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プレイリスト

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B-Sides & Raritiesの発売とあわせて
性懲りも無くSpotifyとYouTubeのプレイリストを
作ってトラベラーズファクトリーサイトに
アップしている。>>>
最初、TRC USAからの提案で作ることになった
プレイリストは、今ではB-Sidesを含めて3つある。

これらのプレイリストが、トラベラーズノートを
使ってくれている方々にどれだけ求められているのか、
そもそも喜んでもらえているのかという点については、
正直に言えばまったく自信も手ごたえもない。
だけど、音楽好きの僕にとっては、
チャチャっと適当に作れるようなものではないので、
それなりに時間をかけて、同時に思い入れも込めて、
うんうんと頭を悩ませながら曲をセレクトし、
全体の流れを考えて曲順を決めている。
例えば、受験生が受験にはほとんど関係がない
科目をなんとなく好きだからという理由で、
つい一生懸命勉強してしまうという感じだろうか。
受験に影響する科目をちゃんと勉強した上で、
ということならまだいいんだろうけど、
それはそれで気が進まずはかどらない。
「受験」を「売上」とか「効果」に置き換えると、
確かにやっていることは同じかもしれない。

B-Sides & Raritiesの発売日、
トラベラーズファクトリーに向かう途中、
店を出たばかりのお客様とすれ違った際に
声をかけていただいた。
素敵に使ってくれているトラベラーズノートを
見せてもらいながらお話をしていると、
「プレイリストも聴いていますよ」と言ってくれた。
その時は、なんとなく照れくさくて
ポーカーフェイスを装っていたけれど、
聴いてくれている人もいるんだと分かって、
かなり嬉しかった。

個人的な思い入れがたっぷりの大好きな曲が
並んでいるから、プレイリストを聴いてくれる
だけで、やっぱり嬉しい。
自分が本当に好きなものを好きだと発信し、
それに対して誰かから共感を得られる、
それだけで、何か心が通じ合えた気がするし、
人生の喜びっていうのは、そこに尽きるとさえ
思ったりもする。
良いものか悪いものかを判断する際に、
評判とか人の意見だけを頼りにしていると、
本質的な良さはいつまでも理解できない。
だけど、本気で好きな何かを見つけると、
それがコンパスのように進むべき道筋を示し、
磁石のように新たな出会いを引き寄せてくれる。
僕にとってトラベラーズノートも音楽も
そういう存在だった。

今回のプレイリストは、B-Sides & Raritiesを
テーマにしている。
COFFEE TABLE TRIPやLOVE AND TRIPの
プレイリストを作る時もそうだったけれど、
テーマを設けることで、新たな発見や思い付きが
あるのも楽しい。
今回のB-Sides & Raritiesで選んだ曲について
ちょっとした解説を書いてみた。
40曲分あるのでかなり長いですが、
興味のある方だけでも読んでいただけたら嬉しいです。

1.We're (Gonna) Rock Around The Clock
Bill Haley & His Comets

「Thirteen Women」のB面、1954年リリース。
映画のサントラとして使われたことでヒット。
ロックンロールの元祖とも言われる曲のひとつが
B面から生まれているのがロックっぽくていいな。

2. Revolution / The Beatles
「ヘイ・ジュード」のB面、1968年にリリース。
ポップで耳触りのいいA面(もちろん名曲だけど)
の裏に、激しいギターとともに始まる革命を煽る曲。
これぞB面といった曲ですね。

3. Ev'rybody's Gonna Be Happy / The Kinks
「Who'll Be In the Next In Line」のB面、
1965年にリリース。やっぱりキンクスは外せない。

4.Be-Bop-A-Lula / Gene Vincent&His Blue Caps
「ウーマン・ラヴ」のB面、1956年リリース。
ジョン・レノンのバージョンで知った曲。

