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ラジオと本は、少年時代からいつも寄りそう良き友 だった

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映画「イングランド・イズ・マイン」は、
僕が大好きなバンド、ザ・スミスのボーカリスト、
モリッシーのザ・スミス結成前の日々を描いて
いる。映画では、音楽と文学をこよなく愛する、
内向的で鬱屈したひねくれ者だった若き日の
モリッシーが、なにもかもうまくいかず、
挫折を味わい苦悩する日々が続く。

モリッシーみたいな才気はなかったし、
彼ほどはひねくれていなかったとは思うけれど、
うまく人の輪に溶け込めなかった思春期の僕も
また、ラジオと本が友達のような存在だった。

部活に本気で打ち込むこともないし、
かといって、熱心に勉強するわけでもないから、
時間だけはもてあますくらいたっぷりあった。
そんなひとりぼっちの時間と、憂鬱で拡張していく
心の空洞を埋めるために、僕はむさぼるように
本を読み、音楽を聴いた。

小説は、教科書と違って明確な答えを示さない
ところが良かった。
本の中では善と悪は簡単にひっくり返るし、
かっこいいことはかっこ悪くて、悲劇と喜劇は
紙一重。白と黒の境は、グラデーションのように
あいまいで、角度を変えて眺めたら変わってしまう
ことを教えてくれた。
あの頃、幸せのイメージは、あまりにも漠然として
遠い存在だったから、ハッピーエンドの物語より、
断ち切れるように終わり、余韻とともにその先に
ささやかな光を感じさせてくれるような物語が
好きだった。

そして、ロックは孤独な心にいつも寄り添い、
同じ涙をこらきれない人が他にもいるし、
同じ気持ちで爆発しそうな仲間にいつか出会える
と、教えてくれた。
誰にも言えず一人で抱え込まなきゃならない
悲しみにも、「分かるよ」と理解を示し、
すべてを優しく受け入れてくれた。

時には理解できないくせに難しい本を読んだり、
誰も知らないような音楽を探して聴くことで、
思春期の自尊心をぎりぎりの状態で保っていた。

そんな思春期を過ごしてきたから、
50歳になった今でも本と音楽は、
人生の旅を過ごすために必要な道具であり、
いつも身近にいてくれる友達のような存在だ。
カバンの中にはいつも本が入っているし、
いまだにブルーハーツを聴けば涙が流れてくる。
だから、トラベラーズファクトリーの中で唯一
小さな本のコーナーとBGMのセレクトだけは、
僕のささやかな楽しみとして、独断で決めさせて
もらっている。ちなみにブルーハーツは涙が
でちゃうから流さない。

だけど、1年に1回、中目黒で開催する読書月間
の時だけは、weekend books の店主高松さんが
選んでくれた古書が並ぶ。

例年イベントがはじまる前に、weekend books、
irodori の皆さんで本とお菓子を届けるために、
沼津からトラベラーズファクトリーに足を運んで
くれる。その時、2階でしばらくお互いの近況を
お話する時間が楽しい。
たいてい冗談みたいな話からはじまるのだけど
ものづくりのこと、お店を運営していくことなど
共感したり、刺激を受けたりことも多い。

weekend books の高松さんは、まさに
本が好きな少女がそのまま大人になったみたいで、
のんびり穏やかな雰囲気の中に、自分の好きを
貫く揺るぎない意志を感じる方。

そんな高松さんが忙しい合間をぬって
トラベラーズファクトリーのために選んでくれた
本だから、イベントの前夜、店頭に陳列するのは、
ほんとうに楽しい時間だ。
「これ読みたいなあ」とか「あ、好きな本だ」と
話しながら、まるでツルハシで掘り返すたびに、
金塊が現れてくるゴールドラッシュの鉱山みたいに、
光を放つ本にたくさん出会える。
お気に入りの本との出会いは、新しい友達に
出会うような喜びを与えてくれるし、
時には何度も読み返す、一生寄り添える伴侶のような
本と出会えることもある。
ぜひ、皆様もとっておきの本を探しに中目黒へ
足を運んでみてください。

映画「イングランド・イズ・マイン」は、
深く落ち込みひとりぼっちで引き篭もるモリッシー
の部屋のドアを、若きジョニー・マーがノックし、
出会うところで、断ち切れるように終わる。
その後、ジョニー・マーがギタリストとして、
モリッシーの言葉にメロディーを与えることで、
マジックが生まれ、奇跡のような歌とともに
ザ・スミスとして真正面から世界に対峙していく。
そのことを知っている僕らは、そのはじまりの
瞬間を目撃することで、映画が終わるのと同時に、
どっと涙が溢れ出てくるのだ。

話は変わりますが、今週9月12日には、
トラベラーズノートの2020年ダイアリーの発売も
あります。
2020年のデザインのテーマは、トラベルツール。
下敷やステッカーなどは、トランクやコンパスから
ウクレレ、地球儀など、僕らが思う旅の道具を
モチーフに、メッセージを添えて橋本がデザイン
している。

I don't know about you, but the radio and books
have been wonderful companions for me since
I was young.
ラジオと本は、少年時代からいつも寄りそう良き友
だった。

人生という旅をともに過ごす大切な旅の道具である
カメラと本には、こんな言葉を添えた。
デザインはメロディーであり、メッセージは歌詞
みたいだと僕は思っている。

今回より、新しいアイテムとしてクリアホルダーも
登場します。
2020年をともに過ごす旅の道具に加えていただけ
たら嬉しいです。


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コメント (3)

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土曜日に伺いました。今年の読書月間もいい本に出逢えました。ありがとうございました。
既に読んだ多くの方々にお薦めしたい本もたくさんあったのでスタッフさんにお薦めしました。

ちい:

ブルーハーツのライブに何度も行った本気のブルーハーツ好きです。
涙でちゃいますよね。
えーんえーんってないちゃいますよね。
でも、ブルーハーツ流してくださいよ笑
泣いてもいいから。
あの歌は皆をげんきにするし、幸せにするから。

本は良いですね。まさに金脈!
最近は、探偵ものなんか読みますよ。
東野圭吾さんが好きです。

ブルーハーツ大好きちいより。

Iijima :

Hideさん、ありがとうございます。私も何冊か読んでみたい本があります。もう少し待ってみて、旅立つことがなかったら手に入れようと思ってます。だからお店に行く度にちょっとドキドキしています。

ちいさん、コメントありがとうございます。ブルーハーツがすきというだけで信用できるし、気が合うような気がします(笑) これからもよろしくお願いします!

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店長のプロフィール

(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。