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手紙ごころ、日々のいろ 第11回 いいことありそう、暑中見舞い
7月は「文月」。なぜ文の月なのかというと、七夕の短冊に詩歌などを書いて、
書が上手になるよう願ったことに由来しているという説があります。
そんな風習を思いながら、この時季に書く文(ふみ)といえば、暑中見舞い。
あらためておさらいすると、二十四節気の小暑(7月7日)から立秋(8月8日)までのあいだに出すのが一般的で、立秋を過ぎると残暑見舞いになります。
暑中見舞いが根付いたのはいつ頃からなのでしょうか。
江戸時代には、正月と盆にお世話になった方や親戚への挨拶回りをするのが習慣でしたが、
遠方へは飛脚で書状を届けていました。
明治以降、郵便の制度ができたことで身近な人にも挨拶状を送る習慣が生まれ、
これがやがて年賀状と暑中見舞いになったのだそうです。
年賀状は毎年出すけれど暑中見舞いは久しく出していないという方も、
多いのではないでしょうか?
暑中見舞いとは、文字通り夏の暑い盛りに、
相手の体調などを気遣って送るもの。
猛暑だったり、大雨が降ったりして、
しばらく会っていない人のことが気がかりになるこの時分、
「どうしているかな」と思いやる気持ちのままにハガキを出してみませんか。
受け取る方も、年賀状とちがって暑中見舞いの数は少ないはずなので、
届いた一枚一枚が印象深く残るものです。
それに、自分や相手が喪中であっても送ることができるので、
そのあたりを気にする必要がないのもいいところ。
きっと、送ってよかったなと思えるような、
嬉しい返事をもらえるはずです。
文/ 黒澤 彩