5. Woodland Rock / T-Rex
「Hot Love」のB面、1971年リリース。
典型的なロックンロールナンバーなのに、
逆回転ギターやコーラス、ストリングスなど
T-Rexとしか言えない音になっているのがいい。

6. Gloria / Them
「Baby, Please Don't Go」B面、1964年リリース。
パンクの女王、パティスミスによるカバーも有名。

7. Suffragette City / David Bowie
「Starman」のB面、1972年にリリース。
この曲が収録のアルバム『ジギースターダスト』は
全部A面級の名盤のアルバム。

8. Winterlong / Pixies
「Dig for Fire」のB面、1990年リリース。
ニール・ヤングの名曲のカバー。さえない奴が
ステージに立った途端に輝きを放つこともロックの
美しさであればボーカルのブラック・フランシスは
その典型。

9. I'll Feel a Whole Lot Better / The Byrds
「All I Really Want to Do」B面として
1965年リリース。初期のバーズの魅力のひとつ、
疾走感のあるギターが気持ちいいロックナンバー。

10. Where Angels Play / Stone Roses
「I Wanna Be Adored」のB面、1989年リリース。
曲の最後、このままフェイドアウトして終わるのか
と思っていると、いきなり素晴らしいギターソロが
始まるんだけど、いつもこの瞬間涙が出そうになる。

11. God Only Knows / Beach Boys
「Wouldn't It Be Nice」のB面、1966年リリース。
ポール・マッカートニーに今まで聴いた中で最高の
曲と言わしめた曲がB面ですよ。A面も個人的にも
大好きな曲だし贅沢なカップリングです。

12. Femme Fatale / Velvet Underground & Nico
「Sunday Morning」のB面、1966年リリース。
同曲収録のアルバムはシール台紙リフィルの表紙の
モチーフ。

13. Unwind / Sonic Youth
シングルB面曲ではないけど、耐洗紙リフィルの表紙
のモチーフになった『Washing Machine』収録。
『ジギースターダスト』が全曲A面級アルバムなら、
これは全曲B面曲のような実験的なアルバム。

14. Your Song / Elton John
「Take Me to the Pilot」B面、1970年リリース。
「Take Me to the Pilot」と比べると圧倒的に
キャッチなこの曲をなんでB面にしようと思った
んだろう。映画「ロケットマン」で描かれている
この曲が生まれるエピソードも素敵です。

15. Sweet Memories / 松田聖子
「ガラスの林檎」のB面、1983年リリース。
アイドルにはまったりした経験はないんだけど
この曲や「赤いスイートピー」、「夏の扉」とかが
ふと流れてくると今でも思わず胸がきゅんとなる。
(近所の銭湯では80年代歌謡曲がよく流れる)

16. Maggie May / Rod Stewart
「Reason to Believe」のB面、1971年リリース。
ロッド・スチュワート、ソロでの初ヒットはB面曲。

17. Born Slippy .NUXX / Underworld
1995年にインストバージョンのB面としてリリース。
その後、映画「トレインスポッティング」のサントラ
で使用されヒット。僕も映画でこの曲を知ったんだ
けど、この映画は音楽も含めて衝撃的だった。

18. Move on Up / The Jam
ジャムの最後のシングル「ビート・サレンダー」
(超名曲)のB面として1982年リリース。
カーティス・メイフィールドの名曲をカバー。
いやーこれもかっこいい。

19. Sorrow16 / Manic Street Preachers
「モータウン・ジャンク」B面、1991年リリース。
このシングルを出した頃、バンドは最高のデビュー
アルバムをリリースし、1位をとって解散すると公言。
本気かよ、と疑う記者を前に、ナイフで自分の腕に
Realと切り込みを入れた。デビューアルバムは結局
1位になれなくて解散もせず、ムーブメントとは距離
をおいた良質なバンドとして今も活動を続けている。
音はもちろん、そんなところも全部大好きなバンド。
ちなみに腕に切り込みを入れたメンバーは、
サードアルバムリリース後失踪し、今も行方不明。

20. 1977 / The Clash
クラッシュの記念すべきデビューシングル、
「白い暴動」のB面として1977年リリース。
今はYouTubeなどで簡単に聴くことができるけど、
まだネットもなかった時代には、幻の曲だった。
そんな貴重な曲をダビング重ねたカセットテープで
やっと聴いたりすのももけっこう楽しかったと思う。

21. No Feeling / Sex Pistols
「God Save the Queen」B面、1977年リリース。
リフィルジャバラはこの曲が収録されたアルバム
ジャケットがモチーフ。パンクをリアルタイムで
体験できなかったけど、このアルバムを手にして
聴いた瞬間が自分にとってのリアルなパンクとの
出会いだった。

