだれど、トラベラーズらしさの重要な要素
でもある旅を感じるワクワクするデザインと、
そこに添えられているちょっと理屈っぽくて
分かりづらいメッセージも10年間変わらない。
質、量ともにレベルが全然違うし、比べるのは
大変おこがましいけれど、和田誠展で並んでいた
氏のライフワークとも言える40年分2000枚以上の
週刊文春の表紙もまた、やっぱり和田誠らしい
としか言えない一貫性があった。
映画に音楽、旅先で見つけた物、民芸品、花器、
鳥など、40年分だから本当にたくさんのモチーフが
描かれ、圧倒的な物量なのだけど、どのモチーフにも
氏のパーソナルな思い入れや愛情が感じられ、
それゆえに親密な温かさを見るものに与えてくれる。

デザインもものづくりも文章も、一貫した表現を
長く続けていくためには、その人自身の内側から
湧き出るパーソナリティを源流とする必要があると
思うし、だからこそ、その人にしかできない表現が
生まれる。僕はそういった作品が好きだ。

トラベラーズノートの最大の魅力は、
使い手らしくカスマイズすることによって
その人のパーソナリティを引き出してくれて、
自由で温かな佇まいが、その人ならではの表現を
促してくれることだと思っている。
だからトラベラーズノートは使う人によって、
見た目も使い方も違う。
トラベラーズファクトリー10周年ロゴの
「TEN NOTEBOOKS, TEN COLORS」は、
そのことを言葉にしている。

みんなそれぞれ違うって素敵なことだと思う。


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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。