22. How Soon Is Now? / The Smiths
「William, It Was Really Nothing」のB面。
1984年リリース。4年前イベントでLAに行った際、
スミスのボーカリストだったモリッシーのライブに
立ち会うことができた。この曲が流れた瞬間は最高に
盛り上がり、会場の集まった人はみんな僕と同じ様に、
思春期の頃からこの歌に魅了され続け、救われてきた
のだと思った。それだけでみんな仲間のような気が
したし、この場所がLAだと思うとなおさら嬉しかった。

23. Do It Clean / Echo & the Bunnymen
「The Puppet」のB面、1980年リリース。
エコバニはスミスとほぼ同時代に活躍したバンド
だけど、ボーカリストが美形というのが大きな違いで
それゆえに女性ファンも多かった。僕がエコバニを
ちゃんと聴くきっかけになったのも学生時代に
付き合っていた女の子が大ファンで全アルバムを
録音したカセットテープをもらったからだった。

24. The Killing Moon / Pavement
「Major Leagues」のB面、1999年リリース。
そのエコバニの一番のヒット曲のカバー。
この頃のペイブメントは、本当に聴いていると
どんより暗くなるんだけど、好きで当時よく
聴いてたなあ。

25. These Days / Joy Division
「Love Will Tear Us Apart」B面、1980年リリース。
きっとスミスもエコバニもペイブメントも影響を
受けている1976年デビューのポストパンクバンド。
このシングルリリース直後、ボーカルのイアン
カーティスが自殺して解散。その後残されたメンバー
でニューオーダーが結成される。

26. Show Me The Way / Dinosaur Jr
「Little Fury Things」のB面、1987年リリース。
Spotifyにはこの曲がなかったのでKeep The Gloveを。
グランジと言われたバンドではこのダイナソーが
一番好きだったなあ。ギターとボーカル担当のJ
みたいにギターが弾けたらいいのになと思った。

27. Be True / Bruce Springsteen
「Fade Away」のB面、1980年リリース。
A面の曲が収録されている「River」も名盤で、
今でも定期的に聴くアルバムのひとつ。

28. Beneath / Ride
「Today Forever」B面に収録。1991年リリース。
ライドは僕が学生の時にデビューしたバンドなんだ
けど、メンバーが自分達より年下でそれなのに、
もう完全にやられたって感じの衝撃を受けた。
何を張り合ってたのか分からないけど、
そんな気分になったはじめてのバンドだった。

29. Halo / The Cure
「Friday, I'm in Love」のB面、1992年リリース。
B面がどうのというよりも、単に個人的に好きで
世代的な偏りたっぷりのバンドの曲が続くけど、
やっぱり10代から20代前半ごろに聴いていた
音楽は今でも大好きだなあ。

30. Green Onions / Booker T. & the M.G.'s
「Behave Yourself」のB面、1962年リリース。
ブッカー・T によるオンガンで有名な名曲だけど、
実は中学時代に友人から回ってきたエッチなビデオの
BGMにこの曲が使われていて、それがこの曲との
出会いでもあった。聴くと今でも複雑な想いになる。

31. Harder They Come / Jimmy Crif
「Many Rivers to Cross」B面、1972年リリース。
ストーンズのキース・リチャーズがカバーしていること
からこの曲を知って、それでこの曲が収録されている、
同名の映画のサントラアルバムを買ったら、これが、
レゲエの名曲がつまったアルバムで、レゲエとの出会い
のきっかけになった。

32. Hey Love / Steive Wonder
「Travelin' Man」のB面、1966年リリース。
ステーヴィー・ワンダーって昔はあんまり好きじゃ
なかったんだけど、歳をとるにつれて聴くように
なった。そういうのってありますよね。

33. She's Always in My Hair / Price
「Paisley Park」のB面、1985年リリース。
高校生の頃、渋谷陽一がプリンスは良いって
言うから、よく分からないまま聴いていた。
でもそうやって聴き続けることでその良さに気づく
こともありますよね。かっこいい。

34. Fools Gold / Stone Roses
「What The World Is Waiting For」のB面、
1989年リリース。デビューアルバムから数年、
待ち望んで聴いたシングルだった。成功パターンを
繰り返すなんてしないとバンドが言っていたように、
それまでと違う曲調に最初は戸惑ったけど、聴くほど
に好きになった曲。そんな姿勢もかっこよかったな。

35. 空がまた暗くなる / RCサクセション
「スローバラード RE-MIX VERSION」のB面
1991年リリース。RCのラストアルバムに収録。
「大人だろ、勇気を出せよ」今でもこの曲を心で
つぶやくように歌って奮い立たせることもある。

36. Mercedes Benz / Janis Joplin
「Cry Baby」のB面、1971年リリース。
ジャニスの死の直後にリリースされたラストアルバム
『パール』収録。デモのようなラフなアカペラだけど
その分、彼女の悲痛な声が胸に響く。

37. How Can You Be Sure / Radio Head
「Fake Plastic Trees」のB面、1995年リリース。
常に実験性と進化を失わないロックの良心みたいな
バンド。これは初期の名曲。

38. If / Pink Floyd
1970年リリースのアルバム「原子心母」B面1曲目。
ジャケットはリフィルジャバラのモチーフ。
このアルバムはこの曲ではじまるB面が好き。

39. Ruby Tuesday / Rolling Stones
「Let's Spend the Night Together」のB面、
1967年リリース。まだストーンズが来日する前、
1988年のミック・ジャガーの東京ドームでのライブ
に行ったのだけど、この曲が流れてくると数列前に
いたおじさんが感極まって、バックネットに登り、
しばらくして降りると警備員に連れていかれたのを
覚えている。あの頃僕は10代だったけど、今は
あの時のおじさんよりも歳をとっているんだろうな。

40. Please, Please, Please, Let Me Get
What I Want / The Smiths

「William, It Was Really Nothing」のB面。
1984年リリース。「モリッシーの書く詩は全部
悲しいの。全部だよ」スミスが好きだと言うエース
ホテルのマギーさんからそう聞いて、ほとんどの曲が
そうだと思っていたけど、全部だとは思って
いなかったので、ちょっと切なくなった。
僕が欲しいものを与えてくださいと、Pleaseを3回も
繰り返しながら訴えるこの曲もやっぱり悲しい。


今回は長いのでリフィルに絵を描くのをお休み
しようと思ったのだけど、田中邦衛氏の訃報が
あったので、絵を描いてみた。
『北の国から』もここで紹介した音楽と同じように
大好きで僕の価値観を作ってきた作品です。


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コメント (4)

Hide:

ニヤリとしてしまった曲がいくつもあったリストでした(笑)。我々の学生の頃にこのリストが目の前にあったとしたらどうやってそれぞれの曲をチェックしただろうかと考えてしまいました(苦笑)。それから当時当たり前のように作っていた「お好みテープ」にしようとしたらちょっと気が遠くなりますな(苦笑)。ひとりでも多くのひとがチェックしてニヤリとしてくれたら嬉しいですよね。

iijima:

Hideさん、ありがとうございます。プレイリストを作る時の気分は、昔やっていたカセットテープにお気に入りの曲を録音する時の気分とおなじでした。ただおっしゃるように圧倒的に楽ちんなのは違いますが(笑)

Rocketman3:

音楽の話題になるとコメントしてるなあ。リスト眺めているとニヤニヤしてしまいます(笑)。

後半のパンク~ニューウェーブの流れが最高♪ キンクスのEv'rybody's Gonna Be Happy、かっこいいですよね。昔バンドでカバーしてたのを思い出しました。

シングルの場合、A面は売るためにキャッチーな曲を選び、B面はバンドが本当にやりたい曲を入れるというのを昔なにかで読んだことがあります。そう考えるとB面集に名曲が多いのもうなずけますね。

iijima:

Rocketman3さん、ありがとうございます。個人的にも後半のパンクからの流れがお気に入りです。今回のプレイリストを作るにあたっていろいろ調べて、あれがB面なんだと勉強にもなりました(笑)
音楽の話題の際はぜひまたコメントください。

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(株)デザインフィルでトラベラーズノートの企画を担当している飯島